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膣カンジダを市販薬で治すには?効かない原因は?

更新日:2018/02/07 公開日:2017/04/12

カンジダ(性器カンジダ症)の治療法・治し方

膣カンジダになると、陰部がかゆくなり、おりものの状態も変化します。できれば誰にも知られずに市販薬で治したいかもしれません。しかし、それができるのは、ある条件を満たした人だけです。ここでは、膣カンジダの市販薬について解説します。

短くポイントをまとめると
膣カンジダの市販薬は、過去に医師から診断を受けた人しか使ってはいけない
膣カンジダの膣錠や塗り薬は薬剤師しか売ることができない。飲み薬は医師の処方が必要
3日間使用しても症状の改善がみられないか、6日間使用しても症状が消失しない場合は病院へ

悩む女性のイメージ写真

膣カンジダを発症すると、陰部に強いかゆみが起きて、おりものの状態も変化します。デリケートな部分ですから、できれば誰にも知られずに市販薬を使って自分で治したいと思う人が多いでしょう。しかし、このような対処法をしていいのは、ある条件を満たした人だけです。ここでは、膣カンジダを治す市販薬について、ドクター監修のもと解説します。

膣カンジダを市販薬で治していい条件

膣カンジダの市販薬にはすべて「膣カンジダの再発治療薬」と書いてあります。この意味するところは、初めて膣カンジダにかかった人は使ってはいけないという意味です。では、2回目以降なら使っていいかというと、そうでもありません。過去に最低1回は、医師に「膣カンジダである」と診断してもらっていないといけません。その理由は大きく2つあります。

理由(1)膣カンジダでない可能性がある

まず一つ目の理由は、本当に膣カンジダによる症状であるかどうかハッキリしないという点です。膣カンジダになると、下記のような症状がよく出ます。

  • 膣や外陰部が非常にかゆくなる
  • ヒリヒリ感(灼熱感)や痛みを感じる
  • 陰部は赤くなって、腫れている
  • おりものの量が増える
  • おりものの色は白~黄色
  • おりものはヨーグルトやカッテージチーズ、酒粕、紙くずのようにポロポロした状態になる

ただし、これらの症状は膣カンジダに特有のものではなく、他の病気でも似たような症状が起こります。例えば、カンジダではない別の細菌による膣炎でも陰部のかゆみが起こります。また、おりものに変化が起こる病気は膣カンジダ以外にもあります(詳しくは『膣カンジダはおりもので分かる?色や量、においは変化する?』をご覧ください)。さらに、排卵日の前後や月経の前には自然とおりものの量は増えますが、これは病気ではありません。

膣カンジダであるかどうかは、産婦人科医や内科医が診察しないと確定することはできないのです。

理由(2)膣カンジダでない場合に市販薬を使うとデメリットがある

もし、本当は膣カンジダでないのに、自己判断で市販の膣カンジダの薬を使ったとしましょう。その場合は3つのリスクがあります。

  • 治療が効かないリスク(カンジダが原因でないので、効かないのは当然です)
  • 病院で正確な判断ができないリスク(カンジダを薬で殺してしまっているので、検査をしても結果が出ず、原因がカンジダだったのかどうなのか判断することができない)
  • 本来の病気に対する治療が遅れるリスク(正確な診断ができないので、本当の病気を見抜いて適切な治療をするまでに無駄な時間がかかってしまう)

不快な陰部の症状を自分で早く治したいという気持ちは分かりますが、病院に行かずに自己判断で市販薬を使い始めてしまうことはデメリットが多くあります。ですから、膣カンジダの市販薬はすべて「再発治療薬」なのです。初めて膣カンジダにかかった可能性がある人は、なるべく早めに産婦人科や内科を受診しましょう。

膣カンジダを市販薬で治すには?

過去に医師に「膣カンジダである」と診断してもらったことがある人は、再発したときにそれが膣カンジダであると自己判断できます。もちろん再発時も病院に行くことが最もよい選択肢ですが、市販薬を買って対処することもできます。

どこで買える?

膣カンジダの市販薬はすべて「第一類医薬品」という区分になっています。これは、薬剤師からしか買うことができません。薬局やドラッグストアで薬を売ってくれるのは、薬剤師か登録販売者ですが、第一類医薬品は薬剤師しか取り扱いができないという決まりになっています。このように厳重に扱われているのは、前述した理由がありますので、膣カンジダの再発でない人に売らないようにするためです。

どんな種類がある?

市販されている膣カンジダの薬には、膣の奥に挿入する膣錠と塗り薬があります。膣錠には下記のような種類があります[1]。いずれもカンジダを殺す作用のある成分が配合されています。

  • エンペシドL(主成分:クロトリマゾール)
  • オキナゾールL100(オキシコナゾール)
  • フェミニーナ膣カンジダ錠(オキシコナゾール)
  • メディトリート(ミコナゾール)
  • メンソレータムフレディCC膣錠(イソコナゾール)

また、市販されている膣カンジダの塗り薬は、下記のような種類があります[1]。おりものの異常など、膣内の症状がある場合は、塗り薬だけでなく膣錠と併用する必要があります。

  • メディトリートクリーム(主成分:ミコナゾール)
  • メンソレータムフレディCCクリーム(イソコナゾール)

なお、膣カンジダを治すための飲み薬もありますが、これは医師しか処方することができません。飲み薬による治療を希望される方は、病院を受診する必要があります。

値段はどのくらい?

膣カンジダの市販薬の値段は、膣錠はすべて6個入りで2800円くらいです。塗り薬は1200円くらいで買えます。

膣カンジダの市販薬が効かない、治らない場合は?

市販薬の取り扱い説明書には「1日1回1錠を6日間毎日続けて使用する。ただし、3日間使用しても症状の改善がみられないか、6日間使用しても症状が消失しない場合は医師の診療を受けること」と記載されています。

6日間きちんと治療を続けても効かない場合は、実は膣カンジダでなかった場合や、悪さをしているカンジダの種類が少し違う可能性、膣カンジダになりやすい生活環境や病気があって治りにくいということなどが考えられます[2]。また、市販薬を使って6日間で治せている人でも、しつこく再発する場合はやはり何らかの理由が隠れている可能性があります。病院に行って、きちんと調べてもらうことをおすすめします。

膣カンジダの市販薬は男性でも使える?

膣カンジダは女性の病気ですが、男性も同じように性器にカンジダが感染することで亀頭炎や尿道炎を起こすことがあります。ただし、発症する頻度は女性より男性の方がずっと少ないです。

膣カンジダは性行為でもうつる可能性はありますが、性交が原因で感染するのは全体の約5%と少ないことがわかっています[2]。パートナーが膣カンジダになったとしても、必ずしも男性の方も治療が必要とは限りません。心配なようなら病院(泌尿器科など)に行きましょう。カンジダの検査を行い、陽性であれば塗り薬が処方されるかもしれません。

このとき、病原体が同じなのだからといって、病院に行かずに女性用の膣カンジダの市販薬を使うことはやめましょう。なぜなら、カンジダによる亀頭炎や尿道炎を起こす男性には、包茎や糖尿病、免疫が抑制されているといった特別な背景がある場合が多く、自己判断で治療すべきではないからです。

まとめ

病院に行くのが恥ずかしかったり、忙しくて行けなかったりするときに、薬局ですぐに買える市販薬は非常にありがたいものです。しかし、膣カンジダの場合は過去にきちんと診断を受けた人しか使ってはいけません。また、6日間治療して症状がなくならない場合は、病院に行く必要があります。便利な市販薬を効果的に使うために、薬の注意書きに従って正しく使いましょう。

参考文献

  1. [1]日本OTC医薬品情報研究会編. OTC医薬品事典 第15版. じほう2016; 471-472
  2. [2]日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン2016, 日性感染症会誌 2016; 27(1): 86-90

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