子供がかかりやすいおたふく風邪とは

更新日:2017/04/11 公開日:2017/04/11

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の基礎知識

おたふく風邪は小さな子供に多い感染症です。その理由は、1度の感染で免疫が完成するため、年齢とともに免疫を持っていない人が減るからだと考えられます。ここでは、おたふく風邪の概要についてドクター監修の記事で解説します。

大利昌久先生

この記事の監修ドクター

おおり医院 院長
大利昌久先生

おたふく風邪はムンプスとも呼ばれる感染症で、正式には流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)と名づけられています。おたふく風邪は、患者の大部分を幼児が占めているため、子供の病気として知られています。その背景には、大多数は1度感染すれば十分な免疫を得られるため、年齢が上がるほど患者が減るという事実があります。つまり、子供の間に罹患している人が多いのです。

おたふく風邪とは

おたふく風邪は、正式名称の流行性耳下腺からわかるように、耳下腺の炎症による腫れが特徴的な感染症です。発症する年齢でもっとも多いのが1歳から6歳の幼児期の子供です。なかでも4歳児がピークで、1歳から4歳までが全体の半数近くを占めるとされています。ただし、0歳児にはあまり見られません。感染してから発症までの潜伏期間は、2週間から3週間と長いですが、不顕性感染と呼ばれる発症しないケースが1/3近くあるともいわれています。

おたふく風邪の感染力は強いとされており、第2種感染症となっています。そのため、学校では出席停止の措置がとられることもあります。これは、学校保健安全法第19条に規定されている校長の権限です。実務では、原則として耳下腺の腫脹から最低5日を経過して、全身の状態がよくなるまでの間を出席停止としています。

おたふく風邪の症状

おたふく風邪で多く見られる症状には、唾液腺の腫脹と痛み、発熱と頭痛などがあります。その他の症状として多いのが、倦怠感や食欲不振などです。おたふく風邪は軽症であることが多いものの、発熱のピークには40度近くに達することがあります。また、強い痛みをともなうことがあるのが耳下腺の腫脹です。いずれの症状も1週間程度で軽快し、長くても2週間もすればよくなることが一般的です。また、よくある勘違いとして、おたふく風邪と呼ばれることから、顔が丸く腫れるイメージを持つ人がいます。しかし、あごから首の付け根にかけて腫れるのがおたふく風邪です。

成長してからのおたふく風邪

子供の場合は、重篤な状態になることが少ないですが、思春期を迎えてからのおたふく風邪には注意が必要です。男性の場合は、3人から5人に1人の割合で精巣炎になるといわれています。また、大人になってからの罹患は症状が重いともいわれており、罹るなら子供のときがよいとも言えそうです。

おたふく風邪の原因

おたふく風邪は、ムンプスとも呼ばれているように、ムンプスウイルスに感染することで発症する疾患です。この原因となっているムンプスウイルスはパラミクソウイルスの一種であり、飛沫感染か唾液を伝って感染します。感染後は2週間から3週間の潜伏期間を経て発症する場合としない場合にわかれます。

おたふく風邪の合併症

おたふく風邪の症状は比較的軽いものとされていますが、合併症が心配な点でもあります。

髄膜炎と脳炎

髄膜炎を合併した場合には嘔吐や頭痛などの症状がでます。髄膜炎は、おたふく風邪の合併症の中ではいちばん多く見られるものですが、合併症としての髄膜炎は比較的軽いものだといわれています。また、脳炎は確率的にはかなり低い割合の合併症ですが、昏睡や痙攣を起こすことがあります。

精巣炎と卵巣炎

前述したように、思春期以降におたふく風邪に罹った場合、男性なら精巣炎や精巣上体炎を合併する可能性が高くなっています。女性の場合でも、15人に1人程度の割合で卵巣炎を併発する可能性があります。精巣炎になると、症状として痛みや熱感があります。このため、大人になってからおたふく風邪に罹ると子供ができなくなるなどといわれることがあります。しかし、おたふく風邪の合併症としての精巣炎では、基本的に生殖能力を失うことは考えられないことです。一方、女性の卵巣炎では症状が軽いことから気付かないこともあり、発症率が精巣炎の数分の1と小さいこともあって、男性のおたふく風邪ほど話題になりにくいのかもしれません。

その他の合併症

おたふく風邪には、上記以外にも難聴や膵炎、肝炎などいくつかの合併症が起きる可能性があります。確率的には低いものが多いですが、念のため注意して観察する必要はあるでしょう。

おたふく風邪の治療法

おたふく風邪に罹ったら、安静にすることが第一です。同時に、ウイルス性の感染症であることから、痛みには鎮痛剤、熱には解熱剤といったように対症療法による治療を受けます。学校を休んでいる間は、しっかりと休養をとって体力の回復に努めることです。大人になってから罹った場合も、同じ流行性耳下腺炎である以上は、子供と同様の治療となります。ただし、大人特有の合併症を発症した場合は、その治療が加わることがあります。

この病気・症状の初診に向いている科 耳鼻咽喉科

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