切らずに治す!高圧浣腸による腸重積治療

更新日:2016/12/09

腸重積の検査・治療法

腸が重なって起きる腸重積では、発症から72時間以内なら圧力によって腸を押し戻す高圧浣腸が有効です。腸重積にかかった乳幼児の約9割が治るといわれている高圧浣腸について、ドクターの監修のもと解説します。

乳幼児が腸重積にかかった場合、初期段階なら身体にメスを入れずに治療することができます。このように、手術を用いない治療を非観血的整復といいます。腸重積では、非観血的整復の中でも高圧浣腸(または高位浣腸)による治療が主流です。

腸重積の治療全般について詳しくは『最終手段は腸切除、腸重積の治療法とは』をご覧ください。

高圧浣腸の方法

高圧浣腸では、超音波やX線を使って腸の映像をチェックしながら、約1メートルの高さからバリウムなどの造影剤をおしりに注入して圧をかけます。圧をかけることによって、腸に入り込んでしまった先進部を押し出すのです。この方法で、8〜9割の乳幼児の腸が正常に戻ります。

高圧浣腸の危険性について

高圧浣腸では、より鮮明に腸の内部を映し出すために造影剤を用います。主に使用されるのは、バリウム、6倍希釈ガストログラフィンといったものです。従来はバリウムを使用することが多かったのですが、腸が破れてバリウムがお腹の中にもれ、腹膜炎をおこす可能性があるため、最近では6倍希釈ガストログラフィンが主流となっています。どのような造影剤を使用しても、腸重積の回復率にはあまり差はありません。バリウムを使用している施設もあり、どれを使うかは病院やクリニックなどによって異なります。それぞれの施設が使い慣れた方法で治療をしています。

高圧浣腸は方法が確立されており、基本的に安全です。しかし、高い圧をかけることによって、腸には当然負荷がかかります。圧の強さによっては腸を破る可能性があったり、生後6か月未満の乳児に高圧浣腸を施す場合には、腸管に小さな穴が開いてしまうことがあったりと、危険性がゼロとは言えません。したがって、高圧浣腸に慣れた医師による治療を受けることが重要です。