少なすぎてもリスクになる 体脂肪の役割と基準値とは

更新日:2017/07/07 公開日:2017/03/31

体脂肪率の基礎知識

全身に存在する脂肪は、身体に必要なエネルギー源のひとつであり、総称して「体脂肪」と呼ばれています。体脂肪の働きや多すぎたり少なすぎたりすることで招く可能性がある影響について、ドクター監修の記事で解説していきます。

体脂肪を推定することができる体脂肪計などが普及し、健康管理の目安のひとつとして体脂肪を計測する人も増えているといわれています。正しく管理するためにも知っておきたい体脂肪のことや、多すぎたり少なすぎたりすることで起こり得る健康への影響についてご紹介します。

体脂肪とは

身体の中を占める脂肪を「体脂肪」と言います。耳にすることが多い「体脂肪率」は、その比率といわれています。美しい体型を維持するためには、体重よりも正常とされる体脂肪の割合をキープすることが重要といわれるほどです。

体脂肪は、骨や筋肉、内臓といった成分同様、人間の身体を構成するひとつの成分といわれています。年齢や性別にもよりますが、20%前後の脂肪が理想とされています。この正常とされる数値を逸脱することで、病気を招くきっかけとなるだけでなく、女性の場合は低すぎると妊娠しにくい身体になってしまい、妊娠する可能性を低下させてしまうことがあると考えられています。

男女別の体脂肪率の判定基準

体脂肪のつき方は男女で違いがあるといわれており、性別によって判定基準も異なるといわれています。

男性 5.0~9.9%、女性 5.0~19.9%

男性 10.0~19.9%、女性 20.0~29.9%

男性 20.0~24.9%、女性 30.0~34.9%

男性 25.0%以上、女性 35.0%以上

  • 低い
  • 標準
  • やや高い
  • 高い

ただ、体脂肪率を測定する方法によっては、水分量や骨格筋量の影響を受けて誤差が生じる場合があるとされているため、あくまでも目安としてとらえるようにしましょう。

体脂肪の働き

脂質は三大栄養素のひとつで、タンパク質や炭水化物同様、広く知られています。食事によって体内にとり込まれた脂質は、主に小腸で消化されるといわれています。脂質を大きく分けると、中性脂肪をはじめとする単純脂肪、コレステロールや脂肪酸などの誘導脂質、リン脂質を代表とする複合脂質の3つがあります。これらは、さまざまな過程を経てエネルギー源となるだけでなく、細胞膜を形作る成分やさまざまな生理活性物質の原料となるといった働きがあるといわれています。

ただ、脂質が余ると中性脂肪となって体内に蓄えられると考えられています。このことから、多くとりすぎることで肥満につながり、生活習慣病を引き起こす原因になるといわれています。

体脂肪の種類

体脂肪は、内臓のまわりに蓄積される「内臓脂肪」と皮膚の下に蓄積される「皮下脂肪」の2種類あります。いずれもエネルギー源となるとされていますが、同じ脂肪でも異なる性質を持ち合わせているといわれています。

外からは把握しづらい内臓脂肪は、内臓のまわりの腸間膜(ちょうかんまく)という部分に蓄積するとされています。主に、内臓を正しい位置に留め、クッションのような役割を担っていると考えられており、日々の活動に必要なエネルギーを迅速に出し入れすることから、普通預金にたとえられることが多いです。女性よりも男性に多く、リンゴのような体型になることから内臓脂肪型肥満は「リンゴ型肥満」と呼ばれることがあります。

皮下脂肪に比べると内臓脂肪は蓄積しやすいといわれていますが、代謝が早い特性があるため、食事を制限したり、運動をしたりするだけで、比較的減りやすいとされています。

腕や太もも、腰まわりなど、実際につまむことができるといわれているのが皮下脂肪です。体温を保ったり、外的な衝撃をやわらげたりする役割があると考えられています。普通預金にたとえられる内臓脂肪に対して、摂取したエネルギーを長期的に蓄積させることができることから、定期預金にたとえられることが多いです。内臓脂肪とは逆で、女性に多く見られ、下半身に脂肪がつきやすいことから洋ナシのような体型になるといわれています。そのため、皮下脂肪型肥満は「洋ナシ型肥満」と呼ばれることがあります。

  • 内臓脂肪
  • 皮下脂肪

体脂肪が健康に及ぼす影響とは

脂肪は、内臓のまわりや皮膚の下だけでなく、筋肉や骨、血液などにも存在すると考えられていることから、それらを総称して「体脂肪」といわれています。そのため、見た目や体重に異変がみられなくても、内臓脂肪のように見えない部分で脂肪がついている可能性があります。体重が標準なのに体脂肪率が高いケースは、「隠れ肥満」と呼ばれ気づきにくいことから、知らない間に健康に被害を及ぼしていることもあるといわれています。また、脂質異常はその危険因子を持たない人に比べて心疾患を発症するリスクが約5倍もあるといわれており、軽視できないものといえるでしょう。

多い場合

体脂肪が多いと肥満になるだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を招いたり、すでに発症している場合は悪化させたりすると考えられています。また、脂質異常症になり、心疾患の発症リスクを高めてしまう可能性もあるといわれています。

少ない場合

体脂肪は少なすぎてもよくないとされています。それは、見た目の美しさにもかかわる皮膚や髪の毛などのハリやツヤが失われたり、ホルモンの分泌異常によって体調不良を引き起こしたりする可能性があるからです。また、女性の場合は、妊娠すると胎児を守るために脂肪をため込むようになっているといわれています。しかし、脂肪がなければ脳が妊娠の準備ができないと判断してしまい、妊娠しにくい身体になるといわれています。

多すぎず少なすぎない、適正とされて体脂肪をキープするよう心がけましょう。

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