痔の治療で使われる薬とは

更新日:2017/04/06 公開日:2017/04/06

痔の検査・治療

痔といっても種類や症状によって治療薬が異なります。また、薬にも市販のものと処方されるものとで効果など特徴も異なるため、注意が必要です。そこで今回は、痔の治療に有効な薬についてドクター監修の記事で解説します。

肛門に発症した痔に対しては、薬物療法を行うことで症状を改善させることができます。その場合に用いられる薬とは、どのようなものなのか詳しく見ていきましょう。

痔における治療薬の役割とは

痔の治療では基本的に薬物療法が行われます。痔の治療薬には、主に痛み、出血、腫れを緩和される効果があります。軽度の痔であれば、ほとんどが症状を改善できるとされています。しかし、痔によって日常生活に差支えが生じたり、出血による貧血症状がひどくなったりするなど、治療薬だけでは完治できない場合もあります。また、化膿をくりかえしたり症状が固定した痔ろう、大きくなったり肛門の外側にあらわれる脱肛が起きたイボ痔の場合には、手術などの治療法が用いられることがあります。

病院で処方される薬と市販薬の違い

痔の治療薬には、医療機関で処方される薬、ドラッグストアなどで販売している市販薬の2つがあります。医療機関で処方される薬が、病状に合わせた薬を医師が適切に処方してくれます。一方、市販薬は手軽に手に入れることができ、一般的な痔に対して成分の配合が誰もが使用して問題ないように調整されています。症状によっては薬の効果があらわれにくくなるということがあるのです。そのため、市販薬では、症状によってはあまり効果があらわれない場合もあります。また、痔は直腸がんと間違えやすい症状があらわれます。そのため、医師の診断なしに、自分勝手に薬を使用してしまうと見逃してしまう恐れもあります。場合によっては、痔でも治療に手術が必要なこともあります。市販薬の使用には注意が必要といえるでしょう。しかし、急な痛みや出血が夜中に起きたり、遠くへの外出時に症状があらわれたりした場合には、すぐに医療機関で受診することも難しいでしょう。そのような場合のみ、一時的に症状を抑えるものとして使用するようにしましょう。

痔の治療で使用される主な治療薬について

痔の薬には、坐薬と塗り薬の外用薬、飲み薬の内服薬があります。痔の種類や症状に合わせて使い分けられます。

坐薬

坐薬は切れ痔やイボ痔の治療に用いられることが多いです。坐薬は肛門に挿入して使用する薬ですが、挿入しやすい紡錘形をしていて、やわらかい固形になっています。肛門内に坐薬が入ると、次第に溶けていき、肛門の皮膚や内部の粘膜をカバーします。そのため、痛みや出血といった痔の症状を緩和させてくれる効果があります。特に、患部に直接作用するため、効果が速くあらわれるということが特徴です。また、便が通過しても患部が刺激を受けにくくなるため、日々の排便時の悩みも解決してくれます。

塗り薬(軟膏、クリーム)

塗り薬には、肛門の周囲に塗るタイプと、坐薬のようにチューブを肛門に挿入して中の薬を注入するタイプがあります。便からの肛門への刺激を和らげて負担を軽くするため、痛み、出血、腫れに効果があります。坐薬と同じ効果ですが、発症した部分によって使い分けがされます。坐薬では肛門の内側にある切れ痔やイボ痔の治療に用いられますが、肛門の外側にできた痔には対応できません。そうした場合に、塗り薬が用いられます。また、塗り薬でも、ステロイド系と非ステロイド系と、含まれている成分によって種類が異なります。痔の種類、特徴、発症した部分によって、使い分けがされます。

内服薬(飲み薬)

痔の薬物療法では、坐薬や塗り薬のように直接患部に作用するものだけでなく、内服薬での改善も試みられます。内服薬では、便秘対策として緩下剤で便を柔らかくしたり、消炎薬や抗生物質で痔による炎症を抑えたりするものなどがあります。医師と相談して、日々の排便習慣や症状に合わせた薬を処方してもらうようにしましょう。

痔の治療薬を使用する際の注意点と安全性

ステロイドが含まれる治療薬に注意

痔で使用される塗り薬にはステロイドが含まれるものがあります。ステロイドは痔への効果が高いとされているものの、長期間の使用は避ける必要があります。これは、皮膚のびらんやカンジダなど真菌(カビ)による真菌症を引き起こすおそれがあるためです。

また、ステロイド以外では、トリベノシド製剤という外用薬と内服薬の併用にも注意です。これらの併用は、血中濃度を高める場合もあります。ステロイドもトリベノシドも、医師の指示通りに使うようにしましょう。

薬の保管方法にも注意

医療機関で薬を処方されたり、自分で市販薬を購入したりした際には、保管方法にも注意してください。一般的な薬と同様に温度変化の少ない場所で保管して、添付文書に記載された使用期限を守りましょう。また、坐薬に関してはとけやすいため、冷蔵庫で保管するとよいです。ただし、冷凍庫を使用すると固まりすぎるため注意が必要です。

医師から処方された薬でも完全に安心できるとは限りません。特に、塗り薬の油が浮いているなど異常がみられる場合には、使用を避けたほうがよいでしょう。また、再発した痔に対して以前の処方薬の使用も避ける必要があります。同じ痔でも種類や症状によって効果のある薬が異なります。再度、医師に診断してもらうようにしてください。

市販薬の使用は2週間まで

一時的な対応として市販薬を使用する場合には、2週間以上使い続けないようにしましょう。炎症や化膿がある痔にステロイドが含まれている市販薬を使用すると、強い副作用や症状の悪化を招くこともあります。痔の治療では、症状によって効果のある薬は異なるため、どうしても市販薬を購入する際には薬剤師への相談をしておきましょう。特に、痔ろうの場合には医療機関での治療が必要になり、もしかすると痔以外の病気であるかもしれません。あくまで一時的なものとして使用し、2週間程度の使用で症状が改善しない場合には、すぐに専門の医療機関で受診するようにしましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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