遺伝が関係している?ベーチェット病の原因とは

更新日:2016/12/19 公開日:2016/12/14

ベーチェット病の基礎知識

ベーチェット病の原因について、ドクター監修の記事で解説します。ベーチェット病を発症する人にはある傾向があることがわかっています。また、ベーチェット病患者が多く見られる地域にも特徴があります。

身体のさまざまな部分に炎症をくり返す難病のベーチェット病は、どのようにして発症するのでしょうか。ベーチェット病の原因について見てみましょう。

ベーチェット病は遺伝が関係しているのか

ベーチェット病の原因は、はっきりと解明されてはいません。ベーチェット病を発症する人には体質的な共通点があることが多く、遺伝的要因に環境的な要因が合わさって発症するのではないか、という説が有力視されています。中でも、HLA-B51というヒト白血球抗原が注目されています。通常、HLA-B51が陽性となるのは2割以下の人にしか見られないのですが、ベーチェット患者の場合は5割ほどが陽性であったとの報告があります。

HLAとは、白血球の血液型といえるもので、HLA-A、B、Cなどいくつかの型があります。免疫と深く関係しており、感染症をはじめとした病気のかかりやすさを左右していることから、ベーチェット病の発症に影響していると考えられています。ただし、HLA-B51が陽性だからといって、ベーチェット病を発症するとは限りません。HLA-B51が陰性でも、ベーチェット病になる可能性があります。また、日本においてはHLA-A26が多いことがわかっています。

ウイルス説や自己免疫疾患説などもある

遺伝的要因ほど明確にわかっていませんが、環境的要因も関係しているという説もあります。単純ヘルペスウイルスがかかわっているとされるウイルス説をはじめとして、環境汚染説、自己免疫疾患説などです。最近では、口の中に存在している連鎖球菌という細菌が関係しているとされる細菌感染説も出てきましたが、HLA-B51陽性の素因に感染などの外因が重なって発症するといわれています。

また、ベーチェット病はシルクロード病とも呼ばれています。中国と地中海を結ぶシルクロード近辺の地域に多発する傾向があるからです。そのため、地理的環境や気候が発症に大きく影響を与えているのではないかと考えられています。日本でもベーチェット患者は北日本に集中して見られます。実際に、ベーチェット病患者が多い地域から少ない地域へ移住した結果、症状が現れる確率が大幅に下がったという報告もあります。しかし、ベーチェット病の原因は特定できていません。今後も研究が続けられ、早急に原因が解明されることが待ち望まれています。