自己流での実践は危険!ナイアシンフラッシュとは

更新日:2017/11/01 公開日:2016/12/20

ビタミンの種類(水溶性ビタミン)

ナイアシンフラッシュとは、一度に大量のナイアシンを摂ることで起こる現象です。摂取後、血行促進による身体へのさまざまな影響がありますが、注意すべき点もあります。ナイアシンフラッシュについてドクター監修の記事で解説します。

ナイアシンフラッシュとは、一度に大量のナイアシンを摂取することで起こる現象です。しかし、ナイアシンを大量摂取することは、身体にとって本当によいことなのでしょうか。ナイアシンの働きや、ナイアシンフラッシュについて紹介します。

ナイアシンとは

ビタミンB群の1つであるナイアシンは、体内にもっとも多く存在するビタミンです。ナイアシンには、糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作り出したり、アルコールを分解したりする働きがあります。そのほかにも皮膚や粘膜を健康的に保つ、脳神経を正常に働かせたり、酵素を助けたりする「補酵素(ほこうそ)」としての役割もあります。このように、ナイアシンは、身体の代謝に欠かせない栄養素なのです。

ナイアシンが不足すると、皮膚炎、口内炎、口角炎、舌炎など皮膚や粘膜、食欲不振、胃腸障害、下痢など消化管にトラブルが現れ、うつなどの精神障害、幻覚症状、イライラ、不安感など神経系にも影響が出るといわれています。また、エネルギーが足りなくなることで、だるさを感じることもあるようです。

ナイアシンが持つ基本的な効果

ナイアシンにはさまざまな効果があります。ナイアシンの効果は、下記の通りです。

肌を健康的に保つ

ナイアシンには、肌のうるおいを保つセラミドなどを増やして角質を正常化する働きがあります。また、血液の流れをよくする作用で、肌の新陳代謝を活発化させます。これらの働きによって、健康な肌を維持したり、取り戻すのに役立ちます。

二日酔いを防ぎ、糖質の代謝を促す

ナイアシンは、肝臓内で活性型ナイアシンとなって、アルコール分解を助ける働きがあります。また、糖質や脂質をエネルギーに変える働きもあります。1日に約1,500mg摂取すると、中性脂肪やLDL-コレステロール値が低下、HDL-コレステロール値が上昇するともいわれています。

髪の発育

ナイアシンには、血行を促進する働きがあります。頭皮まで栄養がいきわたりやすくなることで、健康的な髪の毛が作られるのを助けます。

うつ病への応用

うつ病は、セロトニンなどの神経伝達物質が減少している状態にあると推察されています。ナイアシンは、脳内でセロトニンの合成に関わっているため、うつ病や睡眠障害への治療に応用されています。

ナイアシンを大量に摂取するナイアシンフラッシュとは

ナイアシンについてネットで調べるとよく目にする「ナイアシンフラッシュ」。これは、栄養素であるナイアシンを、サプリメントで大量摂取することで起こる副反応です。体調改善などを目的に行う人もいるようです。ナイアシンフラッシュが起こると、皮膚が赤くなったり、発熱、かゆみなどの刺激症状が出ます。

なぜ身体に変化が起こるのか

ナイアシンフラッシュは、ナイアシンを摂取することでプロスタグランディンD2、E2、セロトニンと呼ばれる物質が産生されることで起きます。これにより、急激に血液循環が促され、顔や耳が赤くなる、全身や手足の末端が温かく感じる、かゆみを感じるなどの炎症やアレルギーと同様の反応が出ます。

どのような効果が期待されているのか

ナイアシンフラッシュの目的は、血液循環を促すことにあります。いわゆる「血行がよくなる」ことです。低下した血行を改善することができれば、冷え性や肩こりなど血行不良によって起こる症状が一時的にやわらぐように感じることもあります。また、そのほか、疲れやすい、お酒をよく飲む、肌荒れや口内炎が気になる、花粉症などのアレルギー症状も緩和されるなど、日常的によくある悩みの改善を期待しておこなう人がいるようです。

しかし、ナイアシンの大量摂取は、肝機能に障害を起こす恐れもあるなど、リスクも高いので自己流で始めることは避けるべきです。実際ナイアシンフラッシュを行い、思わぬ副作用で健康被害の出た例もあるなど、ナイアシンフラッシュで血行をよくする=誰もがやるべき方法とはいえません。

毎日の食事から摂取してナイアシン不足を解消

ナイアシンフラッシュには副作用が出る場合もありますが、通常の食事からナイアシンを摂る分には問題ありません。また、ナイアシンは体内に溜めておけないビタミンのため、普段の食事から摂取する必要があります。ナイアシンを多く含む食品は、野菜や肉・魚などです。特に、たらこやかつおぶし、マグロ、レバーなどに多く含まれています。1日の摂取量の推奨量は、成人男性15mg、成人女性12mgです。この量を目安として他の栄養素とともに、バランスよく摂取しましょう。

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