入れ歯が臭い原因

更新日:2017/11/22 公開日:2016/08/25

入れ歯・差し歯・ブリッジのケア

入れ歯にした後に、「口臭」が気になり始め、話すときに口に手を当ててしまう方も少なくないはずです。このにおいの原因は何なのでしょうか。また、普段のお手入れはどうすればよいのでしょうか。ドクター監修の記事で解説します。

入れ歯のにおいの原因に多いのは、お手入れ不足です。入れ歯は汚れがつきやすく、不潔になって口臭の原因となりやすいのです。きちんと正しい方法でお手入れをすれば改善します。

プラスチック素材の入れ歯はにおいやすい

入れ歯を入れていない人と比べて、入れ歯を入れている人の口臭がきつくなってしまう傾向にあるのは、歯周病や虫歯による口臭に加えて、入れ歯自体のにおいが関係しているからです。

健康保険が使える一般的な入れ歯は、人工歯と粘膜の上に乗る床(しょう)の素材(ピンク色の部分)がプラスチック(レジン)でできています。

素材がプラスチックの場合、破損しても修理しやすいというメリットがあります。一方、プラスチックは、水分を吸収しやすく、柔らかくて傷がつきやすいため、においや汚れも付着しやすいというデメリットもあります。

においの原因はプラーク(歯垢)の中に

口臭や入れ歯臭の原因は、揮発性硫黄化合物と呼ばれる硫化水素、メチルメルカプタン、硫化ジメチルなどの硫化性ガスです。硫化性ガスは、プラーク(歯垢)中の細菌がタンパク質を分解して発生します。

つまり、プラークを除去することが、においの原因を絶つことにつながるのです。

「部分入れ歯」の周囲の歯もにおいの原因

入れ歯(部分入れ歯・総入れ歯)を使っている人の割合は年齢が高くなるにつれ増加し、ブリッジを含めると75歳以上では9割近くに達するといわれています。このうち、「部分入れ歯」は1~数本の歯を失った場合に受ける治療で、55~64歳でも5人に1人は利用しています。

保険が適用される「部分入れ歯」は、自分の歯の代わりとなる人工歯(プラスチック製)と、粘膜の上に乗る歯ぐきと似た色の義歯床(ぎししょう)と、自分の歯に固定するためのクラスプ(金属の留め具)から構成されています。

「部分入れ歯」自体は取り外せるので、お手入れは簡単です。しかし、「部分入れ歯」を引っ掛けている自分の歯は引っ掛けていない歯に比べて汚れが付きやすいため、特に気をつけてお手入れをしなければなりません。

また、口の中の唾液には自浄作用があり、ある程度の汚れは流してくれますが、部分入れ歯の場合はクラスプがあるために唾液が流れにくい状態にあります。

入れ歯のにおい対策はよく洗うことが基本

入れ歯そのものが虫歯になることはありませんが、本来の歯と同じようにプラークや歯石は付着し、きちんと洗浄しなければ蓄積されて雑菌が繁殖し、嫌なにおいを発散します。

入れ歯を汚れたままにしておくと細菌が増えて不潔になり、口臭にも大きく関係します。まず、食事のたびにきれいに洗うことを習慣づけることがお手入れの基本です。

入れ歯の具体的なお手入れ方法としては、流水下でプラスチックが傷つかないよう歯磨き粉はつけず、入れ歯専用の歯ブラシを使ってていねいに洗うことが大切です。

お湯で洗うとぬめりがとれやすいのですが、60℃以上の熱いお湯を使うと入れ歯自体が変形するので注意してください。

きれいに洗うための専用グッズもおすすめ

歯ブラシだけでは磨き残してしまう部分があるため、入れ歯洗浄剤を併用すると高い清掃効果が得られます。入れ歯洗浄剤は製品によってさまざまな特徴がありますので、歯科医や歯科衛生士に相談して選ぶとよいでしょう。

歯ぐきを休ませるためと口内炎の予防のため、1日のうち何時間かは入れ歯は外しましょう。外して洗った後、洗浄剤に数時間浸けておくと歯ブラシでは落としにくい細菌も落とすことができ、臭い対策にもなります。

部分入れ歯で残っている歯の場所によっては、入れ歯を外して寝ると残っている歯の負担が大きくなることもあります。寝ている間も口を閉じて歯ぎしりや噛み締めを行うからです。就寝時に入れ歯を外すほうが良いのかは、歯科医と相談するとよいでしょう。

さらにきれいにしたい場合は「超音波洗浄器」を用いると効果的です。薬剤の泡と振動で汚れが落ちます。

毎日洗ってもにおう場合は歯科医に相談

入れ歯をよく洗ってもにおいが気になる場合があります。プラークは歯ブラシで落ちますが、プラークが石灰化した歯石は歯科医院で除去してもらう必要があります。

歯石は口臭だけでなく、虫歯や歯周病などのリスクも高めます。毎日の入れ歯のお手入れとともに、半年に一度は定期健診で歯科医院に通い、入れ歯とともに自分の歯もケアしてもらうことが、におい対策だけではなく健康管理にもつながります。

保険診療外である金属床の入れ歯は、プラスチックと比べてにおいがつきにくいといわれています。しかし、お手入れをきちんとしなければ入れ歯の素材を変えたとしてもやはりにおいます。

日々のケアも怠らず、素材も変えたのにまだ口臭が気になる人は、お手入れ方法が間違っているかもしれません。歯科医に正しいお手入れ方法を指導してもらうことをおすすめします。

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