マグネシウム不足が招く体の不調や影響

更新日:2017/05/11 公開日:2016/07/26

ミネラルの種類(2)マグネシウム

マグネシウムは現代の日本の食生活において不足しがちなミネラルです。不足すると体にさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。ドクター監修のもと、不足するとどのような症状があらわれるのか解説します。

私たちの体が生命活動をするうえで欠かせない栄養素にミネラル。そのひとつである「マグネシウム」が体内で不足すると、さまざまな不調があらわれます。ここではマグネシウムが不足する原因から、マグネシウム不足によって起こる症状について解説します。

マグネシウムは不足しやすい?

マグネシウムは、カルシウムと比べ不足しやすいという特徴があるうえに、近年、日本人の食生活の傾向としてより不足しやすい傾向にあります。

マグネシウムが不足しやすい理由

血中に含まれるマグネシウムの量は全体の1%ほどですが、不足すると体は、骨に蓄えられたマグネシウムから補充しようとします。しかし、マグネシウムは、カルシウムと比べて骨から取り出す働きがあまり強くありません。その結果として、血中にうまくマグネシウムが行き届かず不足に陥りやすいのです。そのため、マグネシウムは普段の食事でしっかりと補うことが重要になります。

マグネシウム不足に陥りやすい現代の食生活

ミネラルのひとつであるマグネシウムは、主に野菜類や豆類、海藻類などミネラルを豊富に含んだ食品に含まれています。一汁三菜を基本とした和食は、マグネシウムを含むミネラルをうまく摂取するには最適な食事であり、和食が主な食事であった時期にはマグネシウムが不足して病気にかかる人は少なかったようです。

豆腐を作る時の「にがり」、これがマグネシウム補給のために日常生活に取り入れたいところです。

名前の通り、苦みがありますので、精製加工食品では取り除かれることが多いかもしれません。

現代はファストフードやレトルト食品などの加工食品が増えてきました。また、ストレスを抱えたり、アルコールの飲みすぎもマグネシウム不足の原因になります。

日本人の食生活が変化している傾向にあるなかで、このような食生活の変化やストレスが、マグネシウム不足を加速させる原因になっているといっても過言ではありません。

日本のミネラルウォーターの多くは軟水でミネラルが乏しい水です。硬水を一部取り入れてもよいかもしれません。

マグネシウムが欠乏することで起こる体の諸症状

マグネシウムの働きは、主に「骨の強化」「血流の促進」「血圧の安定化」です。マグネシウムが不足するということは、これらの働きが低下することで、体に現れる症状になります。

初期段階で起こる症状

初期段階における症状としては、学習能力や記憶力など脳の活動低下があげられます。これは血流量や血圧が低下することで、脳への酸素不足が起こるためです。人によっては貧血を感じる場合があります。さらに、不整脈や不眠、筋肉のけいれん、疲れを感じやすくなるなどの症状にもつながります。

慢性的にマグネシウムが不足すると

慢性的なマグネシウムの不足は、だるさ、食欲低下、腹痛、下痢便秘などにつながります。これらの症状は、直接的な原因がわかりにくい場合があるため、マグネシウムが不足していることに気づかない場合もあります。

こういった諸症状だけでなく、マグネシウムが不足することで、日常生活に大きなリスクを生む場合があります。

マグネシウムと睡眠

不眠はマグネシウム不足だけが原因であるわけではなく、さまざまな原因によって引き起こります。しかし、大きな原因のひとつとしてマグネシウムの不足があげられます。体内のマグネシウムが不足すると自律神経を不安定にさせてしまうことにつながるため、体がリラックスしにくい状態を招く結果として、不眠を引き起こすことが考えられます。

また、マグネシウムは筋肉の緊張をほぐすために使われる筋弛緩剤(きんしかんざい)としても活用されます。そのため一部の人には睡眠不足を引き起こす、筋肉の痛みを緩和する薬として処方されます。

マグネシウム不足によって引き起こされる病気

マグネシウムと頭痛

規則性の頭痛をもつ人は、血中や脳内のマグネシウム値が低いといわれています。多くの研究では、マグネシウムを摂取することが頭痛の頻度を減少させるサポートとなるとされています。また、ある研究では、1日200mgのマグネシウムサプリメント投与によって、約80%の人に、頭痛の頻度が減少したという報告もあります。

この研究結果をもとに行われている頭痛の治療で、マグネシウムを補うことで症状の緩和がみられることから、たとえ血中の含有量が1%であったとしても、マグネシウムの摂取の重要性は見逃せません。

マグネシウムと病気の関係

その他にも、マグネシウムが不足することで、大きな病気へとつながるリスクも考えられます。マグネシウム不足が直接的な原因とは言い切れませんが、病気を患う方にミネラル不足の傾向がみられることがあります。代表的な例として、中年層の人に多い糖尿病があげられます。糖尿病の人は、体内のマグネシウム値が低いことが報告されています。特に糖尿病を発症しやすい中年層は、血中のマグネシウム値が他の年代に比べて低い傾向にあることから、マグネシウムをはじめとしたミネラル摂取は重要です。

女性の場合

女性の場合は、無月経のほか、強い月経痛や月経前症候群を感じやすくなるなどの症状にもつながることがあります。長期的には、心臓病、脳卒中、高血圧、神経炎、2型糖尿病、がんなどの病気のリスクを高くしてしまう恐れがあります。

心の病になることも

また、精神神経症状の一因になる可能性があります。不足すると、記憶障害と抑うつ気分がはじめに現れてきます。マグネシウムが不足すると、ビタミンB1に似た症状を呈しますが、これはビタミンB1の代謝にマグネシウムが必要になるためです。

マグネシウム不足を防ぐには

毎日の食事での摂取が難しい場合は、サプリメントを活用するという方法もあります。

また、マグネシウムを効果的に作用させるには、カルシウムとのバランスが大切です。

マグネシウムを多く含んだ食材だけを意識せずに、牛乳や小魚などのカルシウムを多く含んだ食品も同時に摂取するように心がけましょう。さらに、アルコール摂取はマグネシウムの尿中排泄を増やします。

アルコール依存状態の方は低栄養になりやすく、マグネシウムの摂取そのものも不足しています。アルコールが好きな方は、マグネシウムが含まれた食材を意識して摂取しましょう。

詳しくは、『マグネシウムを食品から効果的に摂取するには 』の記事も参考にしてみてください。マグネシウム不足を防いで健康を維持するには、ミネラルを多く含んだ食材の摂取を心がけることが大切です。

マグネシウム摂取の重要性について

血中に含まれるマグネシウムの量は全体の1%ほどですが、不足すればさまざまな病気に見舞われます。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」のマグネシウムの摂取基準は、成人の男性で340~370mg、成人の女性で270~290mgとなります。さらに妊婦の場合は、女性の摂取基準よりもプラス30~40mg多くなり、300~330mgが基準値になります。

食品からの摂取であれば、多めにマグネシウムを摂取しても問題ありません。ただし、腎機能が弱まっている場合やサプリメントや製剤を使用している場合は取り扱いに注意が必要です。

硬水、にがり、天然塩などを意識した生活をしてみましょう。

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