大人がかかる溶連菌感染症とは

更新日:2017/03/23

溶連菌感染症の基礎知識

溶連菌感染症は、溶連菌に感染することであらわれる病気です。溶連菌感染症は、子供だけではなく、大人も感染することがあります。溶連菌感染症であらわれる症状や治療方法、予防についてドクター監修の記事で解説します。

子供が患うことが多いとされている溶連菌感染症は、大人も患うといわれています。溶連菌感染症は、どのような症状があらわれ、どのような治療が効果があると考えられているのでしょう。また、溶連菌感染症を予防するためには、どのような方法が有効といわれているのかを見ていきます。

溶連菌感染症の症状

A群β溶血性連鎖球菌が感染することで起こると考えられているのが、溶連菌感染症です。A群β溶血性連鎖球菌は、A群溶連菌と略されることもあります。A群溶連菌の感染が多いとされている部位は、咽頭粘膜や扁桃腺、鼻粘膜などです。A群溶連菌は感染してもすぐに症状はあらわれないといわれています。潜伏期間は、2日から5日とされています。

咽頭粘膜や扁桃腺などの上気道に溶連菌が感染すると、潜伏期間を経て、突然、38度を超える高熱がでて、のどの痛みや倦怠感があらわれるといわれています。嘔吐や食欲不振、頭痛などをともなうこともあるとされています。さらに、舌が赤くなり、舌の表面にブツブツがあらわれる「いちご舌」になることや首のリンパ節が腫れあがることもあるといわれています。発熱やのどの痛みがあらわれて1日から2日後に、胸部や腹部、手足などに1mmから3mm程度のかゆみをともなう赤い発疹があらわることがあるとされています。

A群溶連菌が皮膚に感染すると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や丹毒、とびひなどの症状があらわれることがあるといわれています。また、身体の奥の部位に感染すると、壊死性溶連菌感染症があらわれることがあるとされており、さらに、髄膜炎や敗血症などの全身感染症があらわれることがあるといわれています。溶連菌感染症の合併症としてあらわれることがあると考えられているのが、アレルギー性紫斑病やリウマチ熱、急性糸球体腎炎などです。そのため、発疹、むくみ、血尿、関節の痛みなどを認める際は合併症がないか調べるために再診察が必要になります。

溶連菌感染症の治療

溶連菌感染症の治療は、抗生物質の服用が有効と考えられています。第一選択薬とされているのが、ペニシリン系抗生物質です。ペニシリン系抗生物質にアレルギー反応があらわれる場合は、「エリスロマイシン(薬剤名)」や第一世代のセフェム系抗生物質が有効と考えられています。これらの抗生物質を服用しても、症状の回復が見られないときには、「クリンダマイシン(薬剤名)」や「アモキシシリン(薬剤名)」、第二世代以降のセフェム系抗生物質が使用されることもあります。抗生物質を服用すれば、1日から2日で熱は下がるといわれています。そして、発疹も治りはじめるとされています。のどの痛みは、1週間以内に治まるといわれていますが、いちご舌は数週間続くことがあるとされています。

抗生物質を服用すると、1日から2日で発熱や発疹などの症状は治まるといわれていますが、抗生物質は、ドクターの指示があるまでは中止してはいけません。それは、発熱や発疹などの症状が治まっても、身体から完全にA群溶連菌が消し去られた訳ではないからです。さらに、10日から14日間、抗生物質の服用を続けることが、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を予防するために、有効と考えられているからでもあります。

溶連菌感染症の予防

A群溶連菌の感染経路は、咳やくしゃみなどでA群溶連菌を含んだ飛沫が飛び散ることで感染する飛沫感染やのどや鼻から出てくるA群溶連菌を含んだ体液などに手が触れて、A群溶連菌が付着した手で鼻や口を触ることで感染する接触感染が多いと考えられています。飛沫が飛び散るのは、1mから2mの範囲だといわれています。また、咳やくしゃみだけではなく、話をしているときでも飛沫は飛び散っているとされていますので、A群溶連菌に感染している方に必要以上に近づくのは控え、看病などで近くに行くときは、マスクでしっかりと鼻や口を覆っておくことが予防につながるといわれています。

また、他人に感染させないためには、咳やくしゃみをするときは、人がいない方を向いて咳やくしゃみをしましょう。そして、マスクを着用していないときに、咳やくしゃみをするときは、ティッシュやハンカチで口を覆ってください。ティッシュやハンカチを持っていなくて、素手で口を覆って咳やくしゃみをしたときは、すぐに手を洗いましょう。接触感染は、皮膚に傷などがなければ、触っただけで感染することはないといわれています。A群溶連菌が付着した手などで鼻や口に触れることで感染するとされています。皮膚に傷がある場合は、傷を覆うことが大切だといわれています。傷などがない場合は、手洗いがA群溶連菌の感染を予防するのに、重要な対策だと考えられています。しかしながら、手洗いは正しい方法で丁寧に行わなければ、予防効果は低いといわれています。

手洗いが重要

正しい手洗いの方法は、まず、液体石けんをしっかりと泡立てます。液体石けんが泡立てば、手のひらを合わせてしっかりと洗います。次に、手の甲を伸ばすように丁寧に洗い、つめの間や指先をしっかりと洗います。そして、両手の指を交差させて指の間を丁寧に洗い、親指を反対の手でにぎり、ねじるようにしっかりと洗います。最後に手首を丁寧に洗ってから、石けんが残らないように、しっかりとすすぎ、清潔なタオルやハンカチで手を拭きましょう。手洗いは、30秒以上行い、流水ですすぐことが大切です。

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