現代日本でも危険がある、栄養失調とは?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/10/24

栄養失調の基礎知識

エネルギーや必要栄養素が欠乏する栄養失調は、主に発展途上国で見られる症状ですが、近年の日本では、新たな栄養失調の危険性が叫ばれています。栄養失調の基礎知識について、ドクター監修のもと解説します。

栄養失調とは、エネルギーや必要栄養素が足りていない状態のことを指します。代表的な栄養失調の形態では、マラスムスとクワシオルコルがあげられます。

マラスムス

エネルギーとタンパク質の両方が長期間不足することで、それらの貯蔵器官である脂肪組織や骨格筋が崩壊し、体重が著しく減少するものです。伝染病に対する抵抗力が低下するため、死にいたる場合もあります。

クワシオルコル

エネルギーは比較的保たれているものの、タンパク質が不足していることで起こります。お腹にむくみが出て、膨れ上がったようになるのが、特徴的な症状です。

クワシオルコルの症状について詳しくは「お腹がふくらむ原因は栄養失調?」をご覧ください。

この2つは、主に発展途上国の小児に見られる症状です。特殊な場合を除き、日本でこうした栄養失調に陥る人は非常に少ないと言えるでしょう。一方で、日本人でも気をつけなければいけないのが、新型栄養失調です。

新型栄養失調とは

新型栄養失調とは、エネルギーは足りているものの、特定の栄養素が不足している、あるいは栄養素の機能が邪魔されている状態です。特に、ある特定の栄養素が不足している状態は、日本人の大半が当てはまるかもしれません。しかも、自分が栄養不足だとは気づいてない場合がほとんどです。下記のような症状が出た場合、新型栄養失調を疑ってみるとよいでしょう。

新型栄養失調の症状

不足している栄養素によって、さまざまな症状がみられます。たとえば、鉄不足ならのどの違和感や顔が青白くなり、氷を食べたくなるなどの症状が出ます。亜鉛不足なら爪が弱くなったり、髪が抜けやすくなるなどの症状が見られます。また、マグネシウムが不足すると、肩こりや頭痛などを引き起こし、ビタミンBが不足すると、疲労感が抜けなかったり、精神的に不安定になったりします。

新型栄養失調の症状について詳しくは「近年増加している新型栄養失調とは何?」「栄養失調になるとどのような症状が出る?」をご覧ください。

栄養失調の治療

栄養が全般的に不足し、体がやせ細った栄養失調は、入院をして点滴や栄養成分の経口補給をするのが一般的です。程度にもよりますが、治療期間は1週間から数か月程度です。

一方、新型栄養失調の場合は、患者の食事内容や摂取方法の見直しを図り、消化器官である胃腸の状態も検査したうえで、不足している栄養素を補給するために、必要に応じてサプリメントの処方や点滴などを行います。ほとんどの場合、治療には1か月から数か月かかりますが、入院を要するケースはまれです。

栄養失調の治療について詳しくは「栄養失調になった場合の治療法、入院期間について」をご覧ください。

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