プール熱(咽頭結膜熱)の症状とは

更新日:2017/04/06 公開日:2017/03/31

プール熱(咽頭結膜熱)の基礎知識

プール熱(咽頭結膜熱)は発熱や目・のどに現れる症状が特徴的といわれています。重症化するケースもあり、注意が必要です。こちらでは、プール熱(咽頭結膜熱)の症状や類似する病気などについて、ドクター監修の記事でご紹介します。

森本雅太先生

この記事の監修ドクター

森本耳鼻咽喉科 院長
森本雅太先生

プール熱(咽頭結膜熱)は発熱や目・のどに現れる症状が特徴的といわれています。通常は数日で症状が治まりますが、中には重篤な症状を引き起こすケースもあります。こちらでは、プール熱(咽頭結膜熱)の主な症状や、重症化に注意が必要な場合などをご紹介します。

プール熱(咽頭結膜熱)の症状

代表的な三つの症状と、その他の注意すべき症状などについてご説明します。

プール熱に特徴的な三つの症状

・発熱

38~40℃の高熱が出ます。発熱にともない、頭痛や食欲不振などの症状が出る場合もあります。

・咽頭炎

のどの奥に位置する咽頭部が炎症を起こし、痛みや咳などの症状が現れます。扁桃炎をともなうケースもあります。

・結膜炎

目が赤くなり、充血、痛み、目やになどの症状が現れます。

一般的な経過・症状が出るタイミング

プール熱(咽頭結膜熱)の潜伏期間は、5~7日程度といわれています。潜伏期間を経て急に高熱が現れ、同時・または後続して咽頭炎や結膜炎の症状が現れるとされています。さらに、1~2日遅れて口腔内の粘膜の充血、咽頭炎にともなう鼻水・鼻づまりなどが出るケースもあります。これらの諸症状が3~5日程度続く事が一般的です。

その他の症状

プール熱(咽頭結膜熱)の代表的な症状は発熱・咽頭炎・結膜炎が知られていますが、この他にも以下の症状が報告されています。

・下痢や嘔吐、腹痛など、胃腸の症状

・咳きこみなど、呼吸器の症状

・扁桃腺が腫れる事による、いびきや鼻づまりなどの症状

注意が必要な症状・対象者

プール熱(咽頭結膜熱)への感染に、特に注意が必要なケースがあります。以下にあてはまる対象者は、症状が重症化する危険性が指摘されています。

・乳幼児、高齢者、基礎疾患などがある人

比較的、抵抗力が弱い乳幼児や高齢者、そして免疫機能や心肺機能に影響する基礎疾患がある人に関しては、特に注意が必要です。これらの人がアデノウイルスのうち、7型と呼ばれるタイプの物に感染した場合、重症化するおそれがあります。呼吸器の症状が悪化したり、細菌による二次感染が起こる場合もあります。

・新生児

生後14日以内の新生児がプール熱(咽頭結膜熱)を発症した場合は、全身性の症状が現れるケースがあり、重篤な症状を引き起こすおそれがあります。

小児の注意事項

乳幼児、新生児に関する重症化のリスクは上述の通りです。上記とあわせて小児には以下の症状にも注意が必要です。

・発熱にともなう症状

熱の出始めの時期に、高熱によって熱性けいれんを引き起こす事があります。また、発熱が数日間持続するため、この間に脱水症状が起きないよう注意が必要です。

プール熱(咽頭結膜熱)と間違えやすい病気

プール熱と一部、症状が似ている病気についてご説明します。

・溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)によって引き起こされる感染症です。プール熱(咽頭結膜熱)と同様に、小児に好発する病気です。発熱とのどの痛みに続いて、赤く小さな発疹が全身に現れる事が特徴です。

・急性出血症結膜炎

ウイルス性の結膜炎の一種です。エンテロウイルス(70型)または、コクサッキーウイルス(A24変異型)などが病原体として知られています。白目が真っ赤になる症状が特徴的です。他の症状としては、目の痛み、かすみ、異物感などが報告されています。・流行性角結膜炎

ウイルス性の結膜炎の一種です。アデノウイルス8型や19型などが病原体として知られています。感染力の強さから、「はやり目」とも呼ばれる事が一般的です。主な症状は目の充血や目やにです。また、リンパの腫れをともなう場合もあります。

・その他

単純ヘルペス結膜炎や成人封入体結膜炎などの眼の病気がプール熱(咽頭結膜熱)と一部の症状が似ているとされています。プール熱(咽頭結膜熱)は間違えやすい病気が多いため、症状が現れたら医療機関で診断を受ける事が重要といえるでしょう。

プール熱(咽頭結膜熱)のメカニズム

プール熱(咽頭結膜熱)はアデノウイルスへの感染が原因とされています。アデノウイルスは感染力の強さが特徴的です。患者の咳・くしゃみによる飛沫感染と、患者の手や使用済みのタオルに触れる事によって起こる接触感染が主な感染経路とされています。これらの感染経路を通じてウイルスが鼻の中やのどの粘膜、口、または眼の粘膜から体内に侵入する事で発症します。

プール熱(咽頭結膜熱)の診断方法

患者の糞便、胸水、髄液などを採取してウイルスを検出する法も存在しますが、一般的には咽頭の綿棒でこすった液や鼻水などを採取する方法がとられ、診断までにかかる時間は15~30分とされています。

プール熱(咽頭結膜熱)の治療法

プール熱(咽頭結膜熱)には特別な治療法がなく、対症療法が中心となります。自然と治癒するケースが大半であるため、医療機関での診断・治療とあわせて、自宅で安静に過ごす事が大切といわれています。

急な発熱に始まり、さまざまな症状が現れるプール熱(咽頭結膜熱)ですが、通常は数日で治まるといわれています。しかし、乳幼児などの場合、症状が重症化するおそれもあります。プール熱(咽頭結膜熱)と疑われる場合は早めに医療機関を受診し、きちんと身体を休めるようにしましょう。

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