坐骨神経痛に効果的なストレッチのやり方

更新日:2017/03/21

坐骨神経痛の基礎知識

坐骨神経痛を予防・改善するのにストレッチがよいといわれています。坐骨神経痛の原因からはじめ、ストレッチの目的、どのように行うのか、行ううえでの注意点などについて、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の改善によいとされるストレッチの効果や行い方、注意点などを紹介します。

坐骨神経痛とはどんな症状なの?

坐骨神経痛とは腰から足にかけて伸びる「坐骨神経」が圧迫・刺激されることで現れる、痛みやしびれなどの症状を言います。多くは腰痛から始まり、お尻や太ももの後ろ側、すね、足先などに痛みやしびれが現れます。

坐骨神経痛の原因として考えられること

坐骨神経痛は年齢層によって原因として考えられることが異なります。若者の場合は「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」が考えられ、高齢者の場合は「腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」が主な原因として考えられます。

  • 腰椎椎間板ヘルニア:腰椎の間にある腰椎板が膨隆したりして起こるヘルニアのことです
  • 腰部脊柱管狭窄:生まれつき狭い傾向にある脊柱管がさらに狭くなって起こる神経痛です

こうした坐骨神経痛の原因については『坐骨神経痛の原因とは』をご覧ください。

坐骨神経痛を緩和するストレッチの効果

ストレッチを行うことで、坐骨神経痛にどのような効果が期待できるのでしょうか?

圧迫されている部位の除圧

坐骨神経痛の原因にはさまざまなことが考えられますが、特に多いのに腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアがあります。どちらも背骨を圧迫することで、痛みやしびれなどが起こります。ストレッチをすることで、圧迫を減らし、症状を軽減します。

血流を改善して痛みをやわらげる

ストレッチをすることで、痛みのある患部だけでなく全身の血流がよくなり、痛みやしびれなどを緩和します。

トリガーポイントによる痛みをやわらげる

痛みやこりがもっとも強い部位を「トリガーポイント」と言い、痛みの引き金にもなりえるとされています。「トリガーポイント」の痛みは、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の痛みとよく混同されがちです。

たとえば、ヘルニアや狭窄症と診断をされても、実はその多くは「トリガーポイント」による筋・筋膜性の痛み(激しい筋肉痛)も考えられます。この筋・筋膜性の痛みは、筋肉の緊張をゆるめれば治ります。つまり、ストレッチで筋肉を柔軟にし、血流も回復することで、痛みがやわらぐわけです。

運動性を高める

痛みのあるところをかばうことで、痛みのない他のところの柔軟性や筋力が低下したり、姿勢が悪くなることがあります。柔軟性や筋力アップに効果的なストレッチで、坐骨神経痛の予防・改善につながります。

骨盤周りの筋肉がかたくなると、腰椎や骨盤の動きに悪影響を及ぼすことも。腰だけでなく脚のストレッチも行うとよいでしょう。

坐骨神経痛を改善するストレッチ法3種

ストレッチで改善が期待できる坐骨神経痛について、ストレッチ方法を紹介します。

狭窄部位の除圧を行うストレッチ

狭窄症による坐骨神経痛は、腰をかがめて神経をリラックスさせてあげると楽になります。

  • 仰向けで寝て、力を抜いて両手でひざを軽く抱える
  • 息を吐きながら両ひざを胸に近づけ、5秒キープ
  • 力を抜いて、最初からくりかえす
  • 10回1セットで、痛みがなければ1日6セットが目安

椎間板の除圧を行うストレッチ

椎間板の圧迫を軽減するには、腰を反らせるストレッチがおすすめです。

  • うつぶせで寝て、わきをしめ手を肩の横に置く
  • 腕の力で上体をゆっくり反らせる
  • 腰がつらい人、反らせる範囲が小さい人はひじをつけたままで
  • 大きく反らせる人は、ひじを床から離し、手で床を押して大きく反らせる
  • ただし、恥骨は床から離さないように。その際、ひじは伸ばしすぎず、軽く曲がっていてもOK。
  • 10回1セットで、痛みがなければ1日6セットが目安

トリガーポイントをゆるめるストレッチ

トリガーポイントをゆるめるストレッチは、痛む部位によって伸ばす筋肉に決まりがあります。

・腰の片側が痛む場合

足を伸ばして座る。ひざを軽く曲げて脚をひざ裏から抱え、腰を伸ばす。

・腰の中心や骨盤周囲が痛む場合

  1. ひざを立てて仰向けになり、左足首を右足のひざにのせる(足で4の字をつくる)。
  2. 両手で右足のひざ裏から抱えて胸に引き寄せ、お尻を伸ばす。反対も同様。

・腰から脚にかけて痛む場合

  1. 右足を伸ばし、左足はひざを曲げ、足裏を右足の太ももにそえる。
  2. 両手で右足先をつかみ前屈し、太ももの裏側を伸ばす。
  3. 手が届かなければ、足首やすねなどを持ってもよい。反対も同様。

ストレッチを行ううえでの注意点

力を入れたり、はずみをつけたりしないで、ゆっくり呼吸しながら行いましょう。無理に行うと腰の関節や筋肉に負担をかけ、かえって痛みが悪化することがあるので注意しましょう。

また、ストレッチを行うことで、腰からお尻や太ももへ痛みやしびれが広がってしまうのは要注意です。すぐに運動を中止してください。ケガなどによる痛みの場合も、病状が悪化する恐れがあるので、ストレッチはおすすめしません。

長期間にわたって痛む場合は、動かさないことで、筋力の低下と活動性が下がるだけでなく、体の他の部位に負担がかかり、痛みが生じることも。必ずドクターと相談しながら無理のない範囲で体を動かしたほうがよいでしょう。

ストレッチを行う前に必ずチェック!

ここで紹介したストレッチは、あくまで一例です。坐骨神経痛を引き起こす原因は、実にさまざまなことが考えられます。まずこれらのストレッチを行う前に、何が原因となっているのかを検査・診断してから、ドクターの指導のもとに行いましょう。