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乾皮症/皮脂欠乏性湿疹について詳しく解説

更新日:2017.03.29
公開日:2017.03.29
ドクター画像
この記事の監修者
いなばクリニック 院長 稲葉岳也

肌が乾燥してかさかさし、白い粉を吹いたような状態になった場合、それは「乾皮症」と呼ばれる症状かもしれません。放置すると日常生活にも支障が出てしまう乾皮症について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

皮膚の正常なバリア機能が失われてしまうことで肌が乾燥し、角質がはがれている状態を乾皮症と診断されることがあります。別名、皮脂欠乏性湿疹とも呼ばれる乾皮症について、症状や原因、対策法などを解説します。

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹の症状

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹は、皮膚ががさがさしていたり、白い粉のようなものが出てきたり、ひび割れなどで痛みを感じるような症状を指します。

通常の肌はバリア機能が働いているため異常が起きづらい状態に保たれていますが、乾皮症などでこのバリア機能が破壊された状態が続くと、皮膚上で細菌が繁殖しやすくなるため細菌感染の可能性が高まったり、普段は平気な軽い刺激や化粧品などで肌トラブルに陥ってしまったりすることがあります。

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹を発症しやすい人

人間の皮膚の表面には「細胞間脂質(セラミドなど)」や「天然保湿因子(NMF)」と呼ばれる成分が存在しておりうるおいを保っていると考えられていますが、それらの分泌量が減少してしまうと乾皮症/皮脂欠乏性湿疹になりやすいといわれています。そのため、以前はそれらの分泌量が低下した高齢者が主な患者であったのですが、最近では若い世代や子供などにも増えてきているようです。

このような若い世代や子供で発症する人の特徴としては、アトピー性皮膚炎の可能性がある人や入念に体を洗う人が多いようです。また、美容師や看護師などのような頻繁に洗浄剤を触る人や、銀行員のような日常的に紙を触る人は手に乾燥性湿疹が出やすくなるといわれています。

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹の原因

このような症状が現れる原因として考えられているのが、次のような2種類の要因です。

外的要因による乾皮症/皮脂欠乏性湿疹

体の外からの刺激や異物で症状が起きる場合は、こちらのタイプが考えられます。具体的な要因としては、次のようなことが考えられます。

  • 皮膚のうるおい成分を洗い流してしまう洗浄剤や薬剤の使用
  • 紙のような皮膚への刺激があるものや皮脂を吸い取る物質を日常的に使用すること
  • 乾燥した空気に長時間さらされるなどの環境的な要因

内的要因による乾皮症/皮脂欠乏性湿疹

また、体の中の異常や原因によって起きるタイプもあります。考えられる原因としては、次のようなケースがあります。

  • 加齢や病気、日常生活が原因で皮脂や脂肪肝細胞などのうるおい成分の量が減ること
  • アレルギー体質

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹の治療

症状が気になりドクターに受診した場合、基本的には外用薬で保湿効果が期待できる薬を処方されることが多いです。具体的には、「ヘパリン類似物質」と呼ばれる成分が配合しているものや白色ワセリン、尿素含有のものが一般的なようです。その他、特に炎症がひどかったりかゆみが強かったりする場合には別の薬を処方されることがありますので、詳しくはドクターに相談してください。

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹の予防と対策

軽度の乾皮症/皮脂欠乏性湿疹であれば日常生活の中で軽減が期待できる予防方法があります。ポイントは次のとおりです。

  • 洗浄剤に触れる機会が多い人はゴム手袋などを装着するなど、直接刺激物に接する機会を減らすようにしてください。
  • エアコンなどで空気が異常に乾燥することを防いでください。加湿器などを使って適切な湿度を保つのもおすすめです。
  • 極端に熱いお風呂やシャワーを浴びたり、長時間の入浴をしたりすることは控えた方がよいでしょう。ぬるま湯で短時間の入浴を心がけてください。
  • 入浴や洗顔のときには、肌を強くこすらないように優しく洗ってあげてください。
  • 皮膚に直接触れる機会が多い下着や寝具などは、低刺激のソフトな素材を選ぶとよいでしょう。

日常生活の中で、このようなポイントを心がけると改善される可能性があります。ただ、1度でも乾皮症/皮脂欠乏性湿疹が発症してしまうと、かゆみのあまりかいてしまったりなかなか改善が見られなかったりするケースもあります。そのため、肌の異常を感じた場合には、なるべく早めにドクターに相談することをおすすめします。

乾皮症/皮脂欠乏性湿疹の対策

症状が軽度の場合であれば、食事などで対策することもおすすめです。乾燥肌に効果が期待できるおすすめの食べ物や栄養素について紹介します。

・ビタミンA

ビタミンAには皮膚や粘膜のうるおいを保持して、ターンオーバー(新陳代謝)を促進させる働きが期待できます。おすすめ食材はレバーやうなぎ、緑黄色野菜、卵などがあります。

・ビタミンB

ビタミンBには、ターンオーバーを促進させ肌の炎症を抑える効果があるといわれています。おすすめ食材は豚肉や大豆、納豆などです。

・亜鉛

亜鉛は細胞分裂に必要なミネラルといわれています。おすすめの食材は牡蠣や卵、たらこなどです。

その他にも、ビタミンC(パプリカや果物)やビタミンE(アボカドやナッツ類)なども乾燥肌の改善効果が期待できるといわれていますので、毎日の食生活の中でバランスよく摂取するとよいでしょう。

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