ナイアシンは補酵素として大活躍!統合失調症治療に使われることも

更新日:2016/12/16 公開日:2016/07/27

ビタミンの種類(水溶性ビタミン)

ビタミンB群の一種であるナイアシンは、補酵素として健康をサポートしています。糖質やタンパク質の代謝に関わっているのも特徴のひとつです。そんなナイアシンの基本的な情報について、栄養療法専門のドクター監修のもと、詳しく解説します。

ナイアシンとはどのような働きをもった栄養素なのでしょうか。また、どういった食品に含まれ、どのような効果があるのか、摂取のポイントと合わせて見ていきましょう。

ナイアシンはビタミンB群の一種

ナイアシンは、水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。ナイアシンは、ビタミンB1を発見した化学者により米ぬかから分離、3番目に見つかったビタミンB群であるため、ビタミンB3と呼ばれることもあります。

化学名はニコチン酸と言いますが、たばこに含まれているニコチンと名称が似ていて間違われることがあるので、ナイアシンと呼ばれるようになりました。

中性、酸性、アルカリ性、酸素、光、熱に強いため調理方法をあまり選びません。ただし、熱湯に溶けやすい性質を持っています。体内で合成することもできますが、合成のためにはトリプトファン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が必要です。体は特定のビタミンのみで維持されているわけではありません。バランスよく摂取するよう心がけましょう。なお、1日の推奨摂取量は15mg(たらこ約1/3本)です。

ナイアシンには、ニコチン酸とニコチン酸アミドがあります。補酵素として利用されるのは、ニコチン酸アミドの方です。しかし、ナイアシンは、肝臓でニコチン酸アミドに変換されるため、この両者は同等と考えられています。

活性型は、「ナイアシンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)」と、そのリン酸エステルである「ナイアシンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)」です。

植物性食品には主にナイアシンとNAD(P)+の形で、動物性食品には主にナイアシンアミドとNAD(P)+の形で含まれています。

肝臓では主にナイアシンが取り込まれ、肝臓以外の組織ではナイアシンアミドのみが取り込まれます。これは、肝臓以外の組織ではナイアシンからナイアシンアミドに変換できないためです。

肝臓では、必須アミノ酸であるトリプトファンからナイアシンアミドを合成しますが、その転換する効率は悪いものです。その転換率は、ストレスやエストロゲン製剤や低蛋白質やリノール酸の過剰摂取などの因子によってさらに下がります。

ナイアシンはこんな働きをする

ナイアシンの主な働きは以下の通りです。

  • 補酵素として体内のさまざまな酵素をサポート
  • 皮膚や粘膜の健康維持
  • アルコール分解のサポート
  • 血行促進
  • 性ホルモン生成のサポート
  • 糖質・タンパク質の代謝

ナイアシンの多く含まれる食品

まぐろやかつおのなどの魚、レバー、肉、キノコなどに多く含まれています。各食材に含まれる100g中のナイアシンの量は、以下の通りです。

【動物性食品】

  • 生たらこ…49.5mg
  • かつお…19.0 mg
  • きはだまぐろ…17.5 mg
  • イワシの丸干し…15.6 mg
  • 牛レバー…13.5mg

【植物性食品】

  • 干しシイタケ…16.8 mg
  • 焼きのり…11.7 mg
  • まいたけ…9.1 mg
  • 玄米…2.9mg

ナイアシンの過不足がもたらす影響

ナイアシンの不足・過剰による影響はどのようなものなのでしょうか。

ナイアシンが不足すると

ナイアシンが不足するとナイアシン欠乏症となります。ナイアシン欠乏症はペラグラとも呼ばれ、皮膚炎、口内炎、下痢、精神神経障害(うつや認知症)などの症状を起こすことがあります。

他の欠乏症状としては、鮮紅色の舌、舌と歯肉の痛み、口腔・咽頭・食道の炎症、びらん、神経疾患、五感の知覚変化、関節リウマチ、筋力低下、全身倦怠感、焦燥感、反復性頭痛、消化不良、嘔気(はきけ)、嘔吐、口臭、睡眠障害、小潰瘍を引き起こすことがある。

また、統合失調症様の症状を引き起こすことも報告されています。

ナイアシンが過剰になると

ナイアシンは水溶性ビタミンであるため、通常の食生活であれば過剰になる心配はありません。

急に大量に摂取した場合、血中のナイアシン濃度が急激に上昇したときに、一過性に顔面紅潮、上半身のほてり、かゆみが出現することがあります(ナイアシンアミドでは頻度は少ない)。高濃度でも一定のレベルに保たれていれば、このようなホットフラッシュはみられず、血中濃度については、個人差がかなりあります。

ナイアシンを積極的に取りたいのはこんな人

  • 肌荒れが気になる人
  • お酒をよく飲む人
  • 仕事で肉体労働が多い人
  • 激しいスポーツをする人
  • 冷え性の人
  • トリプトファン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が不足している人

ナイアシンの賢い摂取ポイント

ナイアシンは、熱や光などに強いため、保存や調理にさほど気を使わなくてもよい栄養素です。しかし、水溶性ビタミンであるため水に流れやすく、また、熱湯に溶けやすい性質を持ちます。煮る場合には、煮汁ごと食べられるスープなどがよいでしょう。なお、揚げ物はあまりおすすめできません。ナイアシンが揚げ油に移行してしまい、摂取できる量が減ってしまうためです。

統合失調症治療とナイアシン

臨床現場において、発症初期の一部の統合失調症において、高用量のナイアシン投与を中心とした治療により、幻覚妄想が改善または軽減することがあります。また、うつ病の治療においても有用なことがあります。

今後の病態の解明とエビデンスの構築が求められます。

今すぐ読みたい