口腔癌(がん)の放射線治療の種類や副作用について

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/27

口腔癌の検査・治療

口腔癌(がん)には外科手術が有効となりますが、嚥下(えんげ)や発声の機能障害は避けられません。そこで検討される代替治療法が、放射線の照射です。予備的治療や根治を目指す放射線治療について、ドクター監修の記事で解説します。

※医師監修による一般的な情報提供となります。記事内の情報だけで自己判断せず、医療機関での受診の参考としてください。

口腔癌(がん)の外科手術の影響には、噛んで飲みこむことや言葉の発声が日常においてうまくいかなくなることが考えられます。このリスクを避けて行える治療が放射線の照射です。ここでは放射線の治療方法や効果を詳しく見ていきます。

外部照射療法

外部照射療法とは放射能を体外から照射する外部照射で、γ(ガンマ)線やX線などが用いられます。

口腔癌に限らず、がんは全身に発生する可能性のある病気です。口腔内に病巣を作っている場合、口腔以外にも微細ながん細胞が存在している可能性があり、リンパ節や血管を通して全身に広がります。健康な状態であれば、白血球やリンパ球による攻撃で発病が抑えられますが、自己免疫機能が低下すると発症します。

この低下した自己免疫機能に代わり、微細ながん細胞を死滅させるのが、放射線照射や抗がん剤による化学療法です。手術前にできる限り病巣部を小さくさせる目的や、術後の照射では転移を防ぐ予備的追加治療の目的でもそれぞれ照射されます。

γ(ガンマ)線

ピンポイントで狙い照射することで、がん細胞を焼き切れる可能性があります。脳腫瘍など外科手術の適応が難しい場合などに使われます。

X線

X線の外部照射は、かたまりになったがん細胞をすべて焼き切るという根治療には不向きです。そのため、ある程度の範囲に向けて照射する場合には、X線を使います。一般的に、手術の前後で行う予備的治療照射として用いられます。

小線源療法

小線源療法は、ピンポイント照射に近い治療法です。外科手術に代わる根治を目的とした治療法であり、治療成績が外科手術を大きく上回るという報告もあります。放射線を発する針状の線源を体内に埋め込み、がん細胞に対し一定期間集中的に放射線を浴びせます。そのため、小線源療法は部位を選ぶ治療法です。針を埋め込むことができない部位には使用できません。小線源療法ができない部位には、線源となる金粒子を入れ歯に埋め込み、数日間装着させるというモールド法が採られることもあります。

放射線照射のリスク

根治を目的とした小線源療法などは手術と異なり、舌やあごの骨を切除しなくてすみます。しかし、高エネルギーの放射線を当てる際のリスクが生じます。副作用として、口内炎や食道の炎症などが起こります。特に、小線源療法の場合、周辺の健康な歯肉や骨に穴を開ける恐れもあるため、スペーサーと呼ばれる遮断壁で侵襲を最小限に抑えながら治療を行います。