溶連菌とはどのような菌?

更新日:2017/08/17 公開日:2017/03/23

溶連菌感染症の基礎知識

冬に多い感染症のひとつに、溶連菌感染症があります。発症すると、発熱やのどの痛みの症状が現れます。溶連菌とはどのような菌なのか、また、症状や原因、治療方法についてドクター監修の記事でお伝えします。

冬に多い感染症のひとつに、溶連菌感染症があります。溶連菌感染症になると、発熱をはじめ、のどの痛みや発疹などの症状が現れます。また、合併症を引き起こす可能性もあり、注意が必要な病気です。溶連菌とはどのような菌なのか、詳しい症状や原因、また、治療法や予防方法など解説していきます。

溶連菌とは

溶連菌とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌です。この細菌による感染症を「溶連菌感染症」と言います。溶連菌の多くは、普段から体内や体表に、害を生じることなく存在しています。感染力のある菌であっても、身体の健康状態がよいと、症状がでない場合もあります。感染する部位は、呼吸器や皮膚です。具体的には、鼻の粘膜やのどの粘膜、扁桃腺などに感染するのが一般的です。溶連菌感染症が流行する時期は特になく、1年を通して感染する可能性がありますが、のどは12~3月に、皮膚は7~9月に多いといわれています。

溶連菌の症状

感染すると、2~3日の潜伏期間を経て、発熱やせき、のどの痛みなどの症状が現れます。子供の場合は、発熱とのどの痛みを訴えることがほとんどなので、風邪と間違うことが多くあります。医療機関を受診して、感染に気付くケースがほとんどです。以下のような症状が現れたら、感染の疑いがあります。すみやかに医療機関を受診しましょう。

  • 発熱
  • のどの痛みがある、せきが出る
  • 頭痛、身体の倦怠感
  • 食欲不振、吐き気、嘔吐
  • 口の中に、小さな赤い斑点ができる
  • 舌がイチゴの表面のように赤くブツブツした状態になる(イチゴ舌になる)
  • 首のリンパ節が腫れる
  • 顔や身体に小さな発疹ができる(かゆみをともなう場合もあります)
  • ほかの症状がなくなった後、手足の指先の皮膚がむける

溶連菌の原因

溶連菌に感染する原因は、ほとんどがせきやくしゃみなどの飛沫感染だと考えられています。溶連菌感染症は、主に幼児や子供に多い病気です。幼稚園や保育園、学校などの集団生活の場で、感染するケースが一般的です。感染力は強いため、周囲で感染が認められた場合は、手洗い・うがいを徹底し、マスクを着用するなどして予防に努めましょう。なお、溶連菌感染症を発症したら、学校や保育所は出席停止になります。

溶連菌の検査・治療

溶連菌感染症は、以下のように検査、治療をしていきます。

検査

症状や周囲での感染の有無をみて、判断します。疑わしい場合は、溶連菌抗原検出キットで感染しているかどうかを判断します。綿棒でのどの粘膜の細菌を採取し検査します。10分ほどで結果がでるので、ドクターからの説明を受けましょう。

治療

薬物療法による治療になります。溶連菌に有効な抗生物質を服用します。抗生剤を24時間以上服用すると、周囲への感染力はなくなるといわれています。1~2日ほどで熱も下がり、1週間以内にはのどの痛みなどの症状もおさまります。しかし、症状がおさまっても、溶連菌が完全に体内からいなくなったわけではありません。溶連菌感染症は、合併症を引き起こす場合もあるので、処方された薬を最後まで使い切ることが重要です。「もうよくなったから」と自己判断せず、薬の服用をやめたりしないようにしましょう。

家庭での対処

家庭では、しっかりと安静にすることを心がけましょう。熱がある場合は、入浴は控えます。汗を大量にかいているときは、濡れたタオルなどで身体をふいてあげましょう。食事は無理に摂らせる必要はありません。消化のよいものを、食べられるだけ与えます。水分はしっかりと摂らせましょう。

合併症に注意

溶連菌感染症は、さまざまな合併症を引き起こす場合があります。特に以下の合併症の症状が現れた場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

  • 急性腎炎
  • リウマチ熱

急性腎炎は、溶連菌感染症の3~4週間後に発症することが多い病気です。むくみや尿が少なくなる、血尿、タンパク尿がでるなどの症状があります。医療機関によっては、この期間に尿検査をすることもあります。

溶連菌感染後に、発熱とともに身体の各部分に炎症が起こります。具体的には、多関節炎や不随意運動、心筋炎などです。抗生剤を服用しても熱が下がり切らない場合や、関節などに痛みがある場合は、注意しましょう。

溶連菌の予防

溶連菌は、感染力の強い病気です。感染予防のために、手洗い・うがいは徹底して行いましょう。せきやくしゃみなどの飛沫感染により感染することが多いため、マスクの着用も効果が期待できます。冬季は、室内に溶連菌をため込まないよう、こまめに換気をすることも大切です。また、家族内で感染が認められた場合は、部屋を隔離するなどして、感染が広がらない工夫も必要です。

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