突然眠り込んでしまう?ナルコレプシーの症状と治療法

更新日:2017/02/09 公開日:2016/11/30

ナルコレプシーの基礎知識

日中に自分の意志とは関係なく眠り込んでしまう場合は、ナルコレプシーが疑われます。具体的に、どのような症状が現れるか確認しておきましょう。今回は、ナルコレプシーの症状についてドクター監修の記事で解説します。

ナルコレプシーでは、日中の激しい眠気のほかにもさまざまな症状が現れることがあります。突然眠り込むために、周りからはなまけていると思われてしまうこともあるので、ナルコレプシーが疑われる場合は早めに病院を受診しましょう。

ナルコレプシーとは

ナルコレプシーは、どのような状況でも本人の意思とは関係なく眠ってしまったり、感情が大きく変化したときに倒れたりする症状をともなう病気で、過眠症の一つと考えられています。10代の患者が多く、家族内発症もある程度みられるため、遺伝的な素因が少なからず関係しているといわれていますが、後天的な要因も大きく関係していると考えられています。

ナルコレプシーの症状

ナルコレプシーでは、4つの特徴的な症状が現れます。

日中の睡眠発作

ナルコレプシーの主症状の中でももっとも代表的なものが、日中の睡眠発作です。夜に十分な睡眠をとっていても、日中に強烈な眠気に何度も襲われます。本人の意思とは関係なく起こりますが、特に会議中や読書など刺激が少ない状況で起こりやすいといわれています。

また、ナルコレプシーの睡眠発作は眠気に耐えることが困難です。車の運転中や食事中、会話中でも睡眠発作が起こることがあります。睡眠発作の発生は予測できず、全く怒らないこともあります。また、数分で眠気が消失することもあれば、数時間に渡って繰り返し眠気に襲われることもあります。このような状況が3か月以上続いた場合は、ナルコレプシーである可能性が高いと考えられます。

強い感情の変化にともない現れる症状

ナルコレプシーでは、情動脱力発作という症状が全患者の約4分の3に起こるといわれています。情動脱力発作は、感情が大きく変化するとともに身体の力が抜ける症状で、怒りや驚き、恐怖、喜びなどどのような感情の変化においても起こり得ます。急に腰やひざ、あごなどの力が抜けることもあれば、全身の力が抜けて倒れることもあります。このような症状は睡眠発作と異なり数秒程度で回復するのが特徴です。

入眠時に幻覚を見る

筋肉が休んでおり、脳が覚醒に近い状態の睡眠状態をレム睡眠と言います。ナルコレプシーを発症していると、昼夜を問わず入眠した直後にレム睡眠になります。健康な人の場合、入眠時には筋肉とともに脳も休息しているノンレム睡眠に入り、約1~2時間後にレム睡眠へと移行します。夢はレム睡眠のときに見るため、ナルコレプシーの患者は入眠とともに鮮明な夢を見る傾向があります。また、霊や奇妙な外見の動物などの幻覚を見ることもあります。

金縛りになることがある

覚醒と睡眠の移行期には、睡眠麻痺を起こすことがあります。睡眠麻痺は、広義でいうところの金縛りのことで、一時的に身体を動かせなくなります。睡眠麻痺は数分で治まることがほとんどです。これらすべての症状をともなうことは、全体の約10%といわれています。

ナルコレプシーの原因

ナルコレプシーの患者のヒト白血球抗原に特定の遺伝子みられることから、その遺伝子によってナルコレプシーが引き起こされると考えられています。しかし、ナルコレプシーを発症していない人の12~38%にも同じ遺伝子がみられるため、必ずしもナルコレプシーを発症するとは限りません。

また、情動脱力発作を起こしているナルコレプシーの患者の約90%が、脳脊髄液中のオレキシンAが低濃度であるといわれています。それにより、睡眠と覚醒の調節がうまくいかなくなり、睡眠発作や幻覚などの症状が現れると考えられています。

ナルコレプシーの検査

ナルコレプシーの可能性がある場合は、次のような検査を行います。

睡眠ポリグラフ検査

身体にセンサーを装着して、脳波や呼吸状態、筋電図などをモニターし、そのまま一晩過ごします。ナルコレプシーの患者は、目を閉じてから10分以内に眠り始めることが多いですが、夜中に目覚めやすいのが特徴です。

睡眠潜時反復検査

2時間ごとに眠りのつきやすさを検査します。この検査は、ナルコレプシーの診断に欠かせません。

ナルコレプシーと似ている病気

睡眠不足症候群や睡眠時無呼吸症候群、睡眠覚醒リズム障害、統合失調症、うつ病などでも日中に強い眠気に襲われるので、安易に自己判断してはいけません。日中に強い眠気を感じた場合は、まずは病院を受診しましょう。

ナルコレプシーの治療法

ナルコレプシーは、生活習慣を整えるとともに薬を服用して治療します。

規則正しい生活をおくる

決まった時間に起床と就寝をして、睡眠不足にならないように生活します。また、12時頃と17時頃に約15分の仮眠をとると、睡眠発作をコントロールしやすくなります。暴飲暴食もナルコレプシーに関与しているといわれているので注意しましょう。

薬の内服

夜中に目覚めやすい場合は、睡眠薬が処方されます。それにより、日中の眠気が和らぐことがあります。また、中枢神経刺激薬もナルコレプシーに効果的だといわれています。入眠時幻覚や情動脱力発作はレム睡眠によって引き起こされるので、それを改善するために抗うつ薬が使用されることがあります。

この病気・症状の初診に向いている科 脳神経外科

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