カギとなるのは4大主症状!ベーチェット病の症状とは

更新日:2016/12/19 公開日:2016/12/14

ベーチェット病の基礎知識

ベーチェット病で見られる症状について、ドクター監修の記事で解説します。ベーチェット病には眼症状や皮膚症状などの主症状と神経症状と血管症状、腸管症状の特殊型があり、特殊型は重症化することがあるため注意が必要です。

難病であるベーチェット病は、さまざまな症状が組み合わさって起こります。どのような症状が起こるのか見てみましょう。

ベーチェット病の4大症状

ベーチェット病は、次にあげる4つを主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患です。この4つの主症状が見られる場合は、完全型(完全ベーチェット)といいます。

口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍(かいよう)

唇や舌、歯肉、ほおの内側の粘膜、口の中の上側の部分(口蓋)の粘膜にくっきりとした円形の潰瘍ができます。いわゆる口内炎と呼ばれるもので、痛みも感じます。ベーチェット病患者のほぼ全員に現れる症状で、一番始めに起こることがほとんどです。

外陰部潰瘍

男性では陰嚢(いんのう)、陰茎、亀頭部分に、女性では大小陰唇や膣粘膜に痛みをともなう潰瘍ができます。痛みが激しく再発をくり返します。

皮膚症状

ひざから足首を中心に、赤く硬く腫れた発疹(結節性紅斑)ができます。硬いしこりは痛みをともないます。同じく、ひざから足首などの静脈が通っているあたりに痛みが生じる血栓性静脈炎が生じることがあります。また、ニキビのような毛嚢炎様皮疹が顔やあご、胸のあたりにできることもあります。

目の症状

ベーチェット病の主症状の中でもっとも重症化しやすいのが、目に生じる症状です。ほとんどの場合、両目に発症します。水晶体より前の部分である前眼部に症状が現れるタイプでは、角膜と水晶体の間にある虹彩という膜と、目の焦点を調節している毛様体に炎症が起こる虹彩毛様体炎が起こるために、視力の低下や充血、まぶしさ、目のかすみ、飛蚊症(ひぶんしょう)、頭痛などが生じます。また、目の縁などに膿がたまる前房蓄膿になることもあります。水晶体の裏から網膜までの後眼部に症状が現れるタイプでは、網膜脈膜炎を起こします。網膜はものを見るために欠かせない部位なので、視力の低下が起こります。網膜の炎症をくり返すと失明にする恐れがあるので注意が必要です。

ベーチェット病の副症状

4つの主症状の後に、次のような副症状が起こる可能性があります。

関節炎

ひざやひじ、足首、手首、肩といった大関節に熱をともなった腫れや痛みが生じます。関節リウマチと違って指先などの小関節には症状が現れず、関節の変形やこわばりは見られません。

副睾丸炎

男性患者の約1割に見られるベーチェット病特有の症状で、睾丸部が腫れて圧迫される痛みがでます。数日で治まりますが、くり返し起こりやすいのが特徴です。

ベーチェット病の特殊型

以下のような特殊型は重篤化することがあります。

消化器病変

大腸の回盲部に潰瘍ができる、腸管型ベーチェットと呼ばれるものです。強い腹痛、下痢、下血が見られます。腸に穴が開いたり出血したりして、緊急手術を行う場合もあります。

血管病変

静脈と動脈のどちらにも起こり得る、血管型ベーチェットは男性に多く見られます。静脈では、血流が心臓に戻らなくなる深部静脈血栓症をはじめとして、上半身の血液を集めている上大静脈、下半身の血液を集めている下大静脈などに症状が起こります。動脈の場合は、こぶのようなふくらみができる動脈瘤が見られます。肺動脈瘤を発症すると治療が難しいとされています。

神経病変

神経症状が前面に出る神経ベーチェットは、男性に多く見られるのが特徴です。原因がはっきりわからず治療法が確立されていません。大きく分けて髄膜炎や脳幹脳炎を急性に発症するタイプと、片麻痺や小脳症状、錐体路症状といった身体を動かせなくなる神経症状の他、認知症などの精神症状も少しずつ悪化する慢性進行型タイプがあります。