口腔癌(がん)の手術後・治療後の経過について

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/27

口腔癌の検査・治療

口腔癌(がん)を含む頭頸部のがんは、再発の可能性が高いという特徴があり、定期的な経過観察が重要です。ここでは、手術後・治療後はどのような経過をたどるのか、再発した際の対応などについて、ドクター監修の記事で解説します。

※医師監修による一般的な情報提供となります。記事内の情報だけで自己判断せず、医療機関での受診の参考としてください。

国がまとめた「がん登録・統計」の最新データによると、咽頭を含む口腔癌(がん)の罹患者数は、男女計で約2万人、5年生存率は男性59%、女性が66%となっています。ここでは、口腔癌の手術や治療を受けた人がどのような経過をたどるのか、詳しく見ていきます。

経過観察の必要性

治療後の経過観察は、再発の早期発見に欠かせません。ただ、最初に発生したがんである原発巣(げんぱつそう)における再発や頭頸部における再発、遠隔転移などのあらゆるリスクに備え、根気よく見守っていく必要があります。推奨される治療後の観察間隔と期間は、次の通りです。

治療後1年:月に2回(最低でも1回)

1~2年:月に1回

2~3年:2か月に1回

3~4年:3か月に1回

4~5年:4か月に1回

5年以降:半年に1回

その際、実施すべきとされる検査法は、視診、触診、超音波検査、造影CT、CT、PETなどです。通常、受診時には毎回腫瘍マーカー検査(血液検査)を行い、全身の抗がん体制をチェックしたうえで、CTやPETなどの追加検査を実施すべきかの判断材料にしています。

頭頸部のがんに多い重複がん

口腔癌をはじめとした頭頸部のがんは、重複がんを発症しやすい特徴があります。頭頸部は人体でもっとも大切な場所です。心臓から送り出された血液がまず向かう先は頭部です。頭頸部は酸素と栄養が豊富であり、がん細胞が巣食っていくうえで最適な場所とも言えるでしょう。がん細胞は、血管やリンパ節を通って体内を巡ります。健康体であれば、微細ながん細胞は白血球などによって殲滅(せんめつ)されるため、増殖できません。ところが、がんが発症した人の身体は、自己免疫機能の低下した状態になっています。そのため、がん細胞は最寄りのリンパ節に転移し、そこを起点に遠隔転移します。口腔癌の転移する部位は、肺や脳などが多いと言われています。

再発後の治療

前述に推奨される間隔で定期検査を受けていれば、再発が見つかったとしても、初期の早い段階で治療に移行することができます。再発した場合、第一に有効な治療法は、外科手術による切除と言われています。また、再発が見つかった場合には、全身に対する精密な検査を実施し、予備的治療法の検討が加えられます。これは、何が効いて何が効かなかったのか、どこを見落としていたから再発につながったのか、今回の原発は前回と同種か異種かといった観点から振り返り、根治を目指す治療のことを指します。

緩和治療という選択肢も

口腔癌の場合、余命と口腔機能への障害をかんがみて、緩和治療が選択されることもあります。特に、痛みに対しての場合はモルヒネを中心とした治療で十分に痛みをとることができるため、緩和治療を行う場合もあります。