痔は自然治癒するの?

更新日:2017/04/06 公開日:2017/04/06

痔の検査・治療

もし痔になった場合には医療機関で治療する必要があるのでしょうか。痔には自然治癒する場合もありますが、悪化や、再発することもあるため、注意が必要です。そこで今回は、痔の自然治癒について、ドクター監修の記事で解説します。

痔には、イボ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔瘻の3種類に分類されます。そのうち、自然治癒しやすいとされているのが、イボ痔と切れ痔です

痔は自然治癒する?

一般的に、痔は、自然治癒するものではありません。しかし、軽度の症状であった場合には、人間が本来持っている自然治癒力に加えて、生活習慣を改善することで症状が軽くなることもあります。特に、痔の中でも切れ痔とイボ痔のうち、外核痔は自然に治る場合もあります。

切れ痔

初期の切れ痔は、肛門が切れてもすぐに自然に治ります。特に、小さな子供の切れ痔は自然に治りやすいとされています。しかし、一度切れ痔を発症してしまうと、再発をくりかえしやすい病気でもあります。自然治癒で痛みがなくなったとしても、完全な治療は行えていません。排便時に大きかったり硬さのある便が通過することで、治った傷がより深く切れてしまったり、慢性化したりします。また、切れ痔をくりかえすことで、肛門付近の筋肉が硬くなり、肛門が小さくなっていきます。皮膚も刺激を受けやすい状態になるため、少しの原因で切れ痔が再発してしまうのです。このような悪循環に陥ってしまった場合には、手術で治療するほうが早期に症状を改善することができます。

イボ痔

イボ痔のうち、肛門の外側にできる外核痔は生活習慣を改善することで、1週間前後で自然治癒することが多いです。しかし、症状が悪化すると、イボの中に血が溜まってしまい、大きな塊となることもあります。この場合、血栓性外核痔と呼ばれる症状になり、痛みや腫れがひどくなってしまいます。そのため、外来で血栓を除去することが必要になることもあります。一方、肛門の内側にできる内核痔の場合も、初期状態であれば、医療機関でも薬物療法とともに生活習慣の改善を図ることで治る場合が多いです。しかし、症状が進行した場合には、肛門の外にイボが出てくる脱肛という状態になります。イボが大きくなるだけでなく、出血がひどく貧血症状を起こすこともあるため、イボを直接切除するなどの手術が必要になってきます。

自然治癒する痔の特徴

切れ痔

切れ痔とは、肛門にある歯状線という部分より外側の皮膚に、縦の切れ目や裂け目などの傷ができることです。切れ痔は、排便時の硬い便や勢いのある下痢が通ることで起こりやすくなります。また、不規則な生活によって直腸や肛門の血液循環が悪くなることも原因とされています。排便時と後に強い痛みを感じるのが代表的な症状で、出血もみられます。

イボ痔

イボ痔は、3種類ある痔の中でも、もっともなりやすいタイプとされています。イボができる場所によって2種類に分類されます。

外核痔は切れ痔と同様に、肛門の入り口付近の歯状線の外側にイボがあらわれるイボ痔です。そのため、指で触って確認することができます。また、外核痔は知覚神経の通っている皮膚部分にできるため、痛みを感じます。そして、さらに症状が進行すると、強い痛みと腫れのある血栓性外核痔へとつながります。

一方、内核痔は、肛門の内側の粘膜にイボができます。外核痔との違いは、知覚神経の通っていない場所にイボができるため、痛みを感じないということです。しかし、気づかないうちにイボが大きくなっていくと、肛門の外側へと突出してきます。初期の脱肛であれば指で押し込めば戻る程度ですが、進行すると肛門の中に戻らなくなるため、日常生活で差し支えたり、痛みを感じたりするようになります。次第に出血も多くなっていき、動機や息切れをともなる貧血症状もあらわれてきます。

イボ痔の原因は、肛門に負担がかかり血液循環が悪くなって血管が腫れるためです。便秘や下痢のほか、排便時に長く便座に座っていたり、力を入れすぎてしまったりすると起こりやすくなります。

自然治癒した痔を再発させないために

痔は、自然治癒や医療機関で治療をしても、再発してしまうことが多い病気です。症状が治った場合にも、再発防止のために注意が必要です。

肛門に負担をかけない

痔は、肛門に関わる病気であるため、肛門に負担をかけないようにすることが大切です。排便時には、長時間便座に座り続けると、肛門が開き続けるため、負担がかかります。排便の時間は3~5分程度にとどめましょう。排便時以外も長時間同じ姿勢を取らないようにすることも大切です。座りっぱなしや立ちっぱなしが続いてしまうと、肛門の筋肉が緊張して血行が悪くなるため、日頃から気をつけるようにしましょう。

また、一度の排便による便が大きくなったり、量も多くなったりすると、肛門への負担がかかってしまいます。直腸は便の水分を吸収して硬い便にもさせます。そのため、便を我慢しすぎないようにもしましょう。

食生活を見直す

便秘や下痢も痔の原因につながります。そのため、バランスのよい食生活を心がけて、便の状態を改善するようにしましょう。水分補給をして便が硬くなることを防ぐ、食物繊維を摂取して便を出しやすくする、便意が起こりやすい朝に食事を欠かさないなどが便秘解消に有効です。食事の際には、乳酸菌やオリゴ糖で腸の働きを整えると効果的です。一方、香辛料やアルコールは、下痢の原因になりやすいため注意しましょう。

生活習慣の改善

そのほか、日々の生活の中で血液循環をよくすることも痔に有効です。特に、肛門の血行はイボ痔に関係しています。排便時には温水洗浄式の便座を利用したり、入浴時にはお湯につかったりすることで、お尻が温まり血行が改善されます。ただし、トイレの洗浄機能やシャワーの勢いや温度には注意しましょう。また、軽い運動やストレッチも血行改善に有効です。冷え性の方や気温が寒い場合は、意識して身体を動かすようにしましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

今すぐ読みたい