痛みと腫れが痛風に似ている偽痛風とは?

更新日:2017/01/18 公開日:2017/01/18

偽痛風の基礎知識

偽痛風(ぎつうふう)とはあまり聞き慣れない病気ですが、突然関節が痛み、発熱、腫れなどの症状が現れます。高齢者に多い偽痛風について、症状から間違われやすい痛風との違いも含めて、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

関節の病気には、似たような症状の病気がいくつかあります。本記事では、偽痛風(ぎつうふう)と痛風とはどう違うのか、なにが原因でどのような症状や治療法があるのかを見ていきましょう。

偽痛風とは

偽痛風(ぎつうふう)は、ピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶が、関節軟骨や周囲の組織に沈着して石灰化し関節内に炎症を起こす、関節炎の総称です。痛風に似た発作症状から名づけられ、軟骨石灰化症、または、CPPD結晶沈着症とも呼ばれます。痛風に似た発作、変形性関節症のような慢性関節炎、関節リウマチに似た関節破壊などが見られますが、50%ぐらいの偽痛風が無症状とされます。症状によって、人工ひざ関節置換術が必要になる場合もあります。

偽痛風と痛風の違い

偽痛風は、関節の激痛と患部の腫れという症状が痛風と似ていて、よく間違えられます。主にひざ関節に痛みが出やすく、他の関節にも同時期、多発性に出る偽痛風に対し、痛風の多くは足の親指の付け根が激しく痛むのが特徴です。偽痛風は痛風と異なり、血液中の尿酸値の増加とは無関係です。比較的高齢者に多く、特に関節部分を中心にピロリン酸カルシウムの結晶が溜まり、男女差なく発症します。対して痛風は、尿酸塩の結晶による炎症で、男性に多く発症します。偽痛風のCPPDが沈着した関節は、レントゲン撮影で関節内の軟骨や半月板にとても細かい砂状の石灰化を認めますが、痛風では腫れだけで関節内に石灰化は認めません。

偽痛風の原因

高齢で肝機能が低下すると、本来肝臓で分解されるピロリン酸が分解しきれずに、血中のカルシウムと結びついて結晶となり、ひざなどの関節に沈着します。痛風と異なり、食事の内容に左右されることがありません。関節内にピロリン酸カルシウム結晶がはがれ落ちる原因は解明されていませんが、白血球と炎症反応を起こして発症するとされています。70歳以上の人が、軽いケガをしたり、長時間歩いたりして発症する場合があります。加齢、遺伝、変形性関節症や関節リウマチ、副甲状腺機能亢進(こうしん)症、甲状腺機能低下症などの病気と関係するといわれています。

偽痛風の症状

突然、関節が腫れて痛みはじめ、患部の充血と熱感が見られ、37度を超える発熱だけの場合もあります。痛風よりも痛みは弱いとされています。主にひざ関節に発症し、手、足、股関節、ひじなどの大きな関節にも起こります。以下のような6つの型に分けられます。

A型(偽痛風発作型)

偽痛風の約25%を占め、痛風に似た急性、亜急性の関節炎をくり返します。

B型(偽性関節リウマチ型)

比較的慢性で、炎症が多関節に見られます。朝のこわばりと赤沈値の高まり、CRP陽性があり、関節リウマチと間違うことがあります。

C型(偽性変形性関節炎型)

関節に結晶が沈着して、変形性関節症が見られます。一時的に、激しい急性関節炎発作が起こります。

D型(偽性変形性関節炎型)

C型と同様の変形性関節症が見られますが、急性関節炎発作はありません。

E型(無症状)

偽痛風の50%くらいを占めます。X線で関節のすき間に細かい砂の集まりのような石灰化が見られるだけで、関節炎の痛みや腫れをともないません。

F型(偽性神経障害性関節症型)

著しい機能障害が起こり、強い関節破壊が見られる場合があります。

偽痛風の治療について

結晶沈着の予防や、一度できた結晶体を溶かしてくれるような特効薬はありません。痛みを和らげ炎症を鎮める対症療法が基本となります。痛風との鑑別だけでなく、全身の発熱だけの場合もあり、感染症との鑑別も必要になるので医療機関での診察と検査が必要になります。

保存療法

急性期には、非ステロイド系抗炎症剤を経口投与します。炎症や痛みが強い場合は、関節液を抜いて、関節内にステロイド剤やヒアルロン酸を注入します。発熱など全身症状が出た場合は、ステロイド剤を服用することもあります。

手術療法

外科的な治療として、関節内を洗浄して結晶のかたまりを摘出する方法があります。ひざ関節の変形が進行している場合、人工ひざ関節置換術が行われることがあります。また、椎間板が破壊され、しびれなどの神経症状がある場合には、脊椎の手術も行われます。

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