【東尾理子×産婦人科医】ツラい…を楽しい!に変える“ポジティブ妊活”のコツ、教えます!

更新日:2016/07/08 公開日:2016/07/08

ポジティブ妊活

ネガティブなイメージが付きがちな「不妊治療」。自身も治療の後、出産した経験を持つ東尾理子さんが、妊活を明るく前向きに過ごすためのコツを紹介します。

妊活を公表し、2012年11月に長男・理汰郎くんを出産。その後、妊娠治療を再開して2016年3月には長女・青葉ちゃんを出産したばかりの東尾理子さん。TGP(Trying to Get Pregnant)を唱えながら、前向きに妊活に取り組んできた東尾理子さんと、出生前診断にも力を入れている産婦人科医・峰岸一宏先生が妊活を大成功に導くための秘訣について話します。

前向きに妊娠する生活を楽しむ「TGP」ってなに?

峰岸:「TGP」というのは、東尾さんが考えられた言葉ですよね?

東尾:そうですね。私は「不」というネガティブな表現を使うのに抵抗があって。「不妊治療」という言葉自体が、「あなたは妊娠できません。さぁ、どうしますか?」という意味にしか思えなくて。前向きに妊娠しようという意味の「Trying to Get Pregnant」という言葉がふさわしいかな、と考えています。

峰岸:おっしゃる通り、妊娠したいのに思うようにいかない女性にとっては「不妊」はきつい言葉かもしれませんね。ちなみに不妊の定義も変わってきていて、以前は2年間妊娠できないと「不妊」とされていましたが、最近では1年で不妊とみなされてしまいます。

東尾:「不妊」というカテゴリーがよくないですね。学校教育でも「性教育」よりも「生殖教育」が必要だなって思うんです。日本って、学ぶのは「避妊」がメインみたいな印象があります。

峰岸:海外では「生殖教育」をやっているところが多いですね。赤ちゃんがどうやって産まれてくるのかということをきちんと教えています。そこは、日本と少し違うところかもしれませんね。

東尾:私自身も、子供っていつでも望めばできるものだっていう感覚でいました。女性が子供を産むのにはタイムリミットがあって卵子も衰えるということ、それから子宮系の病気のことをその頃から教えてもらっていたら、妊娠に対する意識が変わっていただろうなと思います。私、ゴルフをバリバリにやっていた30歳を過ぎた頃に肩のケガで手術をしました。そのときに、この先の自分の人生についてじっくりと考える時間ができたことが妊娠を意識し始めたきっかけでした。

峰岸:東尾さんをはじめとしてお仕事で活躍されている女性は、どうしても結婚や妊娠が遅くなってしまいますからね。これは社会問題ですけど。

東尾理子さんが経験した妊娠治療とは?

峰岸:妊娠治療はどのように始められたのですか?

東尾:結婚を機に婦人科検診を受けたのですが、ついでに妊娠できるか調べる検査もお願いしました。そうしたら、いつの間にか「タイミング療法」が始まっていました(笑)

峰岸:基礎体温を測って予測した排卵日に合わせてご夫婦生活をしてください、という治療法ですね。

東尾:はい。このタイミング療法を半年ほど、その後に人工授精も半年ちょっとやりました。人工授精を4~5回やったら、それ以上続けても妊娠率はほとんど変わらないと言われました。それで、次に体外受精に移ったという流れですね。

峰岸:妊娠治療には段階があるんですよ。妊娠するかどうかわからないので、まずはタイミング療法から始めて、人工授精、体外受精とステップアップしていくことが多いです。ただし、人工授精を行う回数は減ってきています。タイミング療法と人工授精、体外受精の3つのうち、もっとも妊娠率の高いのは体外受精。さらに、若ければ若いほど妊娠しやすいので、より成功する確率の高い体外受精に早く移行したほうがいいケースもあるんです。

妊活はつらいことも多い…。そこで考え方を変えてみよう

東尾:不妊系のクリニックはすごく混んでいますね。1、2時間待ちなんてあたりまえ!それだけ妊娠したいと望まれている方が多いということなんですよね。病院に通っていることをオープンにしたら、「実は私も……」というお話もたくさん聞きました。妊娠治療って大変なプロセスを経験するのでだれかに話したいんですけど、話せる相手が少ないんですよね。私が第一子を妊娠した当時、妊娠治療のことは隠したほうがいいという意識がまったくなくブログに書きましたが、反響の大きさに驚きました(笑)

峰岸:東尾さんが公表する前は、妊娠治療に関しては閉鎖的な空気がありましたね。東尾さんのおかげで話しやすくなった方は多いと思います。産婦人科医としても、勇気があるなと思いました。すごいです!

東尾:とはいえ、やっぱり妊娠治療はつらいこともありました。まず、金銭的な問題が大きかったです。それから、私の場合メンタルは強いので大丈夫だったんですが、肉体的にもつらかったですね。排卵を誘発する自己注射とか誘発剤でホルモンバランスが崩れて体調が悪くなるし……。全身麻酔をして採卵した2~3日後なんて痛くて動けませんでしたよ。けど、着床しなくても「妊娠できないものは、できないんだな。じゃ、次は何をしようか!」というふうに鍼灸に通ったり、ホットヨガをやってみたりなど前向きに考えられていました。

峰岸:妊娠治療がうまくいかなかったときに、東尾さんみたいにおおらかに受け止めることはなかなかできませんね。

東尾:私は、精神的か肉体的、金銭的のどこかでギブアップする気持ちになるときがくるだろうと思って治療を続けていました。だから、「何歳まで」とか「何回やったら」とか制限を決めていなかったんです。

峰岸:なるほど。本来は、ふとしたときに妊娠するものですから、あまり気負わないほうがいいかもしれません。実は、あきらめた途端に自然妊娠する方もいらっしゃるくらいです。

東尾:それから、妊娠にいいと言われていることって、基本的に体にとっていいことなんですよね。肌がきれいになるとか若返りとか。運動したり食生活を見直したり体温をあげるための工夫をしたり……やっていて楽しかったです!こういうことって、妊娠できなくても絶対に自分の体のためになりますから。鍼灸とかサプリメントとかいろいろと楽しみながら試しましたよ。

峰岸:東尾さんのように、体の欲していることをやっていると最終的に妊娠につながる可能性がある、という考え方はとてもいいですね!まずは自分の体を健康にすることが大切です。

東尾:それから、妊娠治療をしている女性には、自分が何を望んでいるのか考えてほしいなと思います。遺伝子を残したいのか、子供を産みたいのか、育てたいのか。これを早めに考えておけば、養子縁組といった選択肢も広がる可能性があるんです。実は、これも年齢制限とかがありますからね。こういったことを考えて視野を広げておくと、明るい空が広がるかなって思います。

東尾理子
8歳からゴルフを始め、1999年からプロゴルファーとして活躍。現在はゴルフ以外でも、TV番組やCMなど、多方面で活躍中。夫である石田純一さんとの間に2012年11月に長男、2016年3月に長女を出産。妊娠治療の様子をブログで公表し、「TGP(Trying Get Pregnant)」の造語をつくるなど多くの女性たちに勇気と希望を与えている。
東尾理子さんのオフィシャルブログはこちら

峰岸一宏
広尾峰岸産婦人科 院長。産婦人科専門医・超音波専門医・臨床遺伝専門医。20年にわたり慶應義塾大学病院に勤務し産科医療や生殖補助医療の診療に従事。一方、慶應義塾大学医学部産婦人科にて専任講師として教育者、研究者としても活躍してきた。平成27年12月に広尾峰岸産婦人科を開設。
峰岸先生の詳しいプロフィールはこちら
 

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