女性の更年期に起こる症状とは

更新日:2017/02/14

更年期による肥満

女性なら誰しもが経験する時期が更年期です。更年期には、加齢により身体にさまざまな変化・障害が現れる可能性があります。更年期障害にはどのような原因、症状があるのか、ドクター監修の記事で解説します。

澤田彰史先生

この記事の監修ドクター

東京警察病院 医師  澤田彰史先生

更年期になると、身体にはどのような症状が現れるのかについて見ていきましょう。

更年期とは

更年期では、閉経によってホルモンバランスが崩れ、肥満の他にもさまざまな症状が起こります。

更年期障害が起こるメカニズムについて

更年期障害は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因で起こります。閉経とともに卵巣の機能は低下し、ホルモンバランスが乱れます。本来、卵巣から分泌されるエストロゲンは動脈硬化を予防する働きを持っています。しかし、閉経によって悪玉のLDLが上昇すると体重が増加しやすくなり、心臓病へリスクも向上します。

若い世代の女性に急増中の若年性更年期障害とは

30代の生活習慣を調べると、食生活・生活リズム、喫煙、趣味、休養、疲労、睡眠およびスポーツが、更年期症状と関連していたという報告があります。特にスポーツをしていないと、若い女性でも更年期指数が高くなるとされています。

更年期に現れる症状について

更年期障害の不定愁訴(ふていしゅうそ:身体に不調があるのに、原因がはっきりしないもの)は、多様性があり変化しやすいといえます。以下が更年期障害の不定愁訴として見られる症状です。

月経異常

月経周期25~38日、出血持続日数3~7日、月経量20~140mLで、日常生活に支障のない軽度な状態が正常月経とされています。更年期障害では周期が変わり、頻発月経や、稀発月経となり、経血量にも変化があります。

自律神経失調症状

血管運動神経症状ともいいます。のぼせ、ほてり、発汗、動悸、冷や汗などが、閉経と前後して発症します。

精神神経症状

不安、抑うつ、気力減退、不眠、脱力感、無気力、集中力に欠けるなどが特徴です。

更年期で太る理由とは

エストロゲンという女性ホルモンは動脈硬化を予防する機能を持ち、いわゆる悪玉コレステロール(LDL)を減少させ、善玉コレステロール(HDL)を増やします。更年期障害は、閉経により女性ホルモンが減少することが原因で起こります。閉経によって動脈硬化の最大の危険因子であるLDLが上昇することで太りやすくなります。同時に、心筋梗塞など虚血性の心臓病罹患への危険性が高まります。

生活の変化が加わり強いストレスを感じることも

更年期は、身体、心理および社会的特徴から、「喪失と否定の時期」とも呼ばれます。子供の成長や独立、近親者の死、夫や自分の退職に加え、閉経という喪失感を抱く女性は少なくないと報告されています。実際に、この時期に起こる中年の危機や分離体験などの状況が心身に大きく影響を与え、不定愁訴症候群をはじめとした精神の病気を発症するリスクがあるとされています。一般的に、几帳面でまじめ、犠牲的精神を持つ温和な性格の女性が、更年期に不定愁訴を発症しやすいようです。

更年期障害の症状を緩和するためには

更年期に続く老年期に備えるために、適度な運動や食生活、楽しめる趣味などで、生活のリズムを作っていくことが大切です。

対話療法

更年期障害の治療にあたって、基本となるのは対話療法です。悩みごとや家庭内の問題など話を聞いてもらうことで、症状が緩和されます。

ホルモン充填療法

自律神経障害のようにエストロゲン欠乏が直接的原因と考えられる症状には、ホルモン充填療法(HRT)が有効です。

抗不安薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬

ホルモン充填療法よりも、不安が強い精神神経症状に有効です。

漢方薬

一定期間服用し、効果がなければ他の漢方に変えます。閉経前で月経があり、卵巣が機能している女性に対しては、ホルモン充填療法は行わず、漢方や自律神経調製剤などが用いられます。

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