病気やケガ以外の不正出血は、治療が必要?

更新日:2016/12/09

不正出血のよくある疑問

生理以外で性器から出血する不正出血は、病気やケガ以外によるものが多いといわれています。こうした不正出血は、治療する必要があるのでしょうか。ここでは、ドクター監修のもと不正出血の治療について詳しく解説します。

生理以外で、子宮や膣などの生殖器の病気やケガがないにもかかわらず子宮内膜から出血する場合を、機能性子宮出血といいます。不正出血で婦人科を受診する人の多くが、この機能性子宮出血だといわれています。機能性子宮出血は、治療が必要なのでしょうか。ここでは、機能性子宮出血の治療についてわかりやすく解説します。

機能性子宮出血は、卵巣から分泌される性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が乱れたり、卵巣の機能が低下して排卵障害が起こったりすることで生じます。特に、性機能の未熟な少女や、性機能の衰える更年期の女性では、無排卵性の月経異常や不正出血が多いとされています。

思春期の場合は治療がいらないことが多い

一般的に、20歳未満の若い女性では無排卵となることが多く、特に初潮(初経)後の約1年間は無排卵性の月経周期であることがほとんどで、排卵周期が確立してくるのは1年半~2年後です。そのため、この時期は過多月経(経血量が多い)や頻発月経(月に2~3回生理が来る)などの月経異常が起こりやすくなります。

月経異常や不正出血は性機能の成熟とともに解消していくことが多いため、貧血などが起きていなければ、治療をせずに様子をみていても問題ありません。出血量が多いと鉄欠乏性貧血を起こすおそれがあるので、日頃から鉄分の多い食品を摂るとよいでしょう。ただし、初経から1、2年経っても不正出血がよくある場合は、基礎体温を記録して一度産婦人科を受診した方がよいでしょう。

一方、更年期の女性の場合、加齢による卵巣機能の低下から無排卵周期がしばしば現れます。貧血などがなく、軽度のものであれば治療は必要ありませんが、出血量が多い場合は出血を減らす治療が必要になります。また、子宮頸がん、子宮体がんなどの腫瘍(しゅよう)の発生頻度が高いため、これらの病気がないか必ずチェックする必要があります。

貧血がある場合は出血を減らす治療が必要

不正出血の原因が、性ホルモンの分泌異常などによる機能性子宮出血で貧血を起こしている場合、薬によって出血量を減らす治療を行います。使用する薬には、経口避妊薬(ピル)のようなエストロゲン・プロゲスチン配合薬や、トラネキサム酸などがあります。これらの内服薬で効果が得られない場合は、性ホルモンを子宮内に持続的に放出する子宮内黄体ホルモン放出システムを子宮内に装着する方法もあります。

多くの場合、薬による治療で出血を制御することが可能ですが、効果を得られない場合や、まれに入院を必要とするほどの大量出血が続く場合があります。出血により貧血が進むことが考えられるので、早めに病院を受診しましょう。

無排卵性の場合は排卵誘発を行うことも

無排卵性の機能性子宮出血では、妊娠を希望するかしないかにより、必要に応じてホルモン療法を行います。不正出血がたびたび起こり、生活に支障をきたしている場合や偶発的な妊娠を避けたいという希望がある場合は、経口避妊薬(ピル)が使用されることもあります。一方、妊娠を希望する場合は、排卵を誘発する治療が有効だとされています。

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