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シミを消すために知っておきたい基礎知識とシミ対策

更新日:2017.09.18
公開日:2017.01.31
ドクター画像
この記事の監修者
品川スキンクリニック表参道院 院長 石橋正太

紫外線などが原因でできるシミに悩まされ、なんとかしたいと思っている方は少なくありません。今回は、シミの基礎知識とともによく見られるシミの種類やその治療法、シミの対策について、ドクター監修の記事で解説します。

いつの間にかできていることが多いシミは、女性だけではなく男性も悩まされることがあります。しかし、いざシミを消そうと思っても、原因などを知らないままではどのような対策をすべきか悩むことになります。そこで今回は、対策のためにおさえておきたい基礎知識、シミの種類別の治療法、シミ対策などをお伝えしていきます。

シミの基礎知識

シミには広義のシミと狭義のシミがあります。広義のシミはメラニン色素による色素斑のうち、表皮という浅い部分にできるものを言います。例えば老人性色素斑、肝斑、ソバカス(雀卵斑)、色素沈着などがあります。狭義のシミは老人性色素斑のことを言います。ちなみにメラニン色素が本来無いはずの真皮という深い部分にある状態をアザといいます。まず、シミがどのようにしてできるのかと、シミの対処法として使われる美白作用のある化粧品について見ていきましょう。

シミができる仕組み

シミは、簡単に言うと表皮内の色素である「メラニン」がいつまでも表皮内に留まり、沈着したものです。私たちの皮膚は、日中屋外で過ごした場合や室内にいるときも窓際であれば紫外線を浴びます。紫外線が表皮の下の層である「真皮」へ届かないように肌を守るため、表皮の一番下に位置する基底層で「メラノサイト」という色素細胞に対して、表皮の大部分を占めるケラチノサイトが指示を出し、メラニンが生成されるのです。

生成されたメラニンは通常、肌の新陳代謝(ターンオーバー)によって古い角質とともにはがれ落ち、体外へ排出されます。しかし、なんらかの理由でターンオーバーが乱れているとうまくメラニンが排出されず、皮膚の中に蓄積されていきます。その結果、シミとなって出現するのです。

シミ対策における美白作用のある化粧品

このような紫外線を主な原因とするシミを美白作用のある化粧品でケアしている方も多いでしょう。日焼けが原因のシミであれば、それでメラニン色素が作られるのを抑える効果は期待できます。しかし、シミを消すという効果までは期待できません。それは、美白化粧品は「シミ予防」を目的としているため、「消す」という目的までを担っていないからです。もし、シミを消したいというのであれば、美容皮膚科を受診し、適切な薬やシミの種類にあった治療法で解決する必要があります。

シミの種類と消す方法

シミにはさまざまな種類があります。ここでは、よく見られるシミの種類別に特徴とシミを消すための主な治療法をご紹介します。

老人性色素斑・肝斑・ソバカス

紫外線が原因でできます。シミの中でもっとも多い「老人性色素斑」は、頬骨やコメカミなどにできやすいシミです。大きさはまちまちですが、平たくて丸みのある色素斑であることが多いです。他にも、30~40代の女性によく見られ、頬骨や額といった部分に左右対称に現れて閉経とともに消えることが多い「肝斑」や、遺伝的な要因からできる小さくて不規則な形の斑点が特徴のソバカス(雀卵斑)などがあります。

これらは、医療機関が処方する「ハイドロキノン」や「ルミキシル」「トレチノイン」を使用して治療されるケースが多いです。これらはシミに直接塗布します。ハイドロキノンとルミキシルは肌のトーンを明るくする目的で、シミ以外の部位にも塗る使い方があります。トレチノインはシミの部位のみに塗布します。トレチノインは表皮のターンオーバーを早めます。また内服薬ではビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸などを内服します。ビタミンCとトラネキサム酸は皮膚の表面から電気的に導入するイオン導入やエレクトロポレーションなどでも用いられます。その他にケミカルピーリングやレーザー・光治療などを組み合わせることがあります。ただし肝斑に老人性色素斑やソバカスの治療と同じようなレーザー・光治療を行うと悪化することがあります。肝斑に可能なレーザーは現在のところレーザートーニングというマイルドな出力で当てる方法のみです。

遅発性両側性太田母斑・脂漏性角化症

目の周りや頬などにできる「遅発性両側性太田母斑(ちはつせいりょうそくせいおおたぼはん)」は、日本人によく見られるあざで、思春期~20歳を過ぎた頃に茶褐色や青色のあざが現れます。できる部位は肝斑とほぼ同じですが、ひとつひとつの色素斑の大きさが比較的均一であり、肝斑よりも若年に発症します。その他にも「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」という、シミの角化が進んでイボのように突出するシミ(老人性イボと呼ばれます)もあります。

これらは、美白作用のある化粧品では、効果があまり期待できません。そのため、一般的にはレーザー治療を行います。遅発性両側性太田母斑にはQスイッチレーザー、脂漏性角化症にはCO2レーザーを用います。

生活習慣の見直しをしてシミ対策

シミを薄くする効果やシミ予防の効果が期待できる化粧品がいろいろ発売されており、それを使ってシミを消そうと努力している方も少なくありません。しかし、一度できたシミを消すには、専門科を受診して適切な治療をしてもらう必要があります。「では、家庭でのシミ対策はどうすればいいの」と思われるでしょう。

今あるシミを消すには、医療などの力を借りる必要がありますが、この先できるかもしれないシミは、紫外線などの対策することで抑制することができます。

今以上にシミを増やさないためには、シミの原因につながるような生活習慣の見直しが必要です。「メイクを落とさず、洗顔もしないで寝る」「紫外線対策は晴れた日だけ」などの生活習慣や誤った紫外線対策方法は、シミに大きな影響を与えることがあります。

シミの改善や予防には、毎日の小さな積み重ねが必要です。まずは日焼け止めを使用しましょう。日差しの強い日はもちろん、曇りの日でも紫外線は降りそそいでいるので、外出の時はオールシーズン、日焼け止めクリームを塗ることをおすすめします。また、それと合わせて帽子などのアイテムをうまく活用し、紫外線を過剰に浴びないように心がけましょう。

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