なぜ嚢胞はできる?嚢胞を発症するメカニズムとは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/11/24

嚢胞の基礎知識

血液や浸出液などの液体成分が袋状に溜まった嚢胞(のうほう)は、発症する部位によりさまざまな原因が考えられます。膵嚢胞、肝嚢胞、腎嚢胞、乳腺線維嚢胞症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因についてドクター監修の記事で解説します。

血液や浸出液などの液体成分が袋状に溜まったものを嚢胞(のうほう)といいます。嚢胞は身体のさまざまな部位にでき、その原因も異なります。本記事では、種類別に嚢胞を発症する原因を詳しく解説します。

膵嚢胞とは

急性膵炎や慢性膵炎などの炎症や膵外傷によってできる仮性嚢胞と、炎症や外傷と関係のない腫瘍性嚢胞があります。仮性嚢胞は経過観察か症状によってはドレナージ術が施行されることがあります。腫瘍性嚢胞はいくつかの種類に分けられています。代表的なものに膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)があります。IPMNは、ゆるやかに成長し自覚症状がない場合もありますが、急性膵炎(きゅうせいすいえん)を起こす可能性もあります。また、粘液性嚢胞腫瘍は、がん化する可能性が指摘されています。これら粘液性嚢胞は、悪性化の可能性が高い場合は手術で切除します。膵嚢胞の診断は困難な症例もあるため、専門の医療機関で診断を受けることがすすめられます。

膵嚢胞の原因

膵炎後に発症する膵嚢胞は、膵炎の原因としてあげられる生活習慣、タバコ、アルコールと深く関係があると考えられています。種類別に原因を見てみると、真性膵嚢胞は、遺伝など先天的な原因で発症することが多い嚢胞です。仮性嚢胞は、膵炎や外傷などが原因で膵炎後に生じることが多くあります。また、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は、膵管内に生じた乳頭状の腫瘍が原因で、腫瘍からでる大量の粘液が膵管内にたまり嚢胞のように見えるものです。粘液性嚢胞腫瘍は乳頭状以外の腫瘍が原因で、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)同様、たまった粘液が嚢胞に見えます。

肝嚢胞とは

肝嚢胞は、肝臓のなかに嚢胞ができる病気です。50代以上の女性に多く見られ、多くの場合、良性で治療の必要がありません。人間ドックなどの超音波検査で発見されることがほとんどです。多くは無症状ですが、嚢胞が大きくなると自分で腹部を触ってわかるようになり、膨満感、腹部の鈍痛、胃の不快感、吐き気などの症状が現れることがあります。嚢胞が大きく圧迫感が強い場合や、合併症を起こした場合には、手術となることもあります。

肝嚢胞の原因

多くは先天性のものです。後天的な原因としては外傷や肝炎、腫瘍によるもの、寄生虫感染などがあげられます。原因が炎症性、腫瘍性、寄生虫性の場合には、医師の診断のもと治療法を選択します。

腎嚢胞とは

腎臓の中に嚢胞ができる腎嚢胞には、無数の嚢胞が見られる多発性のもの(多発性嚢胞腎)と、1 個から数個の嚢胞が見られる単純性のもの(腎嚢胞)があります。ほとんどの場合は症状がなく、大きくなり腰部に痛みを引き起こしたり、他に合併症をともなっていたりしなければ、特に治療の必要はありません。

腎嚢胞の原因

多発性の嚢胞の多くは遺伝が原因といわれていますが、その原因ははっきりと解明されていません。発症率は加齢とともに増加し、60歳以上の方に頻繁に見られます。

乳腺線維嚢胞症とは

乳腺線維嚢胞症は、女性の乳房に非がん性のしこりができ、痛みと不快感を生じる病変です。危険な病気ではなく、30~50代の女性に特に多く見られますが、更年期以降に改善します。がん化のリスクはないものの、乳腺線維嚢胞症の症状が、乳がんの発見を難しくする場合があります。

乳腺線維嚢胞症の原因

卵巣で作られるホルモンに反応し、乳房に腫れや痛みをともなったり、しこりができたりします。月経直前や月経中は、特に症状が重くなります。乳腺線維嚢胞症になる可能性は多くの女性にあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

本来ならば毎月排卵すべきところ、卵胞が発育するのに時間がかかり、なかなか排卵が起こらない病気です。無月経や月経不順が起こり、不妊の原因にもなります。ニキビが多発する、毛深くなる、肥満などの症状が現れることがあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因

はっきりとわかっていないことも多いですが、内分泌異常と糖代謝異常が原因だと考えられています。分泌が増えたLH(黄体化ホルモン)とインスリンが強く作用し、卵巣内の男性ホルモンを高くするためだといわれます。

嚢胞の検査、治療

嚢胞は人間ドックなどの超音波検査で発見されるケースが多いです。1つの臓器に複数の嚢胞ができることは比較的多く見られますが、他の部位にまで嚢胞を発生させる因果関係は不明です。良性で治療の必要がないケースが多いですが、嚢胞を発見したら、定期的に超音波検査で大きさや数が急激に変化していないかチェックしておくと安心です。

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