プール熱(咽頭結膜熱)の予防法とは
更新日:2018/02/06 公開日:2017/03/27
プール熱(咽頭結膜熱)の基礎知識
プール熱(咽頭結膜熱)は、感染力も強いことから予防が大事といわれています。自分自身や家族や感染したときに知っておきたいプール熱の感染経路や予防法などについて、ドクター監修の記事で詳しく紹介します。
プール熱は、特に夏期に子供の間で流行しやすいといわれています。その理由は感染経路をひも解くことでわかってきます。ここでは、その感染経路とともに、プール熱の予防に有効とされる方法について解説します。
プール熱(咽頭結膜熱)の感染経路
アデノウイルスが原因で発症する「プール熱」は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」のことで、夏期に流行しやすい感染症として知られています。「プール熱」といわれるようになったのは、プールを介して感染する可能性があるためです。主な感染経路は2つです。
飛沫感染
感染した人が咳やくしゃみをすることで唾液や鼻水と一緒にウイルスも飛び散る場合があり、それが周囲にいる健康な人の口や鼻などからウイルスが体内に侵入してプール熱を感染すると考えられています[1][2]。
接触感染
プール熱に感染した人の飛沫によってウイルスが飛び散るだけではありません。感染した人が普通に生活をしていて触れるドアノブや電気のスイッチなどにもウイルスが付着している場合があります。すると、それを介して指先や手のひらにウイルスが付着します。プールの場合、感染者がプールに入ることで水が汚染されます。これらの理由により、目の結膜や鼻をはじめとする上気道から直接ウイルスが侵入すると考えられています[2]。
プール熱(咽頭結膜熱)の対処法
プール熱を引き起こす「アデノウイルス」を起こすとされる型の多くが3型ですが、その他にも2型や4型、7型や11型などの他の型が引き起こすこともあります。感染力が強いといわれており、その期間は潜伏期の後半から、さまざまな症状がなくなるまでといわれています[2]。
これらのアデノウイルスによって引き起こされたプール熱に対する特異的治療法はないとされており、治療は対症療法がメインといわれています。したがって、プール熱が流行する時期は、いかにプール熱に感染しないようにするかが大切なのです[1][2]。
主な予防法
- 一般的な予防法
- 一番は、感染者との接触を避けることです。また、飛散や接触によるウイルスの侵入が主な感染経路とされていることから、風邪(かぜ)をはじめとする感染症と同じで、予防には流水とせっけんを使った手洗いやうがいが有効といわれています[2]。
- プールでの予防法
- 発熱やのどが痛いといったプール熱のような症状が見られる場合は、プールに入らないようにしましょう。プール前後はしっかりとシャワーを浴び、身体に付着したウイルスを洗い流します。身体をタオルで拭く場合も、自分のタオルを使うようにし、他の人と共用しないようにしましょう。
ちなみに、プールで使用するビート板の共用も接触感染のひとつとされているため、控えたほうが無難です。
消毒法
アデノウイルスへの感染を予防する方法のひとつとして、消毒も有効といわれています。ただ、消毒用のエタノールによる消毒効果は塩素性消毒薬に比べあまり期待できないといわれています。手や指に関しては、丁寧な手洗いで防ぐようにしましょう。器具は煮沸するとよく、タオルやドアノブなどの消毒であれば次亜塩素酸ソーダを用いた消毒が有効です[2]。
家庭で感染者がいる場合は、これらの方法を用いて他の家族へ感染しないように予防しましょう。
プール熱(咽頭結膜熱)は何科へ行くべきか
プール熱は、乳幼児をはじめとする子供や若い人がかかりやすいといわれていますので、子供であれば小児の内科的疾患について詳しい小児科または口腔咽頭疾患に詳しい耳鼻咽喉科を受診するのが望ましいと言えます。大人の場合は内科がよいといわれています。そもそもアデノウイルスは、発症すると38~40度程度の発熱やのどの痛みなどをともなう急性のウイルス感染症のひとつと考えられています。つまり、風邪と同じ分類に属するとされているのです。このことから、発熱や咽頭炎などの症状がメインであれば内科の受診でよいと言えるでしょう。
ただ、プール熱の主症状のひとつに結膜炎があります。これは目に起こるため、この結膜炎をはじめとする結膜症状がある場合は、眼科を受診するとよいといわれています。プール熱かなと思ったら、まずはどのような症状が現れているのかをよく観察し、病状に合わせて医療機関を受診するようにしましょう。
参考文献
- [1]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学.第5版,福井次矢ほか監修. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 1251.
- [2]国立感染症研究所. 咽頭結膜熱. 国立感染症研究所. https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/adeno-pfc/392-encyclopedia/323-pcf-intro.html(参照2017-11-05 )
この病気・症状の初診に向いている科 内科
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