貧血の改善方法について

更新日:2017/08/22 公開日:2017/03/30

貧血の改善方法

少しでも貧血の症状を感じるようであれば、早めに改善策を検討したほうがよいです。血液の不足による貧血の回復は時間がかかる場合があり、早めに対処するほうが早い回復が期待できるからです。ドクター監修の記事で詳しく解説します。

貧血とは血液中の赤血球やヘモグロビンの量が少ない状態のことで、一般的には「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる病気であることが多いです。本記事では、そのような貧血について治療や改善方法を解説します。

貧血の改善方法

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンがなんらかの原因で少なくなっている状態を指します。このヘモグロビンは赤血球内にあって酸素を運搬する働きを持つ物質で、鉄が主な原料となっています。貧血の一種である鉄欠乏性貧血と呼ばれる貧血の場合、鉄分が不足することでこのヘモグロビンの量が減り、結果として貧血の症状を起こしてしまいます。貧血になると動悸や息切れ、目まいなどの症状が起きやすくなり、同時に体内の血行が悪化することで肌荒れや爪割れなどの症状が現れやすくなります。

また女性に貧血が多いのは、月経によるものや子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科系特有の病気で出血が多くなることがあるからです。女性の貧血のほとんどは鉄欠乏性貧血ですが、再生不良性貧血や溶血性貧血といった深刻なケースも時にはあります。

鉄分が不足する原因

鉄分が不足する原因としては、胃や十二指腸などの消化管からの出血や生理による出血過多である場合が多いです。その他、偏食や欠食、極端なダイエットなどで鉄分の摂取量が減ってしまう場合も、この鉄欠乏性貧血になりやすいといわれています。

性別ごとの特徴としては、女性であれば出産期や授乳期、思春期などの急激な体質の変化の時期に起きやすく、男性であれば胃がんや大腸がんなどの消化器からの出血が原因で貧血になる場合が多い傾向があります。そのため、貧血の改善には不足している鉄分の補給や、血液を作る働きを助ける栄養素の補充がポイントとなります。

貧血の治療法

貧血の治療前には、まず血液検査で赤血球の数や大きさ、ヘモグロビンの量などを測定し貧血かどうか、鉄欠乏の程度や炎症の程度を判断します。診断の結果によっては、それに対応した治療が行われます。

鉄欠乏性貧血の治療法

鉄欠乏性貧血にもさまざまな原因がありますが、治療は基本的に経口用鉄剤や点滴で鉄分の補充を行うことが多いです。

悪性貧血

ビタミンB12や葉酸が不足すると赤血球を作り出す機能が低下し、貧血になってしまう場合があります。それを悪性貧血、または、不足している成分名を取ってビタミンB12欠乏性貧血や葉酸欠乏性貧血と呼びます。これらの必要な栄養素の経口摂取量が減ったり、胃を摘出することでビタミンB12が吸収できなくなったりした場合、こちらの貧血になる場合があります。

この貧血の場合には、不足している栄養素を薬や点滴で補充することで改善する可能性がありますので、ドクターの指示に従ってください。この悪性貧血の治療においては、ビタミンB12の筋肉内注射が一般的ですが、最近ではビタミンB12の内服により治療可能であった症例報告もあります。

貧血の治療薬

貧血の治療薬は経口用鉄剤と呼ばれる錠剤を使うことが多いです。通常であれば服用開始から1~2か月程度で症状の改善が期待できます。ただ、確実な治療効果を得るためには、血液の量を十分確保できる2~6か月を目標に継続して服用することが望ましいといわれています。

また、月経過多や妊娠、授乳などで鉄分が不足したりする場合にも鉄剤を摂取する場合があります。詳しくはドクターに相談してください。

経口用鉄錠はあまり副作用がないとされる薬ですが、ごくまれに吐き気や下痢などの胃腸性の副作用が現れる場合があります。そのため、そのような方には点滴や注射で治療することもあります。ただ、点滴の場合には週に1~2回、全部で合計6~8回は通院する必要がありますので、自分のスケジュールやドクターの指示に従って、きちんと治療するようにしましょう。

主な治療薬を以下に示します。

内服:クエン酸第一鉄ナトリウム(フェロミア)、硫酸鉄(フェロ・グラデュメット、スローフィー、テツクールS)、ピロリン酸第二鉄(インクレミン)、フマル酸第一鉄(フェルム)

注射:コンドロイチン硫酸・鉄コロイド(ブルタール)、含糖酸化鉄(フェジン)、シデフェロン(フェリコン)

普段からできる貧血の予防法

鉄分は体の中で生産できないため、日常的に食事で摂取することが重要です。特に、動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と呼ばれる鉄は吸収率がよくおすすめです。その他、ビタミンB6、ビタミンB12や葉酸は血液を作る働きがありますので、積極的に摂取するようにしてください。おすすめの食材は下記のとおりです。

  • ヘム鉄の摂取には肉類や魚類、玉子、あさり、大豆製品がおすすめです。
  • ビタミンB12は、レバーやニシン、牡蠣、チーズなどがよいでしょう。特にレバーは葉酸を豊富に含んでいるのでおすすめです。
  • ビタミンCや動物性タンパク質を摂取すると鉄が吸収されやすくなりますので、一緒に摂取することを心がけてください。

また、逆に鉄分の吸収を阻害する食べ物には注意してください。紅茶や緑茶、コーヒーに含まれているタンニンと呼ばれる成分は、鉄の吸収を妨げる働きをしてしまいます。貧血が気になる方は、食後にこれらを飲まないようにしたほうがよいでしょう。

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