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梅毒の初期症状とは

更新日:2017/04/12 公開日:2017/03/31

梅毒の基礎知識

梅毒は、少しずつ進行していく病気で、最終的には死亡する可能性があります。受診の必要性を認識できるように、梅毒の初期症状を確認しておきましょう。ここでは、梅毒の初期症状についてドクター監修の記事で解説します。

梅毒は、症状が自然に軽快するという特徴があるため、病院を受診せずに放置してしまう方がいます。重症化すると身体の重要な臓器が侵されるため、そうなる前に治療を開始する必要があります。

梅毒の初期症状

梅毒は、梅毒トレポネーマに感染することで発症する性感染症で、症状の進行によって第1~4期に分類されます。梅毒の初期は、第1~2期にあたります。

第1期

梅毒トレポネーマの潜伏期間は約3週間で、その後に感染した部位に米粒から大豆程度の硬いしこりが現れます。感染部位は性器や肛門、口などです。しこりは、すぐに消失しますが、しこりの表皮が破れることで潰瘍になる場合があります。また、大腿部の付け根のリンパ節が張れることもありますが、これも一定期間経過すると自然に消失します。

女性の場合、しこりや潰瘍は膣の入り口や大・小陰唇に現れます。男性は、亀頭、包皮の内側、亀頭と陰茎の境目にあるくびれている部分にできます。女性は自分の性器を見る機会が少ないため、症状が消失すると気にしなくなって発見が遅れるケースがあります。

第2期

梅毒トレポネーマの感染から約3か月~3年が経過した段階で、病原体が全身へと拡がります。すると、倦怠感や発熱といった風邪(かぜ)に近い症状から、脱毛や関節痛、全身のリンパ節の腫れなど多様な症状が現れます。また、全身に「バラ疹」と呼ばれる赤茶色のブツブツや赤い斑点などが皮膚や粘膜に発生します。これらも、しばらくすると自然に消失します。

梅毒が重症化した場合の症状

第3期以降は重症と言えます。

第3期

感染から3~10年が経過しており、皮下組織に大きいしこりやコブができます。このコブのことを「ゴム種」と呼びます。

第4期

感染から10年以上経過すると、脳やせき髄が病原体に侵されて、痴ほうや進行麻痺などが起こります。心臓血管系が侵されると、大動脈瘤や大動脈炎などを招きます。さらに、さまざまな臓器に腫瘍が発生することもあります。

梅毒を治療せずに放置するとどうなる

第4期にまで進行すると、最終的に死に至ることがあります。多くの場合、第3期に移行する前に治療を開始するため、梅毒で死亡するケースは減少しています。

梅毒の検査

梅毒の検査では、STS法とTP法を行います。STS法とは、梅毒に感染した際に作られるリン脂質抗体を検出する検査で、リン脂質抗体は感染後2~4週間で血液中に現れるため、梅毒の早期発見に繋がります。しかし、リン脂質抗体は他の病気でも作られるため、該当する病気を発症している場合には正確な診断が出来ません。

TP法は、梅毒トレポネーマに感染したときにだけ作られるTP抗体を検出する検査です。他の病気に反応しないため、高い精度で梅毒を診断できます。しかし、TP抗体は感染後4~6週間で作られるので、STS法と比べて診断が遅くなります。また、TP抗体が陽性になると、梅毒を治療した後も陽性が続くので、治療の進行状況の指標にはなりません。

梅毒の治療

梅毒の治療に用いられる薬は、ペニシリン系の抗生物質です。梅毒トレポネーマを死滅させる働きがあります。また、ペニシリン系の抗生物質に対する耐性株は確認されていません。治療には、内服薬を使用します。なお、ペニシリン系の抗生物質に対してアレルギーを持つ場合、塩酸ミノサイクリン(薬剤名)を選択します。治療期間は第1期で2~4週間ですが、第2期になると4~8週間もかかります。

妊婦が梅毒にかかると、胎盤を通して胎児にも梅毒トレポネーマが移行し、梅毒を発症することがあります。胎児が梅毒にかかると、早産や流産などのリスクが高まります。そのため、妊娠初期の妊婦検診では、梅毒の検査を行います。治療に使用される薬は通常通りペニシリン系の抗生物質ですが、アレルギーがある場合には、塩酸ミノサイクリンではなくアセチルスピラマイシン(薬剤名)を使用します。これは、塩酸ミノサイクリンに胎児に影響を及ぼす副作用があるからです。

治療の判定

梅毒の治療後、症状が改善したかを見るとともに血液検査でリン脂質抗体の定量地を調べます。定量地が8倍以下になっていれば、完治したと考えられます。治療後半年が経過した段階でリン脂質抗体の定量地が16倍を超える場合には、軽快に向かっていないと考えられます。もしくは、一度完治した後に再感染したと考えられます。

治療を途中でやめてはいけない

梅毒の治療を途中でやめると、治療期間が延びてしまう可能性があります。梅毒の治療開始から数時間~数日以内に、発熱や頭痛、筋肉痛といったさまざまな症状が現れるため、薬の副作用と勘違いして服薬をやめてしまう場合があります。これは、梅毒トレポネーマが急激に減少したことで起こるヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応であるため、心配はいりません。

この病気・症状の初診に向いている科 性感染症内科

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