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正しく知りたい痔の基礎知識

更新日:2017/04/24 公開日:2017/04/24

痔の基礎知識

痔には切れ痔やイボ痔があることはしっているが、細かいことはわからない人が少なくないようです。いつ、誰がなってもおかしくない痔について、基礎的なことをドクター監修の記事で解説します。

痔といえば、肛門からの出血や痛みを想像しがちです。しかし、痔の持ち主が多いといわれる日本人であっても正しい痔の基礎知識を持っているとは限りません。この機会に確認してください。

痔とは

痔とは、日本人の3分の1が患っていると考えられている、肛門部およびその周辺に生じる疾患の総称です。ただ、場所が場所だけに痔を持っている可能性がある人がすべて医療機関を訪れるわけではないようです。そのため、患者数や症例データなど、痔の全容は解明されていない部分があると言えるでしょう。また、男性よりも羞恥心が強いと考えられる女性が受診しやすいように工夫する医療機関もあります。

痔の代表的なものが、よく耳にする「切れ痔」や「イボ痔」です。切れ痔とイボ痔を専門的に言えば、裂肛と痔核です。痔には、この2つに痔廔(痔ろう、あな痔とも呼びます)を加えた3種類があります。また、あな痔以外の多くは手術するまでもなく治療が可能なものです。

痔の症状

痔の症状は、タイプによって異なります。

裂肛(切れ痔)の症状

肛門の一部が切れているか裂傷があるタイプの痔です。傷がある状態のため、出血に加えて痛みを生じることがあります。初期には、便を排出するときに症状がでることが多いとされています。

痔核(イボ痔)の症状

痔核には内痔核と外痔核があります。この2つをあわせて、他のタイプの痔よりも多い代表的な痔とされています。内痔核は肛門の内側に、外痔核は肛門の外側にできるものです。

<内痔核の症状>

内痔核は一種の静脈瘤であり、症状は進行度によって4つのレベルに分けられています。

  • 1度:排便時に出血は認められるが、痔核の脱出は認めない。
  • 2度:排便時に痔核の脱出が認められるが、自然に元に戻る。
  • 3度:排便時に脱出した痔核が、指で押さないと元に戻らない。
  • 4度:排便時であるか否かを問わず、脱出した痔核が元に戻らない。

度数が上がるにしたがって、痛みや出血が酷くなります。

<外痔核の症状>

外痔核は血栓がしこり状となったもので、血栓性外痔核とも呼びます。内痔核よりも出血が少ない反面、痛みが多くて強いことが特徴です。内痔核が排便を契機にしているのとは異なり、いつでも症状がでる可能性があります。また、しこりができるため、手で感触を確かめることができます。

痔廔(あな痔)の症状

痔廔は、別名のとおり肛門に穴のような開口部ができてしまう痔で、4つのタイプに分類することができます。症状としては、膿が随時でることと肛門周囲が硬く触れ、感染が著明になると激しい痛みに見舞われることが特徴です。

痔の原因

痔の主な原因として便秘がしられていますが、それだけではありません。種類別に原因を見てみます。

裂肛の原因

裂肛は、水分の少ない硬い便を排出する際の加圧が主な原因となって生じます。肛門上皮は裂傷ができやすい組織のため、裂肛になりやすいと言えます。そして、便が硬くなる原因として最大のものが便秘です。また、便秘になるといきむ度合いも増すために裂肛を起こしやすいです。意外なことに、下痢が原因となることもあります。下痢が慢性化すると、多くの水分を含む便によって裂傷ができやすくなるためです。

痔核の原因

痔核は、裂肛同様に排便のためのいきみや、長時間座っていることが多くなる職業などが痔核の原因と考えられています。トイレ1回あたりの時間が20分以上と長い場合は、便秘の可能性が高く、いきむ回数も多くなるでしょう。それが痔核の原因となるのです。それ以外では、妊娠出産による圧迫やいきみなども原因となり得ます。

痔廔の原因

痔廔は、肛門にある歯状線と呼ばれるところにある小さな穴に便が入りこみ、細菌感染することで起こります。はじめにできるのは、肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)と呼ばれる疾患です。進行すると、膿が流れでる穴ができてしまいます。細菌感染を起こす要因としては、免疫力の低下が考えられます。

痔の治療

痔の治療を種類別に確認しておきます。

裂肛の治療

裂肛の場合は、座薬や塗布薬の他、便の状態を改善するための内服薬による薬物療法で治療を行います。同時に、正常な排便を取り戻すための生活習慣の改善が必要です。ただし、慢性となって繰り返し発症する場合や、肛門の狭窄が生じてしまった場合には手術を行うことがあります。

痔核の治療

痔核の場合も、薬物療法がメインとなります。生活習慣の改善が必要な点も裂肛と同様です。内痔核の場合、3度以上になると手術を検討するといわれていますが、可能な限り保存療法が優先されます。

痔廔の治療

3種類の痔の中で、唯一、手術が不可欠とされるのが痔廔です。手術をしないでおくと、症状が進んでしまいます。また、がん化するリスクもあるため、手術が大前提とされています。

痔の予防(日常生活での留意点・再発予防)

痔の発生原因を見てみると、生活習慣の改善で予防や再発防止をできる部分が大きいことがわかります。

以下に必要な対策を列挙します。

  • 便秘や下痢をしないように食生活を改善し、水分と食物繊維を十分に摂取することと刺激物を控えること。
  • 排便を我慢せず、トイレの時間を短くしていきむことを避ける。
  • 運動不足を避けること。
  • 長時間にわたる座りっぱなしや立ちっ放しをしない。
  • 肛門周辺の清潔を保つ。ただし、洗いすぎは駄目。

その他、健康によいとされる生活習慣を身につけることで、痔のリスクを減らすことができるでしょう。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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