口腔癌(がん)で行われる手術の種類と目的

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/27

口腔癌の検査・治療

口腔癌(がん)の手術には、発声や噛んで食べるなど、日常生活を営むために必要な身体機能を保ちつつ、命をつなぐための根治を目指すといった選択がともないます。口腔癌の手術方法について、ドクター監修の記事でお伝えします。

※医師監修による一般的な情報提供となります。記事内の情報だけで自己判断せず、医療機関での受診の参考としてください。

口腔癌(がん)の手術方法は、がんがどの部位にできているかによって異なります。ここでは、口腔癌の種類ごとに、手術方法をご紹介します。

舌がん

舌がんの手術はがんが周辺にどれぐらい広がっているかによって、大きく3つに分けられます。

・舌部分切除

がんが小さく、周辺に広がっていない場合、舌の一部を切除して摘出を行います。

・舌半側切除

がんが舌の半分近くまで広がっている場合、がんのある側の舌を半分切除します。

・舌全摘出

がんが舌の半分をこえて全体に広がっている場合、舌のほとんどの部分を摘出します。

切除した舌は、主に前腕などから筋肉を採取し、血管とつないで新たに舌を再建しますが、舌の機能をどの程度回復できるのかは一概には言えません。また、がんが下顎骨まで深く広がっている場合、骨も切り取り、必要に応じて肩甲骨あたりから採取した骨を移植し、再建します。

口底がん

舌の下である口底部にできたがんは、正中型(前歯部)と側方型(臼歯部)に大別しますが、大半は正中型です。5段階に分けた進展具合により、部分切除か口底全切除かを判断します。がんの広がり具合によっては、舌や下顎骨の切除も行います。上記に示した再建術も必要になることが多いです。

下あご歯肉がん

下あごのがんは歯肉部のがんでも早期に下顎骨へと広がり、骨破壊へと進む恐れのあるがんです。4段階に分けた進行具合から、以下の6つの方法で手術を行います。

  • 歯肉切除
  • 下あご辺縁切除
  • 下あご区域切除
  • 下あご半側切除
  • 下あご亜全摘出
  • 下あご全摘出

下あごの骨を切り取る手術になれば、大きな侵襲をともないます。骨を切除したあとに、骨移植または補綴(ほてつ)と呼ばれる金属プレートを使って、あごの再建が行われます。

上あご歯肉がん・硬口蓋がん

いわゆる上あごにできるがんです。どちらも発症頻度は高くないようです。こちらは5つの手術方法に分かれます。

  • 歯肉切除
  • 上あご部分切除
  • 上あご亜摘出
  • 上あご全摘出
  • 上あご拡大全摘出(目に近いところまで骨を切り取ります)

下あごの場合と同じように、骨再建術も行われます。

気管切開

下顎骨の大幅な切除により気道確保が難しい場合、気管切開する場合がありますが、合併症やその他の理由から、判断は慎重に行います。

リンパ節の摘出と頸部廓清(けいぶかくせい)

頚部のリンパ節に転移が認められる場合、全身への転移を防ぐため、リンパ節の摘出と同時に周囲組織とひとかたまりに切除する廓清術が行われることが多いです。