溶連菌の原因とは

更新日:2017/03/30 公開日:2017/03/23

溶連菌感染症の基礎知識

夏場や冬場に多く見られる感染症のひとつに「溶連菌感染症」があります。感染力も強く、集団生活の場では予防対策が重要です。溶連菌感染症になる原因と、治療・予防のポイントについて、ドクター監修の記事でお伝えします。

夏場や冬場などに特に多くみられる感染症に「溶連菌感染症」があります。発熱やのどの痛みを生じるため風邪と間違う方も多いですが、放っておくと合併症を引き起こすやっかいな病気です。溶連菌感染症の原因と症状、治療や予防のポイントについて詳しく解説していきます。

溶連菌とは

溶連菌感染症とは、「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌による感染症です。季節を問わず1年中感染しますが、12~3月、7~9月に特に多くみられます。人から人へ感染し、主に幼児や子供にかかります。5~15歳くらいが発症のピークですが、大人も発症することもあります。溶連菌はのどの粘膜や鼻の粘膜、扁桃腺に付着しやすい細菌です。感染力も強く、集団で感染する可能性もあるため、注意が必要な病気です。

溶連菌の症状

溶連菌感染症の主な症状です。ただし、すべての症状が出るとは限りません。

発熱、のどの痛みが起こる

初期症状で多いのは、発熱です。38~39℃程度の比較的高い熱が出ます。発熱に先行してのどの痛みも多く見られるのが特徴です。のどが真っ赤になり、痛みを生じます。風邪を原因とする咽頭炎や扁桃炎と区別がつきにくいため、はじめは風邪と間違う方がほとんどです。子供はうまく症状を伝えることができないことがありますが、のどの痛みを強く訴えることが多いのも、見分けるポイントになるでしょう。頭痛や倦怠感、吐き気や嘔吐などの胃腸障害をともなう場合もあります。首のリンパ節が腫れることもあります。

手足や身体に発疹がでる

のどの痛みから1~2日遅れて、手足や身体全体に、赤い小さな発疹(1~2mm程度)が現れます。かゆみをともなう場合もあります。また、舌がイチゴの表面のように赤くブツブツした状態になる「イチゴ舌」という症状がでることもあります。この頃には、発熱はおさまっていることが多いです。

手足の皮がむける

上記のさまざまな症状が落ち着いてきてから(5~6日以降)、手足の指先の皮がむける症状が現れます。発疹があまりひどくなければ、この症状は出ない場合も多いといわれています。のどの痛みは比較的早くおさまりますが、イチゴ舌は数週間残ることもあります。

溶連菌の原因、感染経路

溶連菌感染症は、人から人へ感染します。感染する原因を知り、予防に役立てましょう。

飛沫感染

くしゃみやせきなどにより、空気中に飛び散った菌を吸い込むことで感染します。溶連菌感染症は、ほとんどがこの飛沫感染が原因といわれています。幼稚園や保育園、小学校など、人が密集する場で多く起こり、集団感染も発生します。マスクの着用により、飛沫感染を防ぐことが期待されます。また、室内の換気を適度に行うことも効果的です。特に冬場は換気が少なくなりがちですので、意識して部屋の空気を入れ替えるようにしましょう。

接触感染

菌がドアノブや手すりなどに付着し、それをさわることで感染します。おもちゃや本など、よく触るものに付着します。こまめに人が触る部分を殺菌・消毒することが有効だと考えられます。また、接触感染には手洗いが大切です。手洗いを徹底し、必要であれば殺菌・消毒も行いましょう。

子供の感染率が高い理由

溶連菌感染症は、主に子供がかかりやすい病気です。子供がかかってしまう理由のひとつに、免疫力の低さが考えられます。子供は大人と比べて免疫力が低いだけでなく、溶連菌はさまざまな型をもっています。1度かかっても、再感染する可能性があります。また、子供は手洗い・うがいなどの予防対策が十分に徹底できないことも理由として考えられます。いろいろな場所を触った手でお菓子を食べたり手を舐めたりすると、感染するリスクが高まります。息苦しいのがいやで、マスクをしたがらない子供もいます。子供同士で感染拡大を予防することができないため、感染が広がると考えられます。

溶連菌の治療・予防

溶連菌感染症の治療には、菌に有効な抗生剤を10日以上服用することが必要です。服用後すぐに、発熱などの症状はおさまります。しかし、溶連菌は合併症を引き起こす可能性もありますので、処方された量を最後まで飲み切ることが大切です。薬の服用が終了し、溶連菌感染症の発症から2~3週間前後に、腎炎やリウマチ熱などの合併症が認められなければ完治となります。

予防のポイント

感染の原因となる経路は、主に飛沫感染と接触感染です。感染拡大しないためにも、手洗い・うがいを徹底しましょう。また、マスクの着用も同様に必要です。家庭では、こまめに換気を行い、室内に菌をため込まないようにします。ドアノブや手すりも、できる限り除菌しましょう。小さい子供がいる家庭では、舐めても平気な除菌剤を使用するといいでしょう。口に入れて遊ぶおもちゃは、洗浄し清潔に保ちましょう。

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