痰(たん)が絡む咳が続くときに考えられる病気

更新日:2017/04/13 公開日:2017/04/13

痰の基礎知識

痰(たん)が絡む咳が長期に渡って続く場合は、風邪ではなく重篤な病気が原因である可能性も考える必要があります。どのような病気で痰が絡む咳が続くのか、ドクター監修の記事で解説します。症状が続く期間に注意してください。

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長
大利昌久先生

痰(たん)が絡む咳が長く続く場合は、重い病気に罹っている可能性も考えられます。たかが痰と軽く見過ごさずに、どのような原因で痰が出ているのか調べることが大切です。

痰と咳の働き

鼻からのどにかけての上気道と、のどから気管へつながっている下気道には、外から入り込んだ異物を外に追い出そうとする機能が備わっています。気道分泌液でほこりや細菌、ウイルスなどの異物を包み込んで排出するのが痰の役目です。また、咳をすることで異物や分泌物を除去しています。咳には、痰をともなう湿性咳嗽(しっせいがいそう)と、痰をともなわない乾性咳嗽(かんせいがいそう)があります。咳嗽とは咳のことで、痰を出すための咳が湿性咳嗽なので、この場合は気道で分泌液が過剰に作られていることがわかります。一方、乾性咳嗽は、咳そのものが起きている原因を突き止めて治療しなければなりません。

咳が続く期間によって考えられる病気

咳が続く期間によって咳嗽は分類されています。咳が続いている期間が3週間未満であれば急性咳嗽とされ、風邪やインフルエンザといった呼吸器感染症が原因と考えられます。ただし、重い病気の初期症状である可能性もあるので油断できません。3週間以上続くと遅延性咳嗽とされ、咳喘息やアトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、慢性気管支炎の可能性が出てきます。マイコプラズマ感染症や肺炎クラミジア、百日咳といった感染症でも遅延性咳嗽が見られます。8週間以上咳が続くと慢性咳嗽となり、肺炎や肺がんなどの病気が原因である恐れがあります。

痰をともなう湿性咳嗽が続く病気

ここで、痰をともなう湿性咳嗽が3週間以上続く場合に考えられる、主な病気の特徴を解説します。

慢性閉そく性肺疾患(COPD)

喫煙者の15~20%が発症するといわれており、慢性気管支炎と肺気腫のことを指します。喫煙によって気道や肺に炎症が起こり、肺が正常に働かなくなる病気です。呼吸がうまくできず、咳や痰、息切れなどの症状が現れます。進行性の病気なので放置しておくと悪化しますが、治療を受けていない人が多いのではないかと考えられています。この病気の予防・改善には禁煙が必須です。

気管支喘息

気道が過敏になり気管支に発作的な痙攣(けいれん)が起こり、呼吸困難やゼーゼー、ヒューヒューといった音の出る呼吸が生じます。痰をともなわない、乾いた咳が続く咳喘息とは異なる病気です。

気管支拡張症

気管支の一部が拡張して気道分泌液が溜まり、感染によって膿(うみ)を含んだ痰が出るようになります。肺に血液を送っている気管支動脈が増殖して肺出血が起こり、血の混ざった痰が見られる場合があります。

副鼻腔気管支症候群

上気道と下気道に炎症をくり返す状態を指します。痰の絡んだ咳の他、黄色から緑色のネバネバした鼻水、鼻づまり、頭が重い、のどへ流れ落ちる鼻水、嗅覚障害、微熱もともないます。

結核

結核菌に感染して発病しますが、感染すると必ず結核になるわけではありません。発病する確率は感染者の15%ほどといわれています。風邪の症状とよく似ており、1週間以上続く咳や痰の他、微熱、倦怠感、呼吸困難などが見られます。進行すると血の混ざった痰が出るようになります。

肺がん

肺がんの症状として咳や痰があげられますが、初期には症状が見られない場合も少なくありません。初期症状は風邪と勘違いする可能性もあるので、注意が必要です。進行すると血の混ざった痰の他、胸や腕の痛みといった異変があらわれますが、その頃にはすでに末期になっている恐れがあります。

このように、湿性咳嗽が長引く場合は重篤な病気に罹っている可能性があります。風邪と似た症状から始める病気も多いため、自己判断で放置せずに長期化したら医療機関で診察を受け、原因を突き止めたうえで適切な治療を受けてください。

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