子供に多い溶連菌感染症とは

更新日:2017/03/24 公開日:2017/03/24

溶連菌感染症の基礎知識

子供にかかりやすい感染症のひとつに、溶連菌感染症があります。合併症が起こる可能性もあり、注意が必要な病気です。溶連菌感染症が子供にかかりやすい理由や、症状、治療のポイントについてドクター監修の記事でお伝えします。

子供にかかりやすい感染症のひとつに、「溶連菌感染症」があります。感染率も高く、集団感染も起こるやっかいな病気です。溶連菌感染症はなぜ子供にかかりやすいのか、また、治療のポイントについて詳しく解説していきます。

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症とは、「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌による感染症の総称です。5~15歳くらいの幼児や子供に多く見られますが、大人も発症することもあります。溶連菌はのどの粘膜や鼻の粘膜、扁桃腺に付着しやすい細菌です。そのため、のどに痛みを生じることが大きな特徴です。

溶連菌感染症の症状

溶連菌感染症にかかると、以下のような症状が順に現れます。ただし、すべての症状が出るわけではありません。

発熱、のどの痛みが起こる

初期症状でもっとも多いのは、発熱です。38~39℃程度の比較的高い熱が出ます。発熱と同時に、のどの痛みも多く見られます。のどが真っ赤になり、痛みを生じます。風邪を原因とする咽頭炎や扁桃炎と区別がつきにくいため、初期症状だけでは風邪と間違う方も多くいます。溶連菌は鼻水やせきがほとんど出ないという特徴も、見分けるポイントになります。頭痛や倦怠感、吐き気や嘔吐などの胃腸障害をともなう場合もあります。

手足や身体に発疹がでる

のどの痛みから1~2日遅れて、手足や身体全体に、赤い小さな発疹が現れます。かゆみをともなう場合もあります。また、舌がイチゴの表面のように赤くブツブツした状態になる「イチゴ舌」という症状がでることもあります。この頃には、発熱はおさまっていることが多いです。

手足の皮がむける

上記のさまざまな症状が落ち着いてきてから(5~6日以降)、手足の指先の皮がむける症状が現れます。発疹があまりひどくなければ、この症状は出ない場合も多いといわれています。

なぜ子供がかかりやすのか

溶連菌感染症が子供にかかりやすいのには、いくつか原因が考えられます。

免疫力が低いため

人間の身体は、さまざまな病気にかかることで免疫を作っていくことができます。幼児や子供は、大人に比べれば免疫が低いため、かかりやすいと考えられます。また、溶連菌はさまざまな型があるため、1度かかっても再感染することも多くあります。繰り返し感染することでさまざまな型に対する免疫ができ、かかりにくくなると考えられます。

予防が十分にできないため

溶連菌感染症は、くしゃみやせきなどの飛沫感染や接触感染により、感染します。子供は、手洗い・うがいが徹底できていない可能性があります。特に幼稚園や小学校に行っている間は、親の目が行き届かなくなります。手洗い・うがいが雑になったり、うっかり忘れてしまったりすると、感染する可能性が高くなります。マスクの着用も、溶連菌感染症の予防には効果が期待できます。マスクは、息苦しかったりして着用を嫌がる子供もいます。手洗い・うがい、マスクの着用といった、感染症予防の対策が大人よりは十分に行うことができないために、かかりやすくなってしまうと考えられます。

いろいろなものをなめたり触ったりするため

溶連菌感染症は、ドアノブや手すりに付着した菌に接触することで感染する「接触感染」も大きな感染経路です。小さな子供は、おもちゃや本などいろいろなものに触ります。その手のままお菓子を食べたりすると、菌が体内に侵入し、感染してしまいます。特に小さな子供は、無意識に口にくわえたり舐めたりするので、注意が必要です。

溶連菌感染症の治療

のどの粘膜の菌を採取し、溶連菌感染症の有無を検査します。溶連菌が認められた場合は、溶連菌に有効な抗生剤を10日間服用します。抗生剤を服用すると、1~2日程度で発熱はおさまることがほとんどです。その他の症状も改善に向かいますが、抗生剤は10日間しっかりと飲みきることが大切です。溶連菌感染症は、合併症を引き起こす可能性があります。しっかりと溶連菌を退治し合併症を引き起こさないために、薬は指示された量や飲み方をきちんと守りましょう。

完治するまで

溶連菌感染症の治療には、菌に有効な抗生剤を10日以上服用することが必要です。薬の服用が終了し、溶連菌感染症の発症から2週間前後に、尿検査を行います。尿検査により、腎炎などの合併症が認められなければ完治となります。溶連菌の感染から完治するまでには、2~3週間程度はかかると理解しておきましょう。

登園・登校の目安

溶連菌は感染力の強い感染症です。感染すると、幼稚園や保育園、小学校へは登園・登校できません。地域によっては出席停止の扱いになるので、通っている教育機関へ確認をしましょう。溶連菌は、24時間以上抗生剤を服用すれば、他人への感染力はなくなるといわれています。24時間以上(1~2日程度)抗生剤を服用し、かつ、発熱や発疹、のどの痛みなどの症状がおさまっていれば登園・登校してもかまわないでしょう。

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