亜鉛が多く含まれる食品とは

更新日:2017/02/28

ミネラルの種類(6)亜鉛

亜鉛は人間の生命維持に必要不可欠なミネラルです。しかし、亜鉛は不足しやすい栄養素でもあるので、意識的に摂取することが必要です。亜鉛を多く含む食品にはどんなものがあるのか、栄養学専門の医師監修の記事で解説します。

健康を維持するためには、亜鉛の摂取が必要不可欠です。しかし、みなさんは亜鉛がどんな食べ物に含まれているかをご存知でしょうか。実は、亜鉛は牡蠣や牛肉などに多く含まれています。そのほかにも、亜鉛を摂取できる食物はたくさん存在します。亜鉛不足にならないためにも、亜鉛を多く含む食べ物を覚えて、健康な身体を作りましょう。

亜鉛の主な働き

亜鉛は生命を維持や細胞の分化に関わる重要なミネラルです。また、インスリンの分泌に関与し、赤血球や白血球の細胞膜を安定させる働きもあります。亜鉛の働きについての詳細は下記のとおりです。

酵素の組成に関わる

血中のpHを調整する働きを持つ「炭酸脱水酵素」やアルコール代謝の作用がある「アルコール脱水素酵素」をはじめ、体内にある300種類以上の酵素の組成に亜鉛が必要であると考えられています。亜鉛は酵素の構造を安定させたり、酵素の働きを活性化させるために深く関与しているのです。

細胞分裂に関わる

細胞分裂の際に、DNA(デオキシリボ核酸)の情報を複製しRNAを合成する段階でポリメラーゼという酵素が必要になりますが、このポリメラーゼに亜鉛が含まれています。また、DNAの情報をコピーする働きがあるジンクフィンガー構造を持ったタンパク質にも亜鉛が含有されています。

亜鉛が不足すると、必要量のポリメラーゼやジンクフィンガー構造のタンパク質を生成できなくなり、正常な細胞分裂が行われなくなる場合もあります。

味覚の維持

味覚を伝達する器官「味蕾(みらい)」は、速い周期で細胞分裂が行われ、再生をくり返しています。この味蕾の新陳代謝には亜鉛が必要不可欠です。亜鉛が不足すると、新しい味蕾を作るための細胞分裂が行われなくなり、味覚障害が起きるのではないかと考えられています。実際に、味覚障害の中の60%が亜鉛不足によるものだというデータもあるようです。

生殖機能の維持

亜鉛は前立腺にも多く存在しており、精子の生成とホルモン分泌を促す効果があるといわれています。男性・女性ともに性ホルモンの生成にも深く関与していることもわかっており、生殖機能の維持には欠かせないミネラルであるとされています。

免疫機能の維持

ウイルスや細菌などが侵入してきたときに働く「免疫機能」を正常に働かせるためにも、亜鉛が必要になります。免疫機能に関わるリンパ球「T細胞」は胸腺で作られていますが、亜鉛が不足してしまうと胸腺が萎縮してしまいT細胞が免疫抗体に分化できなくなってしまうと考えられています。

亜鉛の摂取推奨量は成人男性で10mg/1日、成人女性で8mg/1日

亜鉛は基本的に動物性食品に多く含まれています。不足しやすいミネラルであるため、意識して亜鉛を多く含む食品を摂取するようにしましょう。亜鉛の一日分の摂取推奨量は、成人男性で10mg、成人女性で8mgとなっています。

現在の日本人は食事から男性平均8.8mg、女性平均7.2mgの亜鉛を摂取していると考えられています。男女ともに平均1.2mgほど足りない状況です。

亜鉛を多く含む食品

内容にこだわらない食事の場合、総亜鉛摂取の約2/3は動物性タンパク質源の食品に由来します。非精製穀物を中心とする食事ではより多くの亜鉛を摂取できます。一方、魚を中心とする食事や、精白米やイモ類、および野菜類を中心とする典型的な菜食主義者の食事では比較的亜鉛摂取は少ないと言えます。

牡蠣(かき)、ニシン、小麦ふすま、カボチャの種、蒸したカニ、ロブスター、鶏肉、豚肉、七面鳥、赤身の肉、レバー、卵、チーズなどは良好な亜鉛の供給源です。

それでは、どのような食べ物にどれだけ亜鉛が入っているかを見ていきましょう。

魚介類や海藻類

  • 牡蠣13.2mg
  • 煮干し7.2mg
  • するめ5.4mg
  • カニ缶4.7mg
  • うなぎ2.7mg

亜鉛は食品の中でも特に牡蠣に豊富に含まれています。男性ならば大き目の牡蠣4個、女性ならば3個ほどで1日に必要な亜鉛の推奨量を摂取することができます。

肉類や卵類

  • ビーフジャーキー 8.8mg
  • 豚レバー(肝臓)6.9mg
  • 牛肩肉5.0mg
  • 牛ひき肉4.3mg
  • 卵黄4.2mg

牛肉やレバー、卵黄などにも亜鉛は多く含まれています。亜鉛不足を感じたら牛肉やレバーを摂取するとよいかもしれません。豚レバーの場合は、レバー串1本でおよそ30gになります。1本食べるだけで2mg以上の亜鉛を摂取できるため、おすすめです。

豆類・木の実

  • 松の実6mg
  • ごま5.9mg
  • 凍り豆腐(mg乾燥)5.2
  • きな粉 3.5mg
  • 大豆(乾)3.2mg
  • 油揚げ 2.4mg
  • 納豆 1.9mg

豆類、木の実には亜鉛が比較的豊富に含有されているためベジタリアンの人にとっては有効な摂取源です。間食を松の実などのナッツ類にしたり、大豆製品を意識して摂取したりするようにしたら亜鉛をたっぷりと摂取できるでしょう。

乳製品

  • パルメザンチーズ 7.3mg
  • 脱脂粉乳(粉) 3.9mg
  • プロセスチーズ 3.2mg
  • カマンベールチーズ 2.8mg
  • 牛乳(普通) 0.4mg

乳製品にも亜鉛は多く含まれています。特に水分の少ないチーズには亜鉛が豊富に含まれているため、おつまみや小腹が減った時に食べるとよいでしょう。一般的に想定される6ピースに分かれたプロセスチーズは、一戸当たりおよそ20gなので、亜鉛に換算すると0.6mgほどです。2個食べると1.2mgとなり、良質な亜鉛の摂取源となります。ただし、高カロリーな食材でもあるため、食べ過ぎは厳禁です。

穀類で亜鉛の多い食品

米1g中の亜鉛の含有量は15から18μg(マイクログラム)、食パン1g中の含有量は7.518μg(マイクログラム)となっており、パンよりもお米のほうが亜鉛は多く含まれています。食事は、パン食よりも米食を中心にすることをおすすめします。

亜鉛と吸収

亜鉛に限らずミネラル全体に言えることですが、食べるときにビタミンCやクエン酸、リンゴ酸などの酸性を示す栄養素と一緒に摂取すると吸収率が上がるのでおすすめです。

コーヒーは亜鉛の吸収を50%低下させます。コーヒーが好きな方は少なくとも飲む1時間前あるいは飲んだ2時間後に亜鉛を服用する方がいいかもしれません。ほかにも、加工食品に含まれているポリリン酸という成分は、亜鉛の吸収を阻害します。また、鉄やカルシウムと同様に、亜鉛は胃酸の分泌が落ちると吸収が低下します。

亜鉛の吸収を妨げるフィチン酸

フィチン酸は糠や豆類に多く含まれている成分で、亜鉛の吸収を阻害してしまうということがわかっています。また、カルシウムや食物繊維と同時に摂取することで、その作用はさらに強くなってしまうと考えられています。フィチン酸も食物繊維もカルシウムも、身体の健康に役立つ成分ではありますが、亜鉛不足を招く可能性もあるので、摂取の際には注意しましょう。

銅もバランスよく摂る

亜鉛をたくさん摂取すると、銅がうまく吸収されなくなる場合があります。銅はヘモグロビンの形成や酵素の材料にもなる大切なミネラルです。亜鉛を多く摂る場合には、医師に相談し十分な量の銅も摂取するようにしましょう。

アルコール依存症は亜鉛不足に注意?

上記で説明したように、亜鉛はアルコール脱水素酵素の酵素反応に関係しています。つまり、亜鉛は肝臓でアルコールを分解するときにも必要になるということです。アルコール依存症に限らず、アルコールを多量に飲む人は、亜鉛不足に注意しましょう。

亜鉛と鉄

鉄と亜鉛の水溶液を用いた場合、鉄は亜鉛の吸収を低下させますが、食物中に加えた鉄は亜鉛の吸収に影響を与えないようです。しかし、鉄剤投与は亜鉛の利用に影響を及ぼします。

最後に

個体差があり、人によって亜鉛の至適用量は異なります。各種検査や諸症状をもとに医師の助言をもらいながら自分にとっての至適用量をみつけるとよいでしょう。

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