保険適用の入れ歯とは

更新日:2017/11/15 公開日:2016/08/25

入れ歯・差し歯・ブリッジの知識

保険適用の入れ歯は費用が安く済むという魅力がありますが、その反面、さまざまな制約やデメリットもあります。ここでは、保険適用の入れ歯のメリット、デメリットをドクター監修の記事でご紹介します。

黒崎俊一先生

この記事の監修ドクター

くろさき歯科 院長
黒崎俊一先生

入れ歯をつくるときに、「保険が適用されるもののほうが安くていい」と思う人もいるかもしれません。しかし、保険適用の入れ歯にはデメリットもあるので、費用だけでなく、総合的にみて判断することが大切です。そこで、今回は保険適用の入れ歯の特徴をご紹介します。

保険適用の入れ歯と自由診療の入れ歯の違い

入れ歯には保険適用のものと自由診療のものがあります。保険適用の入れ歯は費用負担が小さく済むのが魅力です。一方、自由診療の入れ歯ならさまざまな選択肢が広がります。

保険適用の総入れ歯

総入れ歯は、粘膜を覆う「床(しょう)」と呼ばれる歯ぐきに似た色(ピンク色)をした土台と、「人工歯」で構成されています。入れ歯の材質にはさまざまなものがありますが、保険適用のものは最低限度の現状回復を目的としているため、床はレジン(プラスチック)しか使えません。また、製作費用が国から定められているため、個々人の口の中の状態に合わせて時間をかけてじっくり製作することが難しくなります。

保険適用の総入れ歯のメリット

費用が安い。

短期間でできる(工程数が少ない)。

材質がプラスチックなので、壊れたときに修理がしやすい。

適用範囲が広く、ほとんどの症例で使用できる。

保険適用の総入れ歯のデメリット

強度を上げるために床を分厚くする必要があり、金属床の入れ歯と比較すると装着時に違和感が大きく、食べ物の温度や味がわかりづらくなったりしやすい。

ニオイや汚れが吸着しやすく、長期間使用していると変色やすり減りが起きやすい。

顎の骨が徐々に減るにともない、調整が必要になることがある。

製作してから6か月経たないと作り変えができない。

保険適用の部分入れ歯

部分入れ歯は床と人工歯、そして、これらを自分の歯に引っかけて固定するための「クラスプ」という金属の留め具で構成されています。保険適用のものは部分入れ歯も最低限度の現状回復を目的とするため、クラスプは金属のみしか使えません。

保険適用の部分入れ歯のメリット

費用が安い。

短期間で製作できる(工程数が少ない)。

適用範囲が広く、ほとんどの症例で使用できる。

取り外しができるので、手入れがしやすい。

保険適用の部分入れ歯のデメリット

クラスプが金属なので見た目がよくない。

強度を上げるために床を分厚くする必要があり、装着時に違和感が出やすい。

噛む力が天然歯と比べて弱い(天然歯の約20-30%程度)。

クラスプを引っかける歯を少し削る必要がある。

クラスプを引っかけることで、クラスプをかけた歯に負担がかかる。

クラスプを理想の位置にかけることができず、残っている歯に悪影響を与えることもある。

保険適用の入れ歯が適しているかは人により異なる

このように、保険適用の入れ歯は費用が安い反面、さまざまなデメリットがあります。一方で、自由診療の入れ歯なら材質を選択することで、こうした保険適用の入れ歯のデメリットをカバーすることが可能です。ただし、費用が高額になることや、材質によっては修理が困難なこともあるなど、自由診療の入れ歯ならではのデメリットもあります。

どちらの入れ歯が適しているかは、残っている歯や歯茎の状態、入れ歯をつくるうえで何を優先するかなどによっても変わってきます。それぞれの入れ歯のメリット・デメリットをよく確認したうえで、自分に合う入れ歯を選びましょう。

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