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坐骨神経痛の原因にはさまざまな病気が存在する

更新日:2017/04/06 公開日:2017/04/06

坐骨神経痛の基礎知識

腰からお尻や太ももにかけての痛みや痺れの総称である「坐骨神経痛」は、腰椎椎間板ヘルニアをはじめさまざまな病気の症状として現れます。今回は坐骨神経痛の原因となる病気についてドクター監修の記事でお届けします。

坐骨神経痛は症状であって病名ではない

腰やお尻、太ももの裏や外側の痛みや痺れを坐骨神経痛といいます。坐骨神経とは、腰椎の脊柱管を通る神経から横方向に枝分かれした神経根が束になり、ひざまで延びている神経のことです。坐骨神経痛とはこの神経が圧迫されるなどして障害が起きている状態を指します。坐骨神経はひざから下ではいくつかの神経に枝分かれして足の先まで広がっているため、ひざより先で痛みを感じる場合も坐骨神経痛に含めています。

坐骨神経痛は神経に障害が生じている状態を指す症状であり、病名ではありません。ある病気になったとき、症状として坐骨神経痛が現れます。坐骨神経痛を引き起こす病気にはさまざまなものがあります。

坐骨神経痛をともなうさまざまな病気

坐骨神経痛の原因となる病気のうち、いちばん多いのは腰椎の神経根や馬尾(ばび)(脊柱管の中を走る神経の束)が圧迫されるものです。これらの神経が圧迫される病気には以下のようなものがあります。

・腰椎椎間板ヘルニア

腰椎の骨と骨の間にある椎間板が傷つき、その内部にある髄核の一部が飛び出る病気です。髄核が神経を圧迫します。

・腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

背骨を構成する骨や関節、靭帯が分厚くなるなどして腰椎の脊柱管が狭くなる病気。中を通る神経が圧迫されたり損傷を受けたりします。

・腰椎変性すべり症

歳を重ね、腰椎がずれる病気。ずれた腰椎が神経を圧迫・刺激します。

・腰椎分離すべり症

若いころに起きた疲労骨折などが原因で脊椎後方部分の骨が分離する病気。分離した部分にできた骨や組織が腰椎の神経根を圧迫します。

・馬尾腫瘍

腰椎の神経、特に馬尾(脊柱管の中を走る神経の束)にできる腫瘍。腫瘍がまわりの神経を圧迫します。

・腰椎腫瘍

腰椎に生じた腫瘍、または他から転移した腫瘍。腫瘍が神経を圧迫します。

ほかにも腰以外の整形外科の病気や泌尿器の病気、子宮筋腫、坐骨神経がウイルスに冒される帯状疱疹、精神疾患なども坐骨神経痛を伴います。変形性股関節症にともなう股関節の炎症など、坐骨神経に障害が見られないがそれと似た痛みを発症するものも坐骨神経痛と呼ばれることがあります。

また、脊椎全体の動きが悪くなり、発症から10~20年で脊椎が動かなくなってしまう強直性脊椎炎にも坐骨神経痛が現れます。日本でこの病気にかかる確率は0.006%といわれるまれな病気ですが、原因も治療法も解明されていません。

坐骨神経症を発症する病気の検査・診断

先に見たように坐骨神経痛を引き起こす病気はさまざまであり、まずはどの病気かを特定する必要があります。医師による問診や検査を経て、病名が特定されます。

問診では腰や四肢の痛み・痺れの状況、歩行状況、四肢の感覚などを確認します。腰椎に原因があることが多いのでX線検査やMRI、筋電図検査などを行い、病名が判明すればそれぞれの病気に合わせた治療を開始します。

坐骨神経症を発症する病気の治療法

腰椎の神経が圧迫される腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合、共通の治療法として保存療法と手術があります。

・保存療法

手術せずに治療をする方法です。消炎鎮痛剤(痛み止め)や血行を促進する薬を飲んで症状を和らげます。最近では、リリカやサインバルタといった神経障害に効果のある薬も効果的です。痛みがなかなか治まらない場合は神経ブロック注射を打つこともあります。また、コルセットを装着して腰を動かさないようにしたり、湿布や塗り薬を使って炎症を抑えたりもします。脚や腰を温めて血行を促進することも治療に有効です。痛みが軽くなってきたら、牽引や運動器具を使ったリハビリをとり入れることもあります。

・手術

保存療法でも症状が改善されない場合、または排尿障害があるときは手術を行うことがあります。手術によって腰椎の神経を圧迫する要因を取り除くもので、腰椎椎間板ヘルニアなら飛び出している髄核の除去、腰部脊柱管狭窄症なら狭くなった脊柱管を広げます。

具体的な治療の計画や方法は病気によって異なります。坐骨神経痛の症状が現れると、腰椎の神経障害を引き起こす病気になっているケースが多いのですが、腫瘍やウイルスなどまったく異なる病気にかかっている可能性もあります。腰やお尻、脚の痛みや痺れが長引くようなら整形外科で診察を受けるようにしてください。

腰の筋肉・動きに注意して坐骨神経痛を予防

坐骨神経痛を引き起こすいちばんの要因として、腰椎の神経障害があげられます。日常生活の中で、中腰や椅子に浅く腰掛けるといった腰に負担がかかる姿勢を避け、腰が身体を支える力を高める運動を続けることも完全な予防にはなりませんが、大切です。

ただし、先に見たように坐骨神経痛は腰以外の部分に由来するものもたくさんあります。すべての坐骨神経痛を予防することは難しいと考えておいてください。

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