無脳症のリスクを軽減する葉酸

更新日:2016/12/09 公開日:2016/08/23

無脳症の基礎知識

無脳症予防に効果があるとして注目される葉酸。野菜や果物などの食物に含まれている成分ですが、最近ではサプリで摂取する人も増えています。ここでは、葉酸についての基本的な知識などについて、ドクター監修のもと解説します。

葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンの一種で、赤血球の形成や胎児の正常な発育に欠かせないビタミンです。無脳症予防に効果があるとされる葉酸について、効率的な摂取方法を解説します。

葉酸と無脳症の関係

近年、欧米諸国や中国などでは、二分脊椎や無脳症を引き起こす原因である神経管閉鎖障害の発症リスクを、葉酸のはたらきによって軽減できるという報告がされています。厚生労働省によると、海外では母体に葉酸が不足している場合、神経閉鎖障害の発生率が高まり、十分に葉酸を摂取できている場合は発生率が低くなることがわかっているそうです。それを受けて、日本でも2000年から厚生労働省が妊娠可能な年齢の女性に対して、葉酸の摂取を呼びかけ始めました。

葉酸の摂取方法

葉酸は、主にホウレンソウやブロッコリー、イチゴ、バナナなどの野菜や果物、大豆製品や、海藻などに多く含まれています。しかし、食物に含まれる葉酸は体に蓄積されにくく、約50%しか取り込むことができません。また、熱に弱く、水溶性でお湯に溶けやすいため、調理中に失われる可能性が高くなります。一方で、葉酸をサプリメントで摂取する場合、約85%を体に取り込むことが可能です。

葉酸の適正摂取量

妊婦が摂取する葉酸の推奨量は1日480μg(マイクログラム)が目安です。可能であれば自然の食物から必要量を摂取するのが理想ですが、通常の食事のみで必要量を目指すには、葉酸の含有量が比較的多いホウレンソウでも毎日2.5kg以上食べる必要があり、大変困難です。そのため、通常の食事に加えて、手軽に摂取できるサプリメントなどで補うのが一般的になっています。

葉酸が不足・過剰摂取した場合

葉酸が不足すると、妊婦の場合は胎児に神経管閉鎖障害が起こりやすくなりますが、そのほかにも動脈硬化の危険因子となったり、貧血や腸機能障害を引き起こす原因となります。反対に、葉酸を1日に1000μg以上の過剰摂取をした場合は、発熱や蕁麻疹(じんましん)、かゆみ、呼吸障害などの葉酸過敏症を起こすことがあるので注意が必要です。サプリメントで摂取する場合は、商品に記載されている説明書きをよく確認するようにしましょう。

葉酸を摂取する時期

葉酸は妊娠してから摂取を始めればよいわけではありません。胎児の先天的な異常は妊娠直後から妊娠10週目より以前に発生します。中でも、中枢神経系の異常は妊娠7週目未満に発生することもあり、産婦人科に通い始める妊娠2〜4週目から摂取し始めても遅いと考えられます。そのため、少なくとも妊娠1か月以上前から妊娠3か月まで継続的に摂取することが勧められています。妊娠を意識し始めたタイミングで葉酸の摂取を心がけるようにしましょう。