更年期の体重増加を防ぐ効果的な運動方法とは

更新日:2017/02/14 公開日:2017/01/27

更年期による肥満

更年期の肥満は、身体にさまざまな健康被害をもたらします。しかし、更年期に体重を減らすことは20代の頃と異なり、かなり難しいといえるでしょう。更年期の運動方法について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

澤田彰史先生

この記事の監修ドクター

東京警察病院 医師
澤田彰史先生

更年期から運動をはじめる場合、どのような運動が適しているのか、どのようなことに気をつけたらよいのかを見ていきましょう。

更年期こそ運動をする

更年期障害のさまざまな症状の中でも、肥満には多くの人が悩んでいるといわれています。肥満をはじめとする更年期の病気の予防・改善、心肺機能と運動機能の維持・増進には、定期的な運動が効果的とされます。また、更年期では、運動を積極的にとり入れることが推奨されています。

更年期は太りやすい時期

更年期には閉経が起こり、ホルモンバランスが乱れます。加齢につれて低下していた基礎代謝が閉経を機に格段に低下し、体重が増えやすくなります。

肥満による健康被害は甚大

閉経前は、卵巣からエストロゲンという女性ホルモンが分泌され、悪玉のLDLコレステロールの減少と、善玉のHDLコレステロールの増加を促し、動脈硬化の予防を行っています。閉経によって、悪玉のLDLコレステロール値が上昇し、肥満がはじまり、心筋梗塞をはじめとした虚血性の心臓病のリスクが閉経前より高まります。

更年期に無理なダイエットは厳禁

20代の頃と同じように規則正しい生活をしていても更年期肥満は起こり、20代と同じダイエットは通用しません。過度な食事制限でダイエットを行うと、骨粗鬆症や栄養障害など、状況が悪化する危険もあります。更年期にじっくり取り組むべきダイエットは、食生活の改善と運動がポイントです。

更年期に最適な運動

有酸素運動

可能なら1日30分以上、かつ、週3回以上で有酸素運動をとり入れて、脂肪を燃焼させます。一番手軽な有酸素運動はウォーキングです。筋トレ前後にウォーキングをとり入れましょう。最大心拍数の60~75%の運動強度を目安にして、効果的に行います。

目標心拍数(男性)=(220−自分の年齢)×運動強度(60~75%)

目標心拍数(女性)=(226−自分の年齢)×運動強度(60~75%)

ウォーキング以外の有酸素運動には、スロージョギング、サイクリング、水泳などがあります。

ストレッチ

関節の可動域を保ち、機能を向上させ、筋肉の働きを助けるためには、ストレッチ運動が適しています。ストレッチ運動には静的ストレッチ法、爆発的ストレッチ法、固有受容性神経筋促通法(PNF)の3つのタイプがあります。PNFと爆発的ストレッチ法は、専門家の介助が必要で、一般的にとり入れやすいものは静的ストレッチ法です。ゆっくりした動作で行うことができ、障害のリスクも低く、介助も不要で、短時間で確実な効果が得られるとされています。

軽い筋トレ

更年期は筋肉と基礎代謝が低下しているので、軽い筋トレで基礎代謝アップを図ります。

  • イスに座って左右交互にひざを伸ばす
  • 床に寝て肩を床から離して上体を反らす
  • イスを使ってひざ45度のスクワット

上記の3種類を、1種10回を目安に、2~3セット行いましょう。筋トレ前後にストレッチとウォーキングをすると、効果がさらに上がります。

ダンス

閉経後の女性は、生殖機能を失ったことと、女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されなくなる急激な変化にかなり不安を募らせます。老年期へ向けて、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が進行し、虚血性の心臓病へのリスクが高まり、感情的にも不安定になることがあります。集団ダンス・ムーヴメントセラピー(DMT)は、リズミカルに、有酸素運動とリラックス効果を得ることができる心理療法として発展してきました。欧米では、閉経後の女性の心身と健康を、バランスよく改善するストレスケアのひとつとして、注目されています。

更年期の不調は運動で緩和されることも

更年期の女性が中強度の運動を行うと、エストロゲンの主成分である血中エストラジオールが増加したという報告があります。運動と女性ホルモンの関連性は、現在のところ明確ではありませんが、ランニングのような低強度運動を続けることが、更年期の女性の心理的な不調を緩和する可能性として認められています。