シゾイドパーソナリティ障害とは

更新日:2017/02/28 公開日:2017/02/28

人格障害の種類

公共の場にもかかわらず、かなり独特で偏重的な行動をとってしまう人はパーソナリティ障害を抱えているかもしれません。パーソナリティ障害は数種類あります。今回はシゾイドと呼ばれるものについてドクター監修の記事で解説します。

パーソナリティ障害とは人格障害とも呼ばれています。他者とのかかわり方に問題があり、自分も周囲も困惑してしまうほどの社会能力の欠如を抱えた状態を指します。パーソナリティ障害にはいくつか種類があり、本記事では「ジゾイドパーソナリティ障害」をテーマに詳しく解説していきます。

そもそもパーソナリティ障害とは何か

一般的に、人間はあらゆる場面や他者とのかかわりの機会、問題などに遭遇するとその場に相応しいと自分なりに考える行動をとります。それは融通がきき、臨機応変で柔軟な対応と言えます。しかし、その行動が常識を逸脱したものや、応対に困ってしまうほどの様子を見せる人がいます。このような行動様式をとる人々は、パーソナリティ障害を抱えていると考えられます。

パーソナリティ障害の兆候が現れる時期は、青年期から成人期の初め頃とされています。この時期から、家族や友人、社会でかかわる人々とのコミュニケーションに問題を抱えやすくなり、度合いや内容は人それぞれ異なります。人間関係が上手くいかないという悩みから、うつや摂食障害などの精神的ストレスによる問題も抱えやすくなります。

パーソナリティ障害の分類

パーソナリティ障害は以下のようにカテゴライズされています。そのうち、シゾイドパーソナリティ障害はA群に属します。

<A群:風変わりで奇妙な印象をもたれる>

  • 妄想性パーソナリティ障害
  • シゾイドパーソナリティ障害
  • 統合失調型パーソナリティ障害

<B群:演技がかり、情緒不安さを感じやすい>

  • 非社会性パーソナリティ障害
  • ヒステリー性パーソナリティ障害
  • 境界性パーソナリティ障害
  • 自己愛性パーソナリティ障害

<C群:内向的、自己抑制が特徴>

  • 不安性パーソナリティ障害
  • 依存性パーソナリティ障害
  • 脅迫性パーソナリティ障害

シゾイドパーソナリティ障害とは

先述した分類においてA群にあたるシゾイドパーソナリティ障害ですが、周囲から奇妙な印象をもたれやすい特徴があります。孤独を好む性質もあることから、特に孤立する姿が目立ちます。

別名「統合失調性パーソナリティ障害」

シゾイドパーソナリティ障害は「統合失調性パーソナリティ障害」とも呼ばれています。他者とのコミュニケーションは希薄で、一定の距離を保って孤独であることを好みます。内気で冷淡と、感情の乏しさも見られます。常に自分の世界に没頭しており、空想を楽しむことが多いです。

シゾイドパーソナリティ障害の特徴

孤独を好むため、集団の場においては単独行動をとることが多いです。人口のおよそ7.5%がこのシゾイドパーソナリティ障害にかかっているといわれています。家族に統合失調症あるいは統合失調型パーソナリティ障害の人がいると、シゾイドパーソナリティ障害になる確率が高くなるそうです。男女の比率はおよそ2:1です。

人間関係に関心がないため、異性に対する恋愛感情も生まれにくいようです。そのため、性的干渉に興味がありません。また、服装や身だしなみに関する意識やこだわりも感じられません。

孤立は現実から目を背けたい気持ちから

シゾイドパーソナリティ障害の人が孤独を好む理由は、目の前の状況やつらい現実から逃避したいためと考えられています。その結果、空想の世界に入り浸って自分の世界を愛する傾向が高くなるようです。

シゾイドパーソナリティ障害の診断

シゾイドパーソナリティ障害と判断されるポイントは以下の通りです。

  • 他者といるとき、そわそわと落ち着きがない
  • 人と視線をあわせない
  • 感情表現が乏しい
  • 空気が読めない人と思われやすい
  • ユーモアセンスが独特で理解されづらい
  • 対話において、独特な話し方や返答をする
  • 数学や哲学、天文学に興味をもちやすい
  • 家族に統合失調性の患者がいる

シゾイドパーソナリティ障害の治療

シゾイドパーソナリティ障害の治療方法として適切されているのは、以下の2通りです。

精神療法

シゾイドパーソナリティ障害は他者とのかかわりを嫌い、内向的な性質のため治療を施す医師や専門家にもなかなか心を開こうとしません。しかし、一度心を許すと、自分の内的世界や空想、表にしない感情などを表現するようになります。また、集団グループに参加して治療を進めていくこともあります。最初のうちは沈黙を守ることが多いですが、多くの時間をともに過ごす大切な存在と認識するようになると、コミュニケーションをもとうとする気持ちが芽生えてきます。その経験は社会性を育む大事な要素であり、治療の肝となるのです。

薬物療法

精神安定にかかわる薬を使用します。抗うつ剤、精神刺激薬、抗精神病薬などがあげられます。他者への拒絶感や不安をなくすために、セロトニン作動薬やベンゾジアゼピンを使用することもあります。