黄色い痰(たん)が出る原因と考えられる病気

更新日:2017/12/07 公開日:2017/04/13

痰の種類

黄色い痰(たん)が出るのはなぜなのでしょうか。黄痰に混ざっているものによって、性状や色が変わります。黄色い痰が出るときに考えられる病気と、その対処法についてドクター監修の記事で解説します。

板東浩先生

この記事の監修ドクター

医師
板東浩先生

痰(たん)が出る場合は、その色に注目してください。黄色い痰が出るのには理由があります。一般的によく見られる、黄色い痰が出るときに考えられる病気を理解し、正しく対処しましょう。

痰が黄色くなる理由

どのような病気が原因で痰が出ているのかによって、痰の性状や色が異なります。たとえば、白血球やウイルス、細菌の残骸が混ざっている痰は黄色くなります。黄色い痰が見られたら、細菌感染を起こしていると考えてください。最初は白い色をしていても、症状が進むにつれて黄色く膿(うみ)を含んだ痰に変わってきます[1]。

黄色い痰が出るときに考えられる病気

痰が黄色くなってきたら、次のような病気であると考えられるでしょう。

急性気管支炎

気管支に炎症が生じて、咳と痰が出ます。呼吸をするときにゼーゼー、ヒューヒューといった音が聞こえるのが特徴です[1]。

急性肺炎

ウイルスや細菌に感染して肺に炎症が起きています。一般的な風邪の症状と似た比較的軽い肺炎もありますが、38度を超える高熱に激しい咳、悪寒、倦怠感などの症状が現れる肺炎もあるので注意が必要です。後者の場合、黄色から緑色の痰が出るのが特徴です。進行すると胸の痛みや呼吸困難も起こります[1]。

気管支拡張症

気管支の一部が拡張して気道分泌液が溜まり、感染によって膿(うみ)を含んだ痰が出るようになります[1][2][3]。

結核

結核菌に感染して発病します。風邪の症状とよく似ており、1週間以上続く咳や痰の他、微熱、倦怠感、呼吸困難などが見られます。感染すると必ず結核になるわけではありません[1][2][3][4]。

肺がん

肺がんの症状として咳や痰があげられます。初期症状は風邪と勘違いする可能性もあるので、注意が必要です[1][2][3][5]。

慢性閉そく性肺疾患(COPD)

主に喫煙が原因となって起こる、慢性気管支炎と肺気腫。COPDになる人のうち8割が喫煙者です。気道や肺に炎症が起こり、肺が正常に働かなくなる病気です[1][2][3][6]。

黄色い痰が出たときの対処法

・痰を出しやすくするセルフケア

薬を使わない場合は、少量の塩を入れたぬるま湯でうがいをするといいでしょう。病気の可能性があるので、痰が治まらない場合は医療機関で診察を受けましょう。咳が出るなら、温かいシャワーでのどを潤したり、水をよく飲んだりするようにします。またたばこは控えます[2]。

・痰を出しやすくする去痰薬

医療機関で診察を受けると、痰を出しやすくするための去痰薬を処方されることがあります。一般的に用いられる去痰薬のムコダインは、痰の粘り気を減らして出しやすい状態にします。気管支の粘膜を修復する効果もあります。痰を出しやすくする効果を持った薬は市販薬の中にもあります[7]。

・黄色い痰が出る原因の対処法

痰はあくまで原因となる病気の症状の一つですので、COPDであれば息を楽にする薬、感染症であれば抗菌薬、がんであればがんへの治療など、それぞれの病気に対応した治療が重要です[1]。

参考文献

  1. [1]呼吸器Q&A. "黄色または緑色のたんが出ます" 日本呼吸器学会. https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=52 (参照2017-12-1)
  2. [2]MedlinePlus. "cough" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/003072.htm (参照2017-12-1)
  3. [3]玉置淳. "喀痰への対応." medicina, 2015; 52.(9): 1452-1455
  4. [4]"結核" 国立感染症研究所. https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/398-tuberculosis-intro.html (参照2017-12-1)
  5. [5]佐藤雅美, et al. 肺癌検診喀痰細胞診判定基準に関する検討. 日本臨床細胞学会雑誌, 1997; 36(5): 490-497
  6. [6]MedlinePlus. "Chronic obstructive pulmonary disease" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/000091.htm (参照2017-12-1)
  7. 7. 浦部晶夫ほか編. 今日の治療薬2017. 南江堂.2017; 702

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