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日射病と熱中症って何が違うの?応急処置や予防法は?

更新日:2018/03/14 公開日:2017/03/31

熱中症(熱射病・日射病)の基礎知識

暑い季節になると心配なのが日射病や熱中症です。この2つは同じものと思われがちですが、実は少し意味が違います。ここでは主に日射病について、熱中症との違いに触れながら、症状、対策、予防について解説します。

日差しが強く、気温の上がる季節になってくるとよく耳にする言葉である日射病や熱射病。海にプールにバーベキューにと、楽しみがたくさんある時期ではありますが、気をつけておかないと日射病になってしまうかもしれません。きちんと対処しなければ、ときに命にもかかわる日射病について、熱中症との違いも含めて解説していきます。

日射病と熱中症の違い

夏になると、熱中症や日射病という言葉をよく耳にすると思います。似たような言葉がいろいろあって混乱するかもしれませんので、まずはこれらの用語の違いをご紹介します。

「熱中症」は暑い環境にうまく適応できなくて起こる症状の総称であり、4つに分類できます。

  • 熱失神(ねつしっしん)→重症度Ⅰ度(軽症)
  • 熱けいれん(ねつけいれん)→重症度Ⅰ度(軽症)
  • 熱疲労(ねつひろう)→重症度Ⅱ度(中等症)
  • 熱射病(ねっしゃびょう)→重症度Ⅲ度(重症)

なお、この4つの中には「日射病」という用語は出てきません。日射病は、熱中症の重症である熱射病に内包される概念で「炎天下で直射日光を浴びたことにより起こる熱射病」のことです[1]。具体的には、炎天下でのマラソン大会、野球、サッカーなどにより、熱中症を起こして重症化したのが日射病です。

熱中症はどうして起こる?

熱中症は、直射日光の当たる外ではもちろん、暑くなった室内(気温の高い日の体育館)であっても発症する可能性があります。

本来、暑い環境で体温が上昇した時に汗をかくことで体温を低下させますが、熱中症ではその体温を下げるメカニズムが異常をきたし、オーバーヒートして体温がもっと上昇してしまいます。高温状態が続くことで意識障害や臓器にも異常が出てきます。代表的な症状として、汗があまり出ないことや顔が赤く熱くなることなどがあります。

熱中症の重症度別の症状

熱中症はその重症度に応じて、下記のような症状が出ます[2]。

熱中症Ⅰ度(軽症;熱失神~熱けいれん)の主な症状

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 生あくび
  • 大量の発汗
  • 筋肉痛
  • こむら返り

熱中症Ⅱ度(中等症;熱疲労)の主な症状

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 倦怠感(だるさ)
  • 虚脱感(身体に力が入らない)
  • 集中力や判断力の低下

熱中症Ⅲ度(重症;熱射病、日射病)の主な症状

  • 意識障害
  • けいれん発作
  • ふらつき、転倒、歩行困難
  • 手足をうまく動かせない
  • ろれつが回らない
  • 体温が40度を超える
  • 汗がほとんど出ない

適切な対処をされずに体が熱に耐えきれなくなった場合には、内臓が正常に機能しなくなり、最悪の場合はそのまま死に至ることもあります。現場での応急処置と見守りだけでOKなのは、I度の症状が徐々に改善しているときだけです。それ以外の、I度の症状が続く場合や、Ⅱ度以上の症状が出た場合はすぐに救急車を呼ぶか、医療機関へ運びましょう。

熱中症が起きたときの対策は?

では、熱中症が起きたときにするべき応急処置とはどのようなものでしょうか。

衣服は緩め、風通しのよい木陰へ

まずは直射日光の当たらない、木陰などの風通しのよいところへ移動しましょう。可能であれば、涼しい室内へ移動します。体を締めているようなものはできるだけはずし、衣服も緩めましょう。うちわなどを使って風を送り、体温を少しでも下げることが大切です。

塩分の含まれた水分を飲ませる

汗はあまりかいていなくても脱水状態なので、水分補給はとても大切です。経口補水液や塩分の含まれた水、スポーツドリンクなどを少しずつ飲ませるようにします。このとき、水分だからと熱いものやアルコールを飲ませないように気をつけましょう。経口補水液は市販されており、「飲む点滴」と言ってもいいくらい非常に吸収が早いのでおすすめです。

濡れたタオルで首筋やわきの下を冷やす

水で濡らしたタオルを使って体を冷やすようにしましょう。とくに首筋やわきの下など、太い血管の通っている場所を冷やすようにすると、より効果的に体温を下げることができます。

見守りを続け、一人にしない

熱中症の症状はすぐに変化します。軽症だと思っていたら、みるみる悪化して重症化することもあります。熱中症の人を一人にせず、必ず誰かがそばで見守りを続けましょう。症状が改善しない/悪化するようなら早めに医療機関への搬送を検討しましょう。

熱中症を予防するには?

一番良いのは、熱中症にならないことです。熱中症を予防するには下記のようなことが大切です。

暑さ指数を確認しましょう

熱中症予防には、気温だけではなく湿度や日差しにも注意が必要です。「暑さ指数」という気温や湿度、日差しや地面を跳ね返ってくる熱を考慮した指標がありますので、外に出かける時は暑さ指数を確認して、注意が必要な日にはしっかりと予防、対策をするようにしてください。詳しくは『WBGT(暑さ指数)とはなに?』をご覧ください。

直射日光を避ける

炎天下で長時間の活動をすることが一番危険なことと言えます。外出する時間をずらすなど、強い直射日光に当たる時間を減らすように心がけましょう。どうしても炎天下で活動しなければいけない場合には、帽子や日傘などを活用して頭や首が直射日光に当たらないようにしましょう。

水分補給をしっかりと

こまめな水分補給はとても大切です。汗を大量にかく季節には、水だけでなく塩分の補給も重要になってきます。経口補水液やスポーツドリンクなどを活用し、水分とともにミネラルも補給するようにしましょう。ただし、水分補給のつもりでアルコールを飲むことはおすすめできません。アルコールでは、逆に体の水分が失われてしまいます。

熱中症は炎天下だけではなく、室内(締め切った部屋、空気の流れない、風通しの悪い高温多湿の体育館など)でも起こることがあります。真夏には我慢せずにエアコンを使いましょう。また、少しでも体がおかしいと思ったら活動をやめ、日陰や涼しい場所で休憩するようにしましょう。

参考文献

  1. [1]有賀徹ほか. “熱中症に関する用語” 日本医学会医学用語辞典WEB版.
  2. _http://jams.med.or.jp/dic/heat.html_(参照2018-01-30)
  3. [2]日本救急医学会.熱中症診療ガイドライン2015. _http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf_(参照2018-01-30)

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