抜歯も必要?親知らずのメカニズムと症状・歯並びへの影響

更新日:2016/12/09 公開日:2016/11/17

親知らずの基礎知識

親知らずは抜歯が必須というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。生え方や状態により対応が異なります。親知らずについて知っておきたい基礎知識を、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

永久歯は上下左右7本ずつ、計28本あります。一般的に10代半ばにはすべて生え揃いますが、親知らず(智歯)はその後、20代にかけてそれぞれの一番奥に生えてきます。せっかく生えてきた歯なのに、抜かざるを得ないことが多いのには理由があります。

親知らずのせいで炎症や虫歯、歯並びへの影響も

親知らずは、他の歯より遅れて生えるため、多くの場合あごに十分なスペースが残っていません。そのせいで、斜め向きや横向きになったり、一部または全部があごに埋もれてしまう埋伏(まいふく)につながります。変わった形の歯が一番奥にあると、歯ブラシが届きにくく不衛生になりがちとなり、さまざまなトラブルの元になります。ここでは、主なトラブルについてご紹介します。

頻度が高いのは智歯周囲炎(ちししゅういえん)

歯肉に炎症を起こすもので、顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることもあります。

無症状に経過する嚢胞(のうほう)

埋伏した歯の周りに、嚢胞ができていることがあります。X線写真では確認できるものの自覚症状はない場合が多く、化膿すると痛みや腫れにつながるため、治療が必要とされます。

奥歯に多い虫歯

不衛生になりやすいことから、隣の歯ともども虫歯になることも少なくありません。

歯列を圧迫することによる歯並びへの影響

ほおづえやペンを噛むといったくせ程度でも、歯を動かす原因になります。親知らずが横向きに生えている状態で長年経過すると、歯列を圧迫し続け、歯並びが悪くなることがあります。

親知らずのトラブルについては、『抜歯すべき?親知らずと肩こりの意外な関係』をご覧ください。

悪い影響がなければ抜歯しなくても大丈夫

上記のようなトラブルが見られる場合は抜歯が基本となりますが、中には抜かなくてもよいケースや、むしろ抜くべきではない親知らずもあります。以下のような場合が該当します。

上下でまっすぐ生えて、噛み合っている場合

他の健康な歯と同じ状態であれば、あえて抜く必要はありません。

あごの骨に完全に埋まっていて、周囲の歯にも問題がない場合

周りの歯や骨に悪い影響を与える恐れがなく、周りの歯自体も問題がなければ、抜く必要はありません。

入れ歯やブリッジの土台に必要な場合

入れ歯のバネをかけたり、隣の歯を補うブリッジの土台に使ったりすることもあります。

親知らずを移植して利用する場合

親知らずの隣の歯に問題があり抜いた後、そこに親知らずを移植して代用することがあります。

矯正治療で向きが治せる場合

斜めに生えている親知らずでも、向きを正すスペースがあり、噛み合わせの歯が正常に生えている場合は矯正治療で対応できます。

親知らずが、生えない人もいる

親知らずの生え方には個人差がありますが、生えてこない人もいます。4人に1人はまったく生えないという報告もあり、その理由として、遺伝や食習慣の変化、あごの構造が小さくなったことなどがあげられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

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