膣カンジダの症状と原因

更新日:2017/08/22 公開日:2017/04/12

カンジダ(性器カンジダ症)の基礎知識

膣カンジダは多くの女性を悩ませる感染症であり、性行為をしていなくても発症します。ここでは膣カンジダのわずらわしい症状とその原因などについて、ドクター監修のもと解説します。正しい知識を得て、予防と治療に活かしましょう。

ヘルスケア大学参画ドクター

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カンジダとは

カンジダは真菌(かび)の一種で、もともとヒトの身体のあちこちに常に存在している菌(常在菌)です。健康体であれば免疫力が十分あるため、カンジダが悪さをしないように抑えることができます。しかし、さまざまな要因で免疫力が下がってしまい、カンジダを抑えることができなくなると、カンジダは異常に増殖して不快な症状を引き起こします。この状態を「カンジダ症」と呼びます。

カンジダ症は起こる身体の部位により色々な病名で呼ばれますが、性器に起こったカンジダ症を「性器カンジダ症」といいます。女性では膣や外陰部に炎症を起こすので「外陰膣カンジダ」と呼ばれています(ここでは省略して膣カンジダと表記します)。なお、男性では亀頭に炎症が起こることがありますが、多くはありません[1]。

膣カンジダの症状

膣カンジダを発症すると、多くの場合は陰部のかゆみに悩まされます。陰部が熱をもったように感じたり、痛みが出たり(性交時に痛みを感じることもあります)、尿が出にくく感じたりすることもあります。また、オリモノがいつもより多くなります。白くてポロポロしたようなオリモノや、ヨーグルト状のオリモノが出るのが特徴です[1]。

膣カンジダの原因

前述のとおり、さまざまな要因で免疫力が下がってカンジダを抑えることができなくなることが、膣カンジダの主な原因ですが、他にも原因はあります。下記のようなことが考えられています。

体調不良

疲労やストレスがたまったり、風邪(かぜ)を引いてしまったりしたとき、つまり体調不良時は、身体の機能が十分に働いているとはいいがたい状態です。このときは通常は常在菌の発生をおさえている免疫力が低下し、カンジダの増殖を許してしまいます。

薬や病気による免疫力の低下

糖尿病、肥満、ステロイドなどの免疫機能に影響を及ぼす薬を使用していると、免疫力の低下により膣カンジダになりやすい状態と考えられます。

抗生剤(抗菌薬)の使用

抗生剤は細菌を殺す作用を持つ薬なので、服用したり点滴したりすると、身体中の細菌が影響を受けます。この影響で、膣内の常在菌であるデーデルライン桿菌(乳酸菌の一種)などの有益な細菌が減ってしまいます。そうなると、本来であれば数のバランスがとれていたはずのカンジダが異常に増殖できる環境になってしまいます。実際に抗生剤を投与すると膣カンジダになりやすいことが分かっています。

妊婦

妊娠中は膣内の常在菌のバランスが崩れやすくなっています。そのため、妊婦も膣カンジダになりやすいと考えられます。

性交渉

カンジダに感染している相手との性行為でもうつることがあります。しかし、性行為による膣カンジダは全体の5%程度といわれています[1]。カンジダは性感染症としてのイメージが強い病気ですが、実際ではそれほどでもないのです。

膣カンジダの治療

「膣カンジダかな?」と思ったら、まずは(産)婦人科を受診しましょう。似たような症状だけれど別の病気ということもありますので、少なくとも初回は医師の診察を受けましょう。膣カンジダであると診断されたら、治療薬が処方されます。

一般的には、膣錠を膣へ1日1回挿入する治療を約1週間行います。この治療は毎日通院する必要があります。毎日通院するのが難しいようなら週1回の治療法もあります。膣カンジダをくりかえす人では内服薬が出ることもあります。これらの膣剤、内服剤と一緒に軟膏やクリームなどの外用薬を塗ることが多いようです。

陰部のかゆみやオリモノの増加といった不快な症状が治まれば、膣カンジダの治療は終了です。病院の治療を受ければ、1~2週間の治療で約9割の患者が治るといわれています[2]。

膣カンジダの予防

いったんは治療で症状がおさまっても、カンジダは常在菌ですから、免疫力低下などの条件が揃えばまた再発する可能性があります。再発を予防するためには、日頃の生活習慣に気をつけて、身体の抵抗力を落とさないようにすることが第一です。また、カンジダは温度が高く湿ったところを好みますので、締め付けが強かったり、通気性が悪かったりする下着は避け、通気性のよい下着を選びましょう。また、カンジダの増殖を防ぐためには陰部の清潔を保つのは大事ですが、刺激の強い石けんを使って力を入れてゴシゴシと洗うのは、ただでさえデリケートな部分を傷つけることにもなりかねません。ビデなどを使った膣内洗浄はデーデルライン桿菌を洗い流してしまうことになりますので、過度の使用は控えましょう。

参考文献

  1. [1]日本性感染症学会.”性感染症 診断・治療ガイドライン2016” http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf(参照2017-08-22)
  2. [2]日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.“カンジダ外陰膣炎の診断と治療は?”産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2014. http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2014.pdf(参照2017-08-22)

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