ポストポリオ症候群とは

更新日:2016/12/09

ポリオ(急性灰白髄炎)の基礎知識

50~60歳を迎えた世代のポリオ経験者でみられる手足のしびれや筋力低下。腰痛や筋肉痛といったささいな症状も、ポストポリオ症候群かもしれません。初老期に再び訪れるポリオの脅威と対策を、ドクター監修記事で解説します。

初老期である50~60歳になって、ポリオに酷似した症状を訴える人がいます。どの方も、その昔、ポリオを発症した方です。なぜ同じ症状がまた現れるのか。ポリオの再発とも疑われたポストポリオ症候群についてお話します。

ポストポリオ症候群とは

ポストポリオ症候群(PPS、またはポリオ後症候群、ポリオ後遅発性筋萎縮症)を簡単に説明すると、「一度ポリオにかかった人が50~60歳に達した際、手足の筋力低下やしびれ、痛みを感じること」です。ポリオとよく似た症状ですが、決定的に違うのは発症する年齢です。ポリオが主に5歳以下の子供が発症するのに対し、ポストポリオ症候群は、50~60歳の初老期に発症します。

現在の日本では、ほとんど患者を見かけないポリオですが、1964年に集団予防接種が始まるまで、毎年、多数の子供がポリオに感染していました。その世代の子供たちが成長し、ポストポリオ症候群の対象年齢になった今、問題が表面化してきたのです。当初はポリオの再発かと疑われていましたが、研究の結果、再発ではなく後遺症であるとの結論が出ています。

症状が出た場合、何科を受診したらよいか

ポストポリオ症候群には、さまざまな症状があります。代表的な事例をあげてみましょう。

筋力低下

力が入らない、以前持てていたものが持てなくなったなどの症状が出ます。

筋委縮

以前と変わらぬ運動をしているのに筋肉が減った、腕や足が細くなったという場合は要注意です。

筋肉痛

特に激しい運動をした覚えもないのに筋肉が痛むことがあります。

関節痛

気温に関係なく関節が痛むことがあります。

筋線維攣縮

自分で動かしているつもりがないのに、筋肉が勝手にピクピクと細かく早く動く現象です。

冷感

手足を氷のように冷たく感じます。主に障害が残っている手足にそう感じる人が多いですが、全ての方がそうではありません。

感覚鈍麻

全体的に感覚が鈍ります。

腰痛

腰の痛みを覚えることがあります。

全身倦怠感

特に原因がわからないまま、全身をだるく感じます。

これらの症状は、障害のある手や足に出る人が多く症状も多岐に渡り、人によりさまざまです。ひとつの症状が現れただけでポストポリオ症候群だと自己判断せず、いずれかの症状を自覚したら、まずは病院へ行きましょう。何科を受診するのかは、そのときの症状に合った科で構いません。その際には、必ず以前にポリオにかかったことがあることを伝えましょう。

予防方法

ポストポリオ症候群の原因として、老齢による神経細胞の減少が考えられます。症状を感じたら、筋トレなどの手足に過剰な負担をかけるような無理な運動は避けましょう。

特に、対象年齢である50~60歳のポリオ経験者は、スキーや登山といったハードスポーツを経験した後にポストポリオ症候群を発症した事例がいくつも報告されています。