特発性血小板減少性紫斑病とは

更新日:2016/12/09

紫斑

特発性血小板減少性紫斑病は、原因となる病気が見当たらないのに血液中の血小板が減少し、出血症状が起こる病気です。ここでは、特発性血小板減少性紫斑病の症状や原因、治療法などを、ドクターの監修の記事で解説します。

特発性血小板減少性紫斑病は、原因になる病気があるわけでもないのに血小板が減少し、紫斑などの出血症状が見られる病気です。今回は、この病気の症状や原因、治療法などについて解説します。

特発性血小板減少性紫斑病は血小板減少性紫斑病の1つ

出血しやすくなったり、出血が止まりにくくなったりしたために、皮膚組織に紫斑(内出血によってできる紫色のあざ)ができる病気の総称を紫斑病といい、中でも出血したときに血を止める働き持つ血小板が減少したことで起こる紫斑病を血小板減少性紫斑病といいます。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、この血小板減少性紫斑病の1つで、原因となる病気がないのに血小板の数が減少し、紫斑などの出血症状が起こります。この病気は、厚生労働省が難病(特定疾患)に指定されています。

特発性血小板減少性紫斑病には急性型と慢性型がある

特発性血小板減少性紫斑病は、急激に発症する急性型と、徐々に起こってくる慢性型に分類されます。急性型は子供に多く見られ、ウイルス感染症に引き続いて発症しやすい傾向があります。しかし、ほとんどは自然に治ります。一方、慢性型は成人女性に多く見られます。徐々に発症するので、発症した時期がはっきりとわかりにくく、血液検査で偶然発見されるケースも珍しくありません。また、急性型に比べて治りにくい傾向があります。

特発性血小板減少性紫斑病を発症するとさまざまな出血症状が現れる

特発性血小板減少性紫斑病を発症すると、どこかにぶつけたわけでもないのに、紫斑や赤いソバカスのような点状出血ができやすくなります。また、歯茎からの出血や鼻血が増えたり、便や尿に血が混じったり、女性の場合は月経過多が起こったりするようになります。さらに、血小板が極めて少ない重症のケースでは、脳内や消化管内で出血が起こり、命にかかわることもあるので注意が必要です。

特発性血小板減少紫斑病は免疫の異常によって起こる

私たちの身体には、ウイルスや細菌などの異物から身体を守る免疫機能が備わっています。このため、異物が体内に侵入すると、それぞれの異物に合う抗体が作り出され、この抗体が異物を身体から排除しようと働きます。抗体は本来、異物に対してのみ作られるもので、自分の身体の成分に対して作られることはありません。しかし、特発性血小板減少紫斑病では、自分の血小板に対する抗体が作られてしまうため、血小板が壊され、その数が減少してしまうと考えられています。しかし、なぜこのような異常な抗体(自己抗体)が作られてしまうのかは解明されていません。

特発性血小板減少性紫斑病の治療法

急性型の場合は、半年くらいで自然に治るケースがほとんどなので、軽症であれば、治療をせずに経過観察だけを行うことがあります。一方、慢性型の場合は、ピロリ菌の除菌を行うことで、約半数の人に血小板の増加が見られるため、まずピロリ菌の検査をして、陽性なら除菌治療を行います。しかし、ピロリ菌が陰性だったり、除菌治療をしても血小板が増加しなければ、ステロイド剤を投与します。ただし、ステロイド剤を長期間飲み続けると、糖尿病、胃潰瘍、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、感染症などの副作用が現れることがあるので、副作用が強くて治療を続けられなかったり、ステロイド剤で効果が得られなかったりした場合は、血小板を分解する脾臓を手術で摘出することもあります。さらに、脾臓を摘出しても血小板が増加しない場合や、手術ができない人には、免疫抑制剤などの他の薬を使った治療を行います。

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