溶連菌に尿検査は必要?

更新日:2017/04/11 公開日:2017/04/11

溶連菌感染症の治療と対策

溶連菌の感染が疑われる場合は、迅速診断や培養検査などが行われます。そして、溶連菌の治療が終われば尿検査を受ける必要があるとされています。どうして尿検査が必要なのかをドクター監修の記事で解説します。

溶連菌に感染した場合は、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。そして、尿検査を受けてわかる合併症もあります。ここでは、溶連菌の検査方法や合併症について見てみましょう。

溶連菌の検査方法

溶連菌の検査方法は、溶連菌抗原検出キットを使用する検査や培養検査、血液検査などが行われます。溶連菌抗原検出キットを使用する検査は、綿棒で咽頭や扁桃の表面をこすり検査を行います。結果は数分程度でわかるとされており、迅速診断とも呼ばれています。培養検査は、おおむね2~3日で結果がわかるといわれています。迅速診断と同様に、咽頭や扁桃をこすり採取した細胞を培養して検査を行います。

溶連菌に感染していた場合の治療は、溶連菌に有効とされる抗生物質の服用で行います。抗生物質を服用してから2~3日ほどで、発熱や発疹の症状は緩和されますが、溶連菌感染症の治癒後に、アレルギー性紫斑病やリウマチ熱、急性糸球体腎炎などの合併症を発症することがあるため、10日ほどは、抗生物質の服用を続ける必要があります。溶連菌が治癒してから、3~4週間後に、浮腫やウーロン茶のような褐色の尿が出た場合は、急性糸球体腎炎を発症している可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。

尿検査を行うタイミング

溶連菌に感染したことが原因となり、急性糸球体腎炎などを発症することがあります。急性糸球体腎炎などを患っていないかを調べるために尿検査が有効です。

急性糸球体腎炎を患っている場合は、血尿とタンパク尿の両方が検出されることが多いようです。血尿は、血が混ざった尿であり、タンパク尿は、尿にタンパクが混ざった状態です。急性糸球体腎炎の初期症状は、尿の量が少なくなる、血尿やタンパク尿が出るなどの症状のため、急性糸球体腎炎を患っていることに気づかないことが多いといわれています。

尿検査でわかる合併症

溶連菌に感染したときの合併症としては、リウマチ熱やアレルギー性紫斑病、急性糸球体腎炎などの疾患があげられます。リウマチ熱の初期症状は、発熱や関節痛が多いようです。その他にも、動悸や痙攣(けいれん)など、さまざまな症状があらわれることもあります。溶連菌に感染したことが原因ではなく、溶連菌に感染したことに対する炎症反応だといわれています。

アレルギー性紫斑病と急性糸球体腎炎は、溶連菌に感染したときの合併症です。アレルギー性紫斑病は、お尻や足首からひざにかけて発疹があらわれ、徐々に紫斑になり、顔や腕、背中などに広がっていくことがあります。さらに、ひざや足首などの関節に痛みや腫れがあらわれる関節炎や血便や下痢、嘔吐をともなう腹痛があらわれることがあります。

急性糸球体腎炎は、初期症状には尿の量が減少したり、血尿やタンパク尿が出たり、顔がむくむなどの症状があらわれます。腎機能が低下すると血圧が上昇することがあり、高血圧と脳が腫れる影響で、視覚障害や頭痛、昏睡や痙攣発作などの脳機能の重篤な異常を起こすこともあるようです。

急性糸球体腎炎を発症した場合は、ほぼ完治することが多いといわれています。しかし、子供の約0.1%、成人の約25%は、慢性腎不全へ移行するといわれています。急性糸球体腎炎を発症しても数週間から数か月以内の早期に治療を行えば、約75パーセントは、腎機能を維持することが可能で、透析を受ける必要はないようです。しかし、治療が遅くなれば、慢性腎不全に移行してしまう確率は高くなると考えられています。また、急性糸球体腎炎が完治しない場合は、ネフローゼ症候群や無症候性血尿・タンパク尿症候群などの腎臓病を発症することや慢性糸球体腎炎に移行することもあります。

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