口腔癌(がん)の術後の飲食への影響とリハビリについて

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/27

口腔癌の検査・治療

口腔癌(がん)の治療に外科手術を選択する場合、摂食・嚥下(えんげ)・発声の機能に障害が残る可能があります。ここでは手術にともなう障害、術後の飲食への影響、回復のために必要なリハビリについて、ドクター監修のもと解説します。

※医師監修による一般的な情報提供となります。記事内の情報だけで自己判断せず、医療機関での受診の参考としてください。

口腔癌(がん)には外科手術が有効ですが、術後に障害が残ることがあり、いままで通りの日常生活が困難となる場合があります。ここでは、口腔癌手術によって起こり得る障害と、回復するために必要なリハビリテーションを詳しく見ていきましょう。

術後に現れる可能性がある障害

口腔癌は舌がんや、歯肉がんなどを総称した病名ですが、外科手術を行った場合には口に関わる障害が残る可能性があります。具体的には、摂食、飲み込む機能である嚥下(えんげ)、発声に影響をおよぼす可能性があります。日常生活になくてはならない機能のため、術前・術後の対策をしっかりと立て、回復させる必要があります。

術前にするべき備え

口腔癌で手術を選択する場合でも、手術前に、抗がん剤投与の化学療法を行うのが一般的です。化学療法は体内に潜む微細ながん細胞を叩き、他部位への転移や術後の再発を抑えることに加え、病巣部のがんをできるだけ小さくして、手術で摘出する範囲を可能な限り狭くすることを目的としている治療法です。

手術前に化学療法と平行して行えるのが、手術後のリハビリテーションに備えた予行訓練です。舌を動かす訓練や、喉頭の気道狭窄(きどうきょうさく)に対する呼吸訓練、痰を出す訓練などをしましょう。

手術後の腫れは数日の内に回復する

口腔癌の手術が終わると、切除した病巣部だけでなく、周辺の広い範囲におよび腫れることが予想されます。場合によっては、一時的に顔の形が変わるほど腫れることもあります。そのため、のど部分を切除しなくても気道がせまくなったり、唾液を飲みこむことが難しくなったります。部位や術式によっては、口を閉じることも難しくなるため、唾液を拭き取る必要も出てきます。

腫れが引いて、飲みこむことができるようになるまでは数日かかります。この間は、食事は鼻腔から胃に通したチューブを使い、水分や栄養剤を直接胃に入れます。また、発声ができないため筆談でのコミュニケーションになります。

腫れが引いたら、経過を見てリハビリテーションを始める

数日が経ち、口を閉じられるようになってくると、喉頭部の腫れも引き、気道が通ってくるでしょう。すると、水や流動食を摂れるようになってきます。そのとき、舌の動きや感じる味覚などをしっかりと確認し、口腔機能の状態がチェックできます。

食事の際にものを噛んだり、舌で食物をのどに送る、飲みこむといった動きのリハビリテーションは、術後の経過を見て始めることになります。また、舌を切除し再建した場合などには、言葉をきちんと発声するためのリハビリテーションも経過を見ながら始めていきます。

がんの進行具合や切除した部位、術式によって退院までの期間は異なります。さらに、回復するまでの期間にも年齢や体力などにより個人差が出てきます。医療機関で指示されたリハビリテーションにきちんと取り組むことが大切になります。