坐骨神経痛の治療法

更新日:2017/03/22

坐骨神経痛の治療法

坐骨神経痛は、さまざま原因によって起きる症候群です。坐骨神経痛の治療は、すなわち原因となる疾患に応じた治療を意味します。坐骨神経痛の治療法を中心にドクター監修の記事で解説します。

坐骨神経痛という名称は、複数の原因によって引き起こされる神経疼痛の総称であり症候群の名称です。そのため、治療の第一段階は痛みやしびれを緩和し取り除くことになります。この段階で軽快すればよいですが、改善が見られない場合や悪化する場合には次の段階を考えることになります。

坐骨神経痛の検査方法

坐骨神経痛の治療を行うためには、その前提として痛みやしびれが坐骨神経痛によるものであることを確認しなければなりません。実は、坐骨神経痛であることの確認とは、痛みなどの原因を突き止めることでもあります。ドクターの診察と検査によって坐骨神経痛かどうか、その原因は何か、が判断されます。

問診と触診

患者から症状のある部位や痛みやしびれの程度など、必要な情報を聞き出し、触診もあわせて坐骨神経痛の状態と原因を探ります。また、寝ながら足を上げたときの様子を見る検査も行われます。

画像診断

目では確認できない体内の様子を、MRI装置や単純X線撮影、CTスキャンを使って調べます。典型的な原因疾患がある場合は、これらの画像でハッキリとわかることが多いです。

坐骨神経痛の治療方法

坐骨神経痛の治療方法は、原因によって異なります。また、症状の程度によっても変わってきます。痛みやしびれが軽いものであれば、薬の投与やリハビリを行いつつ経過を観察することもあります。多くの場合では保存療法で済みますが、長期間改善が見られないなど生活の質が劣悪になるようであれば、原因を除去する治療の必要性がでてきます。

腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合

椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は、背骨の間にあってクッションとなっている椎間板が突出することで神経を圧迫して起きるものです。痛みやしびれを引き起こすだけでなく、足の脱力や背骨が曲がるなどの症状につながることがあります。日常生活に支障をきたすなど、症状が目立ってくれば治療が必要となります。激しい痛みがある場合は安静にすることが第一です。治療法には、コルセットによる固定、鎮痛剤やブロック注射を用いた症状の緩和があります。しかし、こうした策を用いても痛みが治まらない場合や、別の問題が生じる場合は、外科的な手術によって治療を行うことを考えます。

腰椎脊柱管狭窄症が原因の場合

脊柱管狭窄症による坐骨神経痛は、脊髄の中にある神経の通り道が狭くなり神経が圧迫されることで起きる症状です。狭窄の要因としては主に加齢が考えられています。一般的に、脊柱管狭窄症の診断にはMRI画像が用いられます。輪切りの画像には、狭くなった通り道がハッキリと移ることが多いです。また、横からの画像では、狭窄のある部分がわかります。治療方法としては、椎間板ヘルニアと同様にコルセット、リハビリ、鎮痛薬やブロック注射などがあります。

長距離を歩くことが困難になる脊柱管狭窄症で手術を行うかどうかは、どの程度歩けるか、移動できるかにもよります。患者自身が必要と感じる距離を歩ける間は手術しない選択もあります。前傾姿勢をとっていればある程度は歩けるのが脊柱管狭窄症です。しかし、狭窄は自然に改善することは期待できません。また、下半身に力が入らなくなり、ちょっとした段差も超えられなくなることがあります。こうした状況を総合的に判断して、外科手術を行うかどうか、いつ行うかを考えることになります。

腫瘍が原因の場合

坐骨神経痛を起こすまでに大きくなった腫瘍であれば、痛みの緩和策を実施するとともに、早期に除去することが望ましいと言えます。

仕事や生活環境でのストレスが原因の場合

ストレスをなくすことは容易ではありませんが、保存療法を行いながら、仕事の方法や身体の使い方を見直すことや、生活習慣を改善するなどの対策が求められます。

坐骨神経痛の予後

坐骨神経痛の予後は、その原因によって大きく異なる可能性があります。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの明確な原因がある場合だけでなく、原因不明の坐骨神経痛があるためです。このような坐骨神経痛には、神経について異常が見られないものがあり、そもそも神経痛と呼ぶことが正しいのか疑問が残るケースもあるようです。このようなものまで含めると、ケースバイケースとなります。それでも、保存療法で対応可能なケースが多いことを考えれば、坐骨神経痛の予後はそれほど悪いわけではないと言えるでしょう。また、特定の原因がある場合は、外科手術でそれを除去すると、予後は総じて手術前より改善していることが多くなります。